プロ向けスクールや商品開発。「Lサイズ以上の方の力になりたい」を原動力に、多様なビジネスを展開 GARCIA 山田なぎささん#2
「Lサイズ以上痩身専門店GARCIA」代表の山田なぎささん。Lサイズ以上の方には、エステのケアが絶対必要という思いでサロンを開業し、わずか3ヶ月で予約満席のサロンをつくりあげた山田さん。前編では、Lサイズ以上の方が見たくなる内容に徹底的にこだわったインスタ集客、結果出しのみを考えたオールハンドの施術について伺いました。
この後編では、「Lサイズ以上痩身専門店」とニッチな分野にも関わらず、プロ向けスクール、商品開発など幅広いビジネスを展開するコツを教えていただきます。
GARCIA
代表 山田なぎささん
高校卒業後、大手エステサロンに勤務。2回の転職を経て、25才で店舗責任者、その後、全店舗の総店長に就任。15年勤務した後に、第2子出産やご主人の仕事の関係で退職。2022年6月、「Lサイズ以上の方痩身専門GARCIA」を開業。エステ歴20年1.5万人の施術実績のもと、結果出しのみを考えて考案したオールハンドのメソッドは、一度でサイズダウンが叶う。「Lサイズ以上痩身専門店」というニッチな分野にも関わらず、オリジナルブランド「kellyspa」、技術スクールなど幅広く展開。11才・3才の子のママでもある。
インスタグラム:@garcia_esthetic_nagis
主役は、わたしではなくLサイズ以上のお客様!
――プロ向けのスクールも運営されているそうですね。
これからの時代のニーズに合ったエステティシャンを育成するために、今度は人のサポートをしたいと考えています。店舗型のサロンが多かった10年前と比べると、いまは個人サロンが増えていますよね。個人サロンでは、店舗としてではなく、言うまでもなく個人の力が試されます。プロのエステティシャンをひとりでも多く育てたくて、技術はもちろん、メニュー化などの経営面や人間性まで伝えられるようなスクールを運営したいと思っています。
――プロ向けというとどんな方が対象になるのでしょうか?
リラクゼーション系やリンパマッサージなど体に触れたことがあるエステティシャンの方で、今後痩身を導入したい方向けということになります。部位別は1デイからスタートしますが、かなり高度な技術もありますので、全身習得するためには4~6ヶ月はかかると思います。わたしと、もうひとり痩身専門のエステティシャンとの共同経営で、2023年10月開講に向けて告知を始めたところです。
――スクールはスタートしたばかりなのですね。さらに、オリジナルブランド「kellyspa」と多岐に渡るビジネス展開ですね。
いろんなことしてますよね。忙しいです(笑)。「kellyspa」は、納得できるバスソルトがなかったので、自分で作ったんです。一般的なバスソルトは、塩にアロマの香りがするものが多いですが、それだけではLサイズ以上の方にはなかなか効果が出ないんですね。
――「kellyspa」のバスソルトには、どんな特徴があるのでしょうか?
デトックスにこだわって、ミネラル濃度がかなり高いバスソルトをつくりました。体内にミネラルが十分にないと痩せるサイクルに入っていかないのですが、必要なミネラルを食事だけで摂取するのは難しいんです。そこで、お風呂に浸かるだけで毛穴からたっぷりのミネラルを吸収できるバスソルトをつくりました。
「kellyspa」には、ピンクとブラックがあります。ピンクは100%ミネラル。ブラックには硫黄が入っているので、抗酸化力が高く、身体のサビもとってくれます。香りも独特で、ちょっとハードなイメージです。発汗量が普通のものとはまったく違うので、びっくりされる方が多いですね。
――サロンのお客様にも愛用者は多いのですか?
もう皆さん使ってくださっています。元々、一般の方向けというよりも、サロンのお客様になにかいいものを提供したいと思ってつくったものなんです。
――「Lサイズ以上痩身専門店」とニッチでありながら、スクールや商品開発など幅広いビジネスを展開できているのはなぜですか?
ニッチの中のニッチなのかもしれませんね。原動力は、Lサイズ以上の方の力になりたい。それに尽きます。自分ひとりでは限界があるから、施術ができるエステティシャンを増やしたい。Lサイズ以上の方のお役に立てる商品をつくりたい。わたしが主役ではなく、Lサイズ以上の方が主役。お客様が主役として物事を考えた結果、現在のスタイルになりました。
家族の時間も増え、独立してよかったと心から思える
――山田さんは、おふたりのお子さんがいるそうですが、仕事と育児の両立は大変ではないですか?
勤務しているときに比べたら、メチャメチャ余裕が持てるようになりました。サロン勤務のときは、朝8時前に家を出て、19時ギリギリにお迎えに行き、スーパーに寄って、夕飯の準備。運動会も、会議に出るために途中で抜けたり。それが当たり前だと思っていたんですよね。上の子のときは、人に預けっぱなしで、育児してなかったと思います(笑)。
開業してからは、運動会にまる一日参加できたり、そういう当たり前のことが嬉しいです。それと、組織の中では売上目標やスタッフ育成の悩みなどいろんな重圧がありましたが、いまはストレスフリーで働けています。仕事の重圧がないことは大きいですね。家族の時間もかなり増えて、独立してよかったと心から思っています。
――最後に、今後の抱負をお願いします。
チケット制ということもありますが、紹介のお客様が多く、来月もすでに満席で、充実した日々を過ごせていることが本当にありがたいです。これからも、経営者という立場はひとまず置いておいて、ひとりのエステティシャンとしてお客様の方向を見て仕事をしていきたいと思っています。そこはブレずにいきたいですね。
山田さんが多角的なビジネスを展開できている理由は
1.主役はわたしではなく、Lサイズ以上のお客様
2.原動力は、Lサイズ以上の方の力になりたいという気持ち
3.経営者の前にひとりのエステティシャンであれ
インタビュー後、明るく前向きな山田さんのエネルギーを明らかにいただきました。ちょっと太って来店されるお客様も、山田さんの確かな技術とそのエネルギーを受け取ることで、「ここに来れば大丈夫」となるのでしょうね。「経営者である前に、ひとりのエステティシャンとしてお客様の方向を見る」。全美容従事者が心に刻みたいですね。
取材・文/永瀬紀子