何者かになるのを待たず、「とりあえずやってみる」精神で発信を強化「AURUM」金田昭徳さん

愛知県岡崎市で1人サロン「AURUM」を開いている、美容師の金田昭徳さん。前編では週休3日で月100万円を達成している金田さんに、どのようにして実現しているかを伺いました。

後編では金田さんが力を入れている、stand.fmを使った音声配信についてお話を伺います。音声発信に興味がありつつも、なかなか始められなかったという金田さん。恥ずかしさを捨て、「とりあえずはやってみる」の精神で一歩を踏み出し、kindle本の出版などにもつながっていったといいます。

今回、お話を伺ったのは…

金田昭徳さん

美容師/「AURUM 」代表

愛知県の数店舗を経て、独立。当初はアシスタントのスタッフを雇用していたが、2017年より、1人サロンにシフトチェンジ。現在は週休3日で月100万円の売上が可能なサロンに。ブログ、インスタ、stand.fm、kindle本などさまざまな媒体での発信にも力を入れることで、広告宣伝費ゼロで集客にも成功しているため、高い収益が可能となっている。

Instagram:@aurum_kanada

何者かになれる日を待っても、その日は来ない

金田さんが今もっとも力を入れているのが、音声配信アプリ「stand.fm」

――当初は、ブログでスタートしたということですが、今はほかの媒体でも発信をされていますね。

みなさんからよくそう言われるのですが、そのときどきに力を入れる媒体を決めているので、すべてを毎日配信しているわけではないんです。今力を入れて、毎日発信しているのが、stand.fm。音声配信をするアプリで、登録さえすればだれでも配信ができる仕組みになっています。

――音声配信をしようと思った理由は?

著名人の方の音声配信を僕がよく聞いていて、とてもいいなと思ったんです。発信を受ける側は何かをしながらでも聞けますし、発信をする側にはYouTubeなどとくらべても、作業量が少ないというメリットがあると思って。ただすぐに自分もやりたいと思ったわけではなく、半年ほどは悩みましたね

――なぜ悩まれたのですか?

自分が話せることはあるのかという疑問もありましたし、話すネタはあっても「こんなことみんな知っているんじゃないか」と思ってしまって。とくに音声の場合は、恥ずかしさもありましたね。でもこれまでの発信でも「とりあえずやってみる」を大切にしていたので、もうやってみるしかないと思って始めることにしました。

発信を始めるのをためらう人の多くは、とにかくいい情報を出さなきゃいけないっていて、なかなか一歩が踏み出せないんだと思うんです。だから自分が何者かになれる日を待ってから始めようとするんですけど、そういう人は絶対にやらないんですよね。「とりあえずやってみる」が発信では、とても大切だと思います

――実際に始めてみて、しゃべることはできましたか?

初回はまったくしゃべれませんでしたね(笑)。じゃあ、と思って台本を作ってみたのですが、それを読むと今度は棒読みになってしまう。どうやったらうまくしゃべれるだろうと考えたときに、「お客さまとだったら普通にしゃべれるのに」と思ったんです。そこで思いついたのが、鏡に向かってしゃべること。普段の接客では、鏡越しのお客さまに向かってヘアケアの話を10分でも15分でも普通に話せるわけですよ。それでしばらくは鏡の前に立って、収録をするようにしていましたね。1ヶ月くらいやっていたら慣れて、鏡の前でなくても話せるようになりました。

――stand.fmを始めたことによるメリットは?

雑誌掲載のお話をいただいたり、外部の仕事も広がっていきました。集客の面でもインスタやブログだけを見てきているというより、いろんな発信を見てきてくれていると思うので、信頼感につながっていったと思います。音声配信は、動画や文字の媒体とは違って、拡散されづらく、バズりにくいというデメリットがあるのですが、人脈が広がりましたね。今年、Kindleで電子書籍を出版したのも、音声配信でつながった方に電子書籍を出した方がいたからでした。

毎日発信するからこそ、ネタが入ってくる

金田さんが2023年7月に出版した電子書籍「1人サロン美容師のリアル: あえてそれを選んだワケ」

――電子書籍を出している方と知り合ったのがきっかけになったのですね。

はい。書籍の出版というのがすごいことのように思っていたのですが、手続きさえ踏んでしまえばだれでも出せるんだということを知って。それこそ電子書籍で「電子書籍の出し方」というような本があったので、見よう見まねでやってみることにしたんです。ブログの発信で、文章を書くことには慣れていたので、それが長くなった、くらいの気持ちでそこまで難しさは感じませんでした。

――ちなみに、発信は外注に頼むという人もいると思います。自分で発信をすることのメリットというのはあると思われますか?

すごくあると思いますね。発信を続けようと思ったときにアンテナの貼り方が全然変わってくると思います。今まで情報発信してこなかったときは見過ごしてきた部分がネタになったりすると思うんです。毎日発信するからこそ、ネタはどんどん入ってくるんだと思います

――今後はこんな発信をしていきたいという思いはありますか?

今はstand.fmで配信していますが、今後、審査が通ればVoicyというアプリのほうに移行したいという思いがあります。あとは9月に2冊目の電子書籍を出したのですが、これが「美容室マナーを知ればあなたはもっとキレイになれる」という本でお客さまに美容室のマナーを知ってもらうという本になっています。この本を多くの方に届けたいですし、今後も電子書籍を10冊は出したいという思いがあります。

生涯現役美容師でいるためにも、収入の柱をもう1つ作る

少しでも長く美容師を続けたいと金田さん

――お客さまに美容室のマナーを知ってもらう本。なぜそういう本を出そうと思ったんですか?

これは僕が美容師として大事にしてきたことともつながるのですが、美容師には接客業と職人の部分があると思っていて、僕は接客業によりすぎたくないという思いがあるんです。たとえばお客さまが美容室で足を組むこと。足を組まれると、体のラインが曲がってしまい、まっすぐに切れません。こういったことも接客業の方によりすぎると、指摘しづらいことだと思います。でも知っておいてもらえると、お客さまもきれいになれるし、きれいな髪型を作るためには必要なことだと思っています。

マナーを知ってもらう、という形をとっていますが、僕は美容師の技術の高さ、ここまで気をつけている、ということを知ってもらいたい気持ちがあります。

――最後に今後の目標を教えてください。

生涯現役美容師を続けていきたいと思っています。そのためには、美容師の収入が減っても生活が成り立つくらい、発信によって外部の仕事などを増やしていきたいと思っています。1人サロンは自分にはとても向いている経営形態ですが、自分が働けなくなると収入が途絶えるというデメリットもあります。発信に力を入れ、そのリスクが分散できるようになるといいなと思っています。


金田さんが発信を続けてきた3つの極意

1.「とりあえずやってみる」の精神を大切にする

2.発信を続け、アンテナを張り続ける

3.職人である自分を大事にできるように、発信の内容を選ぶ

金田さんのお話を聞いていて感じたのは、行動をすることの大切さ。何かを「やってみようかな」と思う人は多くても、実際にやってみるまでには大きな隔たりがあり、行動に移せるのが金田さんの強みだと感じました。美容師としてもっと活躍したい人は参考にしてみてくださいね。

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Salon Data

AURUM
住所: 愛知県岡崎市竜美中2-5-3
TEL: 050-3177-4428
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