自宅でも再現できるケア方法を漫画で公開!美容師・宇野和弘さん

表参道のサロンから独立し、町田にサロンを立ち上げ、わずか3ヶ月で月商100万円を売り上げた宇野和弘さん。前編では、数々のメディアで話題になった集客の秘訣を伺いました。WordPressで自作したwebサイトにヘアにまつわる700ものQ&Aを掲載したところ、一躍人気サイトとなり、集客に成功したそうです。
後編では、宇野さんが「monohair」を立ち上げ、独立するに至ったきっかけを伺いました。リピート率の高い30~50代の女性をメインターゲットにし、顧客層にあわせた訴求を行ってきたのだそう。その成果もあり、リピートと新規の割合は9:1と理想的な数値になっているとのことです。

今回、お話を伺ったのは…

宇野和弘さん

都内のサロン4店舗での勤務を経験後、町田の美容室「monohair」をオープン。表参道、渋谷、代官山、六本木、品川等で16〜20年以上のキャリアをつんだ美容師6名をスタッフとして抱える。毛髪、薬剤に関する豊富な知識を生かしたヘアケア漫画を投稿するInstagaramのアカウントは1.9万人のフォロワーを有する。

monohairサイト

インスタグラム:@monohair_henshu

ヘアケア漫画

漫画 美容師物語

リピート率の高い30~50代女性をターゲットにサロンオープン

サイトには顧客からの好評な口コミが多数寄せられている

――宇野さんが独立を決めたきっかけを教えてください。

都内の有名サロンに勤めていたときに妻の妊娠が発覚したのがきっかけです。当時は仕事が忙しく、帰宅が終電になってしまうこともしばしば……。激務に加えて、近くに頼れる親類もいなかったこともあり、妻に子育てを任せきりになってしまうと思い、働き方を見直すことに。美容学校時代から「いつかは自分の店を持ちたい」という独立志向を持っていたこともあり、このタイミングで独立してサロンを持つことにしました。

――独立してサロンを出店するとき、顧客のターゲット層などは意識されましたか?

開業当初はひとりでお店を切り盛りしていたこともあり、30〜50代の女性をメインターゲットにすることに決めました。その層のお客さまは、カットとカラーという基本的なメニューのオーダーが多いのが理由です。カットとカラーは、一人でも効率的に施術できるうえ、施術時間の目安が立てやすく、予約の枠の取り方を整理しやすいという利点があります。
また30〜50代の女性層は、10〜20代に比べてリピート率が高いのも特徴です。美容室のリピーターと新規の理想的な比率は9:1と言われていますが、現在のところ、それに近い数字になっています。既存顧客の失客を見込むと、10~15%ほどの新規顧客を獲得していきたいので、現在のところは理想的なバランスでの集客ができていますね。

サイトに掲載する情報は、ターゲット層に合わせて絞る!

以前は多くのQ&Aを掲載していたが、顧客層に合わせてカテゴリを絞った

――ターゲット層を意識した訴求などは行っていますか。

30~50代の女性がカラーとカット以外によくオーダーされるのは、白髪染めと縮毛矯正です。今まではwebサイトに多くのカテゴリのQ&Aを置いていましたが、顧客層が固まってきたことを踏まえ、カテゴリを「白髪染め」と「縮毛矯正」に絞って訴求するようにしました。白髪染めはサイクルが早い方だと3週間に1回、縮毛矯正は3〜4カ月に1回のリピートが見込めます。需要が高い施術に対する知識と技術があるという点をアピールし、伝えることが、新規・リピーターの獲得に繋がっていると思います。

――リピーターを増やすために心がけている訴求はありますか。

webサイトやSNSにアップしているヘアケアに特化した漫画は、リピーター創出を目的として投稿しています
サロンでの限られた施術時間だけでは、自宅でできるケア方法をお客さまに伝えきることは難しいもの。そこで、ヘアケアのノウハウをまとめた漫画を作ることにしました。
ヘアケアのなかでも主に、シャンプーテクニックやドライヤーの効果的な使用方法などを漫画にまとめているのですが、これを読んでケアしてもらえれば、自宅でもツヤ感やよい手触りを再現できるようになります。
漫画の内容を試して効果を感じると、お客さまは驚きや感動の気持ちを持ってくださいます。これによりサロンに対する信頼感が生まれ、リピートにつながるというわけです。漫画は、アフターフォローの一助となっています。

家族第一!お子さんがいるスタッフも安心して働ける環境を整備

お子さんのいるスタッフのリアルな声を漫画化し、公開している

――monohairのスタッフさんは全員、都心のサロンで16〜20年以上のキャリアを積んだベテラ美容師さんばかりなのですね。

30〜50代の女性がターゲットで地域に根ざした美容室ということもあり、お客さまと同年代の美容師が集まりました。お客さまも経験を積んだ美容師に施術してもらうと安心しますし、美容師も自分と年齢が近い方の施術を得意とする人が多いので、win-winなのかもしれないですね。
スタッフの6名中3名が子供を持つお母さんなのですが、お客さまもお子さんがおられる方が多いので、ママ談義に花を咲かせている光景をよく見かけますよ

――6名中3名がお子さんを持つお母さんとは、比率が高いですね!

若手の時期を都内の有名サロンで過ごし、身を粉にして技術を高めてきたものの、出産・子育てによってキャリアが中断してしまう女性の美容師さんがとても多い状況を、常々「もったいない」と感じてきました。技術があり美容師の仕事が大好きなママ美容師にも安心して働いてもらえる場所を作りたいという思いから、積極的に採用を行ってきました。
お子さんを持つ方がお仕事をする上で気がかりなのは、仕事中いつ呼び出しがかかるかわからないことと、急なお迎え要請などにも対応できるのかということ。これは、子供を持つ私たち家族も悩んできたことでした。そうした心配をもたずに働いてもらえるよう、急なお迎え要請があったときは、メンバー同士でカバーしあって、快く送り出す文化を作り出しています
また私の妻が女性スタッフの気持ちを代弁して、率直な意見を言ってくれることも。その意見も取り入れつつ、スタッフが働きやすいお店づくりに取り組んでいます。

――宇野さんの今後の目標を教えてください。

まずは、現在働いてくれているスタッフに、勤務時間や待遇等を含めたよりよい労働環境を提供できるようにしていくことが目標です。
現在は町田市でサロン1店舗を経営していますが、同じ価値観を共有できる美容師さんとの素敵なご縁があったら、サロンの拡大なども考えていきたいです


宇野和弘さんのサロンが躍進を続ける3つの秘訣

1.リピート率の高い30~50代女性をターゲットに据えた

2.ヘアケア漫画を公開し、サロン来訪後のアフターフォローに活用している

3.働きやすい文化を作り、高い技術を持つママ美容師さんを積極的に雇用した

にこやかにサロン経営を語ってくださった宇野さん。成功の裏側には、実直なサイトづくりと、戦略的な経営、スタッフのみなさんへの愛がありました。今後、サロン経営を開始していきたい方は、宇野さんのサロンづくりを参考にされてみてはいかがでしょうか。

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Salon Data

monohair
住所:東京都町田市中町3-4-3 101
TEL:042-860-6334
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