洗練されたヘアメイクがSNSで話題に!MIYUKIさんに聞く「自分のスタイル」の見つけ方【ヘアメイク/美容師・MIYUKIさん】#2

2023年5月にフリーランスのヘアメイク/美容師として新たなキャリアをスタートさせたMIYUKIさん。現在、Instagramでは3.5万人フォロワーを抱えており、その洗練されたヘアスタイルの投稿はファッション感度の高い人から常に注目を集めています。

後編では、多くの人に支持されるようになったきっかけやSNSの運用についてのアドバイス、そしてMIYUKIさんの今後の目標についてお伺いしました。

教えてくれたのは…
ヘアメイク/美容師・MIYUKIさん

大阪ビューティーアート専門学校を卒業後、20歳のときに上京し表参道のU-REALM(ユーレルム)に入社。5年間アシスタントを経験した後にスタイリストデビュー。現在はヘアメイクを中心に手がけており、2023年にはフリーランスとして独立。ヘアメイクを中心に活躍の幅を広げている。

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Instagram

「タイトスタイル」が注目を集め、SNSで話題に

――現在Instagramフォロワー3.5万人を抱えるMIYUKIさんですが、多くの人に支持されるようになったきっかけがあれば教えてください。

今の私のスタイルって、はっきりわかるようになっていると思うんです。でも最初は結婚式の参列のお客様が多かったので、その当時は今のスタイルと全然違って。始めたのが6〜7年前だったので、ゆるふわ系が流行っていて今とは全くジャンルが違うようなスタイルをやることが多かったんです。

最初はそういったヘアセットが多かったんですけど、Instagramに投稿し始めていったら徐々にサロンに来てくれるお客さんも増えましたね。実際に土日であれば1日何十人も来てくださる日もあったりして、自分的にも徐々にお客様が増えているなって実感があったんです。でもコロナ禍になってからは、もちろんサロンにくるお客様も減りましたし、一気にヘアメイクのお客様もゼロに近くなって、集客ができなかったときもありました。

それからアシスタント4年目くらいまでは、結婚式の参列のお客様がメインだったんですけど、成人式や卒業式を迎えるお客様がちょこちょこ来るようになったんです。それで私が一番多くの人に知られる機会になったのが、アシスタント4年目のときに来てくれたその年の卒業生のヘアセットですかね。その年の卒業式のヘアセットって本当に数件しか入ってなかったんですけど、一番最初に来てくれたお客様が私が昔にInstagramに投稿していた「タイトスタイル」を見つけてきてくれて、これにして欲しいと言われたんです。

「いい感じに合わせてやって欲しいです」とお客様が水引と金箔を持ってきてくれて、そのスタイルを投稿したら、すごく反響が良くて。そのヘアスタイルを載せた後から一気に予約の電話とDMがたくさん来るようになったんです。そこから同じヘアセットをしてほしいとオーダーしてくれるお客様が一気に増えて、そしたら私のつくるヘアメイクのジャンルもガラッと変わって。そこからタイトめなスタイルにしたいってお客様がたくさんいらっしゃって、今に繋がっています。それがきっかけかなと思っています。

――現在もSNSでの発信に力を入れていると思いますが、結果こういった投稿やアクションが集客に繋がったと思うことはありますか?

さまざまなジャンルがあるなかで、やっと今のスタイルにたどり着いたんですね。あのときの卒業生がタイトスタイルをオーダーしてくれて、自分のジャンルがビシッと決まったというか。そこから「自分はこういうスタイル」っていうのが決まってきたので、Instagramも統一感のある雰囲気にしようと思って、以前に比べてガラッと変わりました。

でも実際にそれを一から作り出すっていうのは結構難しいと思うんです。でも色々やっていくことで、自分のなかでヒットするヘアスタイルとかカラーってあると思っていて、そこが統一できたのが大きかったのかなと思います

完璧じゃなくていい。SNS投稿から見える「自分のスタイル」

――自分のスタイルを見つけるためには、どのようなことをしたらいいと思いますか?

自分のスタイルってそう簡単には見つからないと思うんです。投稿を続けてみたりとか、毎日継続して見つかるものだと思っていて。私もそれなりに時間をかけてコツコツやってきたなという実感もあるので、最初は数をこなしてみるといいと思います

たとえば最初は色々な投稿をしてみてもいいと思うんです。自分のジャンルを作り出していくのを目的とするのではなくて、「自分がつくるスタイルのなかで何がお客様に受けているんだろう」と探すために、統一感のないバラバラの投稿をしたっていいと思っています。実際に人気の美容師さんも、昔の投稿まで遡ってみたら今とは違う雰囲気だったりすると思うんです。みんな色々探り探りでやっていくなかで「自分のスタイル」を見つけていると思うので、最初はとにかく数をこなすのが大切だと思いますね。

――綺麗で統一感のあるコンテンツを投稿している人をよく目にするからこそ、完璧なものを投稿しなきゃならないと思っている人も多いのかなと感じています。

もちろん最初から自分の好きなスタイルなどが明確にあるのなら、最初からジャンルを決めて投稿していってもいいと思うんです。でも私はそれとは逆で、自分の好きなスタイルがあったわけでもないし、何かピンと来るものがあったわけではなくて。だからとにかく投稿をし続けていったら、自分のスタイルが明確になりました。特にどういう方向性でやっていこうか悩んでいる人は、とにかくたくさん投稿をしていきながら見つけるのがいいのかなと思います

実は私も今、Instagramの運用に悩んでいるんです。私はジャンルが決まりすぎているので、それによって私のスタイルがハマらないお客様は来てくれなかったりするのかなと。決めすぎるのは良くないのかなって思いつつも、昔はふんわりとしたヘアセットもやってたから別にできないわけではない。でも今のスタイルとはまったく違うので、お客様からはどういうふうに見えているのかなと思うときはありますね。そこが最近難しいなと感じる部分ではありますね。

私もスタイリストとしてデビューしたときに、カットカラーのお客様をちゃんと呼ばないといけないなって思って、カットやカラーの写真も載せてみたり、本当に色んなことをやってみたんです。でもそうするとフィードがぐちゃぐちゃになっちゃって。それにスタイリストになれるまで頑張ろうと思ってやってきて、いざスタイリストになったら、「あれ?結局私って何がやりたかったんだろう」と思う時期と重なったんです。だからスタイリスト1年目のときはすごく迷走してましたね。「このままヘアメイクだけをずっとやり続けるのがいいのかな」「美容師としてやっていたほうがいいのかな」とか。

でもその頃からブライダルの仕事の依頼が来るようになって。ブライダルの仕事をしていると、「やっぱヘアメイクってすごく楽しいな」って再確認できたんです。それくらいから「ヘアメイクをやっていきたいな」って思って。今ももちろん美容師としても活動していますし、美容師業も好きなんですけど、ヘアメイクに重きを置きたいなと思ってフリーランスとして独立することにしたんですよね。

積極的にスキルも手に入れ、唯一無二の存在に

――ヘアメイク、美容師だけでなく、アイブロウリストとして活躍していますが、実際にたくさんのスキルを持っていることがどのように仕事に活かされていると思いますか?

最初はヘアセットから始まって、ヘアセットをやっていると必然的にお客様に「メイクもできますか?」って聞かれるんですよ。そうするとやっぱりメイクもできなくちゃいけないなと思って、そこからメイクを勉強してやるようになったんです。

それからメイクをやっていくと、一番苦戦したのが眉毛で。今は眉メイクが一番好きなんですけど、自分に眉を描くのと人の顔に合わせて眉を描くのって全然違うんですよね。それでそのときちょうど「ハリウッドブロウリフト」が人気になってきて。カットカラー、ヘアメイク、ハリウッドリフトブロウができて、お客様に全部任せてもらえるって一番嬉しいなと思ったんです。たとえば、カラーの放置中に眉毛の施術もできるし、お客様も無駄なく時間を有効活用できる、ひとつの場所ですべて完結できるのはプラスでしかないというか。

実際にブライダルでも新郎さんが、ハリウッドブロウリフトをすることもあって。眉毛を整えるだけで印象も変わりますし、お客様自身もやってよかったって思ってもらえるので、その後にも繋がる。繋がるものは、全部繋げていきたいという気持ちでやってます。

――実際にアイブロウリストとしての活動を始めたのはいつ頃からですか?

フリーランスになった、今年の5月から始めました。フリーランスでやっていくことをプラスにしたいという思いもありましたし、フリーランスだからこそできるというか。今は自由に自分がやりたいことをどんどんやっていった方がいいなと思っていますし、自分でやっていかないと逆にフリーランスである意味がないと思っていて。

だから外部のブライダル関係の方と繋がって仕事を一緒にできるようになったのも、フリーランスになってからどんどんやってみようという気持ちが大きかったからだと思います。フリーランスは働き方が自由であるからこそ、やっぱり自分でしっかりやっていかないと厳しい。自由だからこその厳しさっていうのはすごく感じているので、やれることはどんどんやっていきたいなと思っています

――MIYUKIさんが感じる、ご自身の強みを教えてください。

たとえば外部の仕事だと、基本的に初めましてのメンバーでお仕事することが多いんですけど、結構覚えていてくださる方が多くて。1回しか一緒に仕事をしていないけど、急に連絡をもらったりすることもあったり。「次に繋げたい」っていう気持ちがすごく強いので、お客様はもちろん、一緒にお仕事する人から頼みやすいような空気感みたいなのを作っていたいというか。そういう気持ちがあるからこそ、次に繋がっていると思うんです

そこは今後も自分の強みにしていきたいなと思うので、新しい人と新しいことが一緒にできるような環境にしていけたらいいなと思ってます。

「1回きりの仕事」では終わらせない

――最後にMIYUKIさんの今後の目標について教えてください。

たとえば会社をつくったりとか、そういった大きい目標が私はあんまりなくて。ただ今は、続けてきていることをちゃんと次に繋げたいなと思っているので、美容師とヘアメイクを両方やってることに意味を持ってやっていきたいなと思っています

外部で初めて一緒にお仕事をする方に、「あの人すごくよかったからまたお願いしよう」って言ってもらえるような仕事ができたらいいなと思っています。きっとすべてが繋がってくると思うので、ブライダルでヘアメイクを担当したら終わりではなくて、「美容師もやっていたからサロンも行きたいな」って思ってもらえたらすごく嬉しいです。

大事な節目があるときに、毎回お願いしてもらえる。そして次にちゃんと繋がったり、お客様がお客様をまた紹介してくれたり、そういった部分を大切にしてこれからも増やしていけたらなと思っています。ちょうどブライダルの仕事がちょっとずつ増えてきたところなので、そういったお仕事の活動とかも力を入れてやっていきたいですね。


【3か条】MIYUKIさんが大事にしてること

1.「次に繋げる」という気持ちを強く持つこと。

2.現状に満足せず、必要だと思うスキルは積極的に取得すること。

3.お客様の理想を叶えるため、すり合わせは丁寧に。

写真/Shohei
取材・文/菊地菜々

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