キャリア形成は年齢と時代に合わせるべき。年齢とともにビジョンを描き直すことも重要【(株)KAIKA 代表取締役 HAZUKIさん】#2

「独立」を目指してキャリアを磨いている方たち向けて、企業家として成功を収めている先輩たちからのアドバイスをご紹介する本企画。

前編に続いて、長崎市出島にエステティックサロンをオープンし、腸内美容をコンセプトにした健康美容メーカー『(株)KAIKA』を設立したHAZUKIさんにお話しを伺います。

前編ではさまざまなトラブルに見舞われながら、21歳という若さでエステティックサロンのオーナーとして大成功を収めたお話しをご紹介しました。後編ではHAZUKIさんのライフワークにもなった美肌菌との出会い、優秀な人材を獲得するためのユニークなリクルート方法についてお話しいただきました。

お話を伺ったのは…
(株)KAIKA
代表取締役 HAZUKIさん

1991年に長崎市出島にエステティックサロンを開設。大病をきっかけに腸内環境を整える健康食品と出会い、2007年には健康美容メーカー(株)KAIKAを設立。腸内美容®のための健康食品や美肌菌コスメを販売するほか、一般向け化粧品のOEMも請け負っている。来春には長崎市内に免疫アップ宿泊サロンのオープンを予定。

20代後半で発症した癌が寛解したのを機に、腸内美容を学ぶ

(左から)バイオフェイスウォッシュ 60g 3,278円、バイオスキンローション 100mL 4,389円、バイオホワイトエッセンス 10mL 2,090円、バイオスキンエッセンス 10mL 1,980円。肌本来の自活力を目覚めさせるために美肌菌を配合したスキンケアシリーズ『Bionist(ビオニスト)』。https://bionistskincare.com/

――HAZUKIさんは化粧品の開発もなさっています。そのきっかけは?

最初はサプリメントの開発から始まりました。実は20代の後半で、子宮頸がんにかかってしまったんです。若かったこともあり、早く手術をしないと危ない…と言われていました。

入院する2週間前、サロンのお客さまから腸内環境を整えるサプリを教えていただいて、手術日まで飲み続けたんです。いざ手術となった日に「念のため、癌がどうなっているのか調べて欲しい」とお願いしたら、癌が消えてる! 腸内環境を整えるだけで「こんなに人の身体は変わるんだ」と実感しました。

免疫力があがって、予防美容もできるサプリがあればお客さまに喜んでもらえると確信して、サプリの開発に取り組みました。

――サプリから化粧品につながったんですね。

サプリメントの発売が2001年。2004年にプライベートブランドの化粧品を発売しました。
私は元から敏感肌で、洗顔後はすぐ化粧水をつけないと角質が剥がれ落ちてしまうほど。それなのに男性や子どもは、洗顔後に何もしなくても肌が健やかでキレイですよね。「この差は何?」という疑問が、化粧品開発の出発点です。

ほとんどの化粧品は「しわ対策」とか「美白ケア」とか効能が特化していますよね。女性の肌悩みは1つではありません。1回のスキンケアでいろいろな肌悩みを解決できるのが理想じゃないですか? 肌表面の菌バランスを整えれば、肌はベストな状態を保てます。善玉菌を増やして菌バランスを整えるために、美肌菌化粧品を開発しました。

私のサロンにはさまざまな肌悩みの方がいらっしゃいます。その方たちに「これでいい」と言い切れる化粧品だと自負があります。ニキビのあるアトピー肌の方でも半年ほどで改善が見られ、やっぱり「美肌菌化粧品はすごい」と自信になりました。

――化粧品は効能だけではなく、テクスチャーなど感覚的なものも必要です。そのあたりの手間がかかりませんでしたか?

香りや肌なじみにも、徹底的にこだわりました。1つの商品をつくるのに最低でも30回はサンプルを作ります。私の製造担当者は「めちゃくちゃキツい」と言っていますよ(笑)。

もちろん結果も大事。私の理想は美肌菌コスメでニキビ、アトピー、アンチエイジングとオールマイティに結果を出せること。そのための成分調合には苦労しました。結果の出るものしか使いたくありませんから。もし私が客の立場だったら、試して結果が出なければ二度と使いません。まず自分で人体実験して、さらにスタッフにも試してもらっているので、結果には自信があります。

20代はエステティシャン、30代は人材教育、40代は化粧品開発…人もビジョンも成長

腸内美容に関する情報をまとめた著作。HAZUKIさんが経験した癌や不調との戦いも織り込まれています。

――エステティシャンから始まって、今は化粧品の開発。事業の移り変わりは前々から考えていたことですか?

起業した当初から「出会えてよかった」と思ってもらえるような役立つ存在であり続けることを目標にしています。そのためには人を変えるのではなく、自分が変わって成長することが大事なんですよね。

私も20代はエステティシャンとしてがっつり取り組んで、サロンと会社の基礎を築き、30代になって人材教育をしながら経営者として事業を広めました。30代後半から40代にかけて美肌菌コスメをつくり、世界進出を狙って動きました。50代に入って、気持ちだけは若いけれど身体が…(笑)。50歳を過ぎたら今までの長いキャリアを生かして働ける環境にしたいですね。

仲間たちと一緒に「あれをやろう」「これをやろう」という具合に仕事を進めていくのが理想です。今、スタッフは8名います。彼女たちがそれぞれ個人事業主としても活躍できるような体制をつくっています。

――ピーク時で50人ものスタッフを抱えていた状況とは、ガラッと変わったのですね。

現在は全国のエステティックサロン向けの商品開発と販売を主軸にしています。その関係で、サロンも一般のお客さまではなく、サロンのオーナーさんたちを対象にしているんです。オーナーさんたちは疲れ切っていて、本当にボロボロ。メーカーとして「何ができるか」を考えたとき、オーナーさんのためのサロンだと思い立ちました。月に1週間は大阪でもプロメンテナンスを行っています。かなり遠方からいらっしゃる方もいるので、大阪では朝から夜中まで、サロンを開いて施術しているんですよ。

――HAZUKIさんが起業してよかったと思えることは何ですか?

一緒にこの一生の仕事をする仲間が増えたことでしょうか。

私たちの会社のリクルートは他と違って、サロンにいらっしゃるお客さまがスタッフになっているんですよ。接客するスタッフはお客さまの人柄や愛用度などをよく把握しているものです。間近で観察した上で「この人と一緒に働きたい!」という方を私に推薦する、という方法をとっています。

それから私がその方とお話をして、一緒に働いていただける方を採用しています。女性の自立はとても大事。私の会社では、自分らしい生き方、自分らしい働き方が叶います。今やっている仕事のスペシャリストを目指してもらったら、私から発注もするし、他の仕事を請け負うのも自由。私たちの仕事の範囲がどんどん広がっています。

最初の10年間、すごく苦労しました。ともに歩めるスタッフに出会いたくて、この方法を採っています。

――これから起業する方に向けて、アドバイスをお願いします。

これからのエステティックサロンの経営は、正直に言って難しいでしょう。キレイになるなら美容外科や皮膚科がありますし、マッサージサロンや整体には安さとスピード感があります。これからのエステティックサロンは、お客さまが心身を解放できる場であることが求められると思います。

何のために起業するのか、本当にやりたいことなのか、売上や労働時間などの数字を明確にしているか、誰が喜ぶのか、自分がワクワクしているか…この5つを念頭に行動するといいでしょう。

利己の精神は見抜かれる時代になりました。「人の役に立ちたい」という利他の精神がある人は、どんな職種でもきっと成功できます

HAZUKIさん流! 経営を軌道に乗せて長く続ける3つの秘訣

1.絶対的に自信のあるものだけを販売する

2.理念を共有できる人を選抜し、ともに成長できる仲間と働く

3.対策と行動をスピーディに行う

人材の育成に苦労なさった経験から、とてもユニークなリクルート法を編み出したHAZUKIさん。理念の共有ができるスタッフやサロンオーナーが集まっているからこそ仕事の幅が広がり、さらに大きな夢に向かえるようです。来春には免疫アップ宿泊サロンのオープンを予定。今から完成が待ち遠しい!

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Salon Data

(株)KAIKA
住所:長崎県長崎市出島町12-21
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