1つでも多くのやりきった経験を積み、「根拠のない自信」で採用を勝ち取った「FILMS銀座」平松巧希さん
2017年に代表の若林紀元さん、設楽雅貴さんを中心に銀座でオープンし、現在は関東近郊に7店舗を展開するまでに急成長を遂げている「FILMS」。その「FILMS」で、入社4年目にして銀座店の副店長となり、最年少幹部に抜擢されたのが、現在入社5年目の平松巧希さんです。
第一志望だったサロンに落ちてしまい、失意のなかにいた平松さんがたまたま見つけたのが「FILMS」の採用情報。すでに募集は締め切られていましたが、若林さんからの一言で面接を受けることになったそうです。
「自分がスピード感をもって成長できる環境に身を置きたい」と考えていた平松さん。サロン見学では若林さんを質問攻めにし、言葉通り攻めの就活をしてきたといいます。また採用試験の際にあまり動じることなく、自分の言葉で話すことができたのは、今まで積み上げてきたものから生まれる「根拠のない自信」があったからだと、振り返ります。
今回、お話を伺ったのは…
平松巧希さん
美容師/「FILMS銀座」副店長・人事担当
静岡県出身。国際文化理美容専門学校卒業後、「FILMS」に入社。入社4年目で副店長となり、FILMSで最年少幹部に抜擢される。現在は入社5年目で、副店長のほかにも人事部所属として採用にも携わる。
かたくなりすぎず、自分の言葉で気持ちを伝えることにより、周囲と差別化
――「FILMS」に応募しようと思った理由を教えてください。
最初は表参道のとあるメンズサロンに応募したのですが、落ちてしまって。学生時代から代表の若林のインスタはフォローしていたので、何気なく見ていたらサロンをオープンしたことが書かれていて、応募したいと思ったんです。
――「FILMS」のどんなところに惹かれたのでしょうか?
スタッフ仲がすごくよさそうだったのと、カリキュラムがしっかりしていること。あとはちょっと生意気かもしれませんが、会社が若いのでこれからいろいろなことを新しく作っていくのに、自分も携われるかなと思ったのが大きかったです。なるべく自分が飛躍できるところに就職したいと考えたときに、すごくいい環境だなと思って。
しかも僕が連絡したタイミングが、すでに2次募集も締め切っていて、2次募集の面接が始まる前だったんです。ですが若林からは「もしよかったらサロン見学に一回来てみてください」と声をかけてもらって。こんなタイミングはなかなかないと思ったので、サロン見学に行かせてもらうことにしました。
――サロン見学では、どのようなところを見ましたか?
見ると言うよりは、僕は若林に対して会社がどこを目指しているのかなど、とにかくたくさん質問をしました。長期的に働けるサロンに就職したかったので、しっかり時代やトレンドもおさえていて、育成の環境も整っているか、スピード感を持って成長できるサロンかどうかは特に意識して質問しました。自分が求めているものともあっていると感じたので、面接に進ませてもらうことにしました。
――採用試験のなかでは、どんなことを心がけましたか?
履歴書は基本的なことですが、しっかりと丁寧な文字を書くことを心がけました。ただ、今僕は採用に携わるようになって多くの方の履歴書を見るようになったのですが、内容的にはほかの人と大きく変わりはないというか、そんなに変わったことは書かなかったと思っています。
その代わり、面接のときは自分の言葉で、熱を持って話すということを大切にしました。僕の場合は、面接までの期間がすごく短かったので特別準備できるものもなくて。思いを自分の言葉でしっかりと伝えることで周りと差別化したいと思ったんです。
――自分の言葉とは具体的にはどういうことですか?
いくつか想定される質問に対して話したいポイントだけをしぼっておいて、その途中途中はその場で自分の言葉でつないでいくということを考えていました。きれいな言葉で話すことも大事だとは思うのですが、しっかり気持ちが入った言葉で伝えられる面接にしたいと思ったんです。
――なるほど。ちなみに答えにつまった質問はありましたか?
意外だなと思ったのが、休日に何をしているかという質問です。一応自分の想定質問には入っていたので答えられましたが、会社に対してどう貢献できるかとか、もっと堅い質問がくるのかなと思っていたら、意外とカジュアルな質問をされるんだと感じました。
これまで積み上げてきたものが「根拠のない自信」となって支えてくれた
――スタイルブックなどは提出されましたか?
あれば出してもいいという感じだったのですが、僕は準備が間に合わず出すことができませんでした。「FILMS」では、スタイルブックだけではなく、自分を表現できるものでもあれば提出できるという感じだったので、自己紹介をブックにまとめたものを面接で出している人もいましたね。
――そのときは「まずい」とは思いませんでしたか(笑)?
少し思いました(笑)。でもそのときの自分には、根拠のない自信があって、妙に落ち着いていましたし、面接が終わったときはやりきったという気持ちが強かったです。すごく強気で、もし落ちたら、自分を取らないなんてもったいないと思うくらい(笑)。でもこの根拠のない自信というのは、面接においてはとても大事な要素だと僕は思っています。
――根拠のない自信はどうすればつけられるのでしょうか。
何に対してでもいいのですが、自分が人より大切にしてきたことや努力してきたことによって生まれるものだと思います。たとえば、人より長く残って練習をした、だれよりもスタイル研究をした、だれよりも作品撮りをしたなど、自分のなかでのナンバーワンだと誇れるものがあれば、勝手についてくるものではないでしょうか。
――平松さんは、どんなことに取り組んできたのでしょうか?
僕の場合は、すべてのことに全力で取り組んできた、自信があったんです。練習だけでなく、休みの日に代官山や渋谷などを歩きながら人のファッションやヘアを研究したり、だれよりも美容に対して意識を高くもっていたこと。さらに「FILMS」に入りたい、そしてここで美容師として成功したいという思いが強かったので、根本の部分ではゆらぐことがなかったのかもしれません。
――では採用の連絡がきたときは、そこまで驚かなかったですか?
でも、さすがに少しドキドキはしていました(笑)。連絡はもちろん、すごくうれしかったです。採用が決まったあとは「うれしい」ももちろんあったのですが、がんばるという気持ちのほうが強くて。入社に向けた準備をすぐに開始しました。
――具体的には、どんな準備を?
僕は敬語が全然話せていなかったので、ネットや本で丁寧語、謙譲語がどう違うのか、間違えやすい敬語を全部調べて、徹底的に覚え直しました。サロンのあるエリアが銀座だったこともあって、話し方は丁寧にできるようにしたほうがいいと思ったんです。
努力を支えたのは、美容師として成功したい思い
――お話を伺っていると、平松さんはとてもストイックですね。
僕は中学生のときに美容師になりたいと思い、美容師になるからには成功したい、成り上がりたいと思っていたので、なるべく厳しい環境、学べる環境に身を置きたい気持ちがありました。ちなみに美容学校を選ぶときも、自分が通える範囲の美容学校のパンフレットをすべて取り寄せて、それを並べ、自分に甘えがでないようなもっとも厳しい学校を選びました。
――中学生のときに美容師になりたいと思った理由は?
中学まで母親に髪を切ってもらっていたのですが、中学生になってから初めて美容室で髪を切ってもらった際に、手だけで格好いい髪型を作れることに衝撃を受けたんです。指でカットを変えられることがすごいなと。子どもが好きだったので保育士を考えたときもあったのですが、社会にもまれたい、腕を磨いて成り上がりたいと思ったんです。
平松さんが採用試験で成功した3つのポイント
1.サロン見学では自分から進んで質問し、会社の方向性をしっかりつかんだ
2.面接では、自分の言葉で気持ちをきちんと伝えることを大切にした
3.自分が打ち込んだことを胸に「根拠のない自信」をもって、採用試験に挑んだ
後編では、人事担当として採用に携わる平松さんに、美容学生へのアドバイスを伺いました。また入社から4年目で最年少幹部に抜擢され副店長となった平松さんが、どんな新人時代を過ごしたかも伺います。後編もお楽しみに!