大好きなサロンで働きたい。貢献できるポイントをしっかりアピールし、採用をつかむ「TESS」Ayanaさん
名古屋で人気のネイルサロン「ULL」の姉妹店として、2024年4月にオープンした「TESS」。「ULL」の開業は5年前ながら、個性的なデザインや丁寧な接客で支持を集め、スタッフ増員や店舗拡大を続けています。
そんな「ULL」に3年前に入社し、「TESS」のリーダーを務めるのが、Ayanaさん。大学生のころから「ULL」に通っており、デザインもオーナーの人柄も好きで、サロンの大ファンだったといいます。大学卒業後、一度は別の仕事に就いたものの、ネイリストになりたいという思いを募らせ、ネイル検定を取得。無事に「ULL」の採用をつかみました。
そんなAyanaさんが就職試験のときに大切にしていたのは、どのようにお店に貢献できるのかをしっかりアピールすることだったといいます。
今回、お話を伺ったのは…
Ayanaさん
「TESS」リーダー/ネイリスト
新卒採用で入社したアクセサリーのデザイン会社在籍中に、ネイリストになりたいと考えるようになり、スクールへ通い始める。資格を取得後は大ファンだったネイルサロン「ULL」に入社。入社3年目にスタッフのShinoとともにリーダーに抜擢され、育休中のオーナーに代わり、店舗をけん引する存在に。現在は2024年4月にオープンした姉妹店「TESS」のリーダーを務める。
物作りに携わりたいという思いから、ネイリストの道へ
――ネイリストになった経緯を教えてください。
私は元々、ものづくりや表現に興味がありました。大学では映像について学ぶ学部に在籍し、インスタレーションとよばれる空間表現に力を入れていたんです。そこで卒業後は、ものづくりができる仕事に就職をしようと思い、新卒でアクセサリーをデザインする会社に入社しました。ただ仕事が事前に聞いていた内容と少し違っていたりして、違和感が覚えるところがあり・・・。
そのときにふと頭に浮かんだのがネイルだったんです。私が今、在籍している「ULL」には大学生のころから通っており、ネイルは物作りや表現のできる仕事だと思っていたので、段々と仕事にしたいと考えるようになっていきました。結局その会社を1ヶ月ほどで退社し、アルバイトをしながらスクールに通って、ネイル2級、ジェル検定中級、あとは衛生管理の資格などネイリストになるのに必要な資格を取得し、「ULL」に入社しました。
――いきなり就職するのではなく、まずはスクールに通ったのですね。
はい、資格がなくても応募できるサロンもあるとは思うのですが、私は美容にまったく触れてこなかったので、知識や技術をある程度つけておきたいと思ったのと、自分の自信にもつながると思ったんです。ほとんどのサロンはネイル検定2級と、ジェル検定中級があれば応募できるので、そのラインを目指してスクールに通いました。ちなみに「ULL」では検定を持っていなくても、同等の技術があれば応募できるということになっていましたね。
――スクールにはどれくらい通われたのですか?
1年くらいです。私が通っていたスクールは、期間や受講内容が決まっている形態ではなく、自分が通えるときに通って各自で技術練習を行い、先生に見てもらったり、分からないところがあれば質問をするという形式のスクールでした。
――就職先はどのように選びましたか?
大学時代から「ULL」に通っており、大好きなサロンだったので「ULL」以外で働くことは考えられませんでした。まずは「ULL」にだけ応募し、不採用だったらそのときにまた考えようと思っていました。
――どんなところに惹かれたのですか?
まずデザインがすごく好きでした。名古屋のネイルサロンはきれいめなデザインのところが多く「ULL」のような個性的なデザインのサロンは少なかったんです。あとはオーナーの人柄ですね。お店に行ったときに、ネイリストになりたいことや、「ULL」で働きたいという思いは伝えていて「まずは資格を取得した方がいいよ」と、親身になってアドバイスをしてくれたので、働くなら「ULL」しかないと思っていました。
実はネイルスクールに通うことに対して、背中を押してくれたのもオーナーでした。
面接で大切にした、お店にどう貢献できるかの視点
――就職試験の内容は?
履歴書を送って書類選考に通ると、面接と技術チェックが同日に行われる形でした。
――履歴書にはどんな内容を書きましたか?
アピールポイントを書く欄がいっぱいになるくらい、たくさん書いた記憶があります。具体的には「ULL」のどんなところが好きか、あとは自分がどういう面で貢献できるかということを書きましたね。
私はファッションや美術など幅広い分野が好きなので、さまざまなものからアートに落とし込めるということ、「ULL」のスタッフはおしゃれで洋服好きな人も多いので、私もファッション好きでサロンになじめること、ファッションでも新しいものを取り入れられるというようなことを書いたと思います。
――面接は、どのような形でしたか?
私とオーナーの1対1でした。元々お客として通っていたこともあったので、カチッとした面接ではなく、ラフに雑談をしているような感じでしたね。面接の内容は記憶がおぼろげになっているところもあるのですが、よく覚えているのはお店がどれくらい好きかを確認するために「『ULL』のスタッフの人数と全員の名前が分かりますか?」と聞かれたことです。私は無事に答えることができました。
――面接対策のために、事前に調べていたということですか。
いえ、私にとっては当たり前の情報という感じでした。好きなアイドルグループのメンバーの名前はだれでも分かると思うのですが、そういう感じです(笑)。ただ、今は私が「ULL」の採用にも携わるようになり、面接に同席させてもらうことも多いのですが、この質問に答えられない人が意外と多いんです。「私って『ULL』への愛があったんだな」と思いますね(笑)。
――なるほど(笑)。面接で答えるのに困った質問はありましたか?
面接時に私の人となりの部分をかなり深掘りされたのですが、とくにチームで何かに取り組むときにどんなポジションだったか、困ったときの対処法など、チーム内でどのような動きをしてきたかを、何度も質問されたんです。私は部活もやってこなかったですし、チームで何かをする経験がほとんどなくて。
――それは、困りましたね(笑)。
そうですね。ただ、取り繕ったり、嘘をいったりしてもしょうがないので、正直にこれまではチームで何かを達成した経験がないことを答えました。
――面接時に心がけていたのは、どんなことでしょうか?
「ULL」が大好きだったのでその思いを軸にしつつ、自分ができること、貢献できることについても話すことは意識していました。たとえば、学生時代にアートの作品制作を行ってきたので、人とはちょっと違う視点で個性的なデザインを作れることや、お店に新しい風を吹かせることができること。あとは大学時代から何時間も集中して制作に取り組むことができたので、ネイリストに必要な集中力も持っていて、即戦力になれると思いますと伝えました。
うまく伝えることより、情熱や思いが伝わるように意識
――技術チェックの内容は?
オーナーの爪で、オフとケアをしたあとに、フレンチ、グラデーション、ワンカラーの3種の施術をする内容でした。ちょうどそのとき、スタッフ全員が店内にいる時間だったので、みんなに見られてものすごく緊張して(笑)。それでもなんとかやりきることができました。
――面接、技術チェックは手応えがありましたか?
そうですね。たくさんお話できたし、オーナーからもいい反応があったので、手応えは感じていました。ただ、面接が終わったあとに、インスタのDMでお礼を送ったら、オーナーから「今日はありがとうございました。後日、結果を連絡するのでお待ちください。その間にアルバイトをしたかったら探してもいいですよ」と返事がきて「え!」と思いました(笑)。今考えればオーナーの優しさだったとは思うのですが、当時の私は採用されないのかな、アルバイトを探したほうがいいのかなと焦りましたね。1週間ほどで採用の連絡がきたときは、本当にうれしかったです。
――面接の前に準備をしていたことはありますか?
学生のころ、先生に教えてもらったマインドマップを作成して、自分の考えていることを整理しました。マインドマップとは、頭で思い描いたものを、図式で表現するためのツールです。作成することで自分が大事にしたいことなど、かなり整理ができたと思います。
事前準備としては、一般的な面接で聞かれるような、志望動機、長所、短所、アピールポイントなどはもちろん用意していましたが、それをうまく伝えることより、思いや熱意が伝わるように意識していました。「ULL」のInstagramを見たり、お客として通わせてもらうなかで、オーナーが考え方や思いを大事にする人だということが分かっていたので、それが面接での鍵になるのではないかと思っていたんです。
Ayanaさんの就職をスムーズにした3つのポイント
1.スクールに通うことで、ベースの技術と自信をつけて就職試験に挑むことができた
2.大好きなお店に応募することで、あふれる思いを表現することができた
3.マインドマップを活用することで、思考を整理して面接に臨むことができた
後編では「ULL」に入社したAyanaさんが、どのようなことを感じたかを伺います。入社3年目にしてリーダーに抜擢されたAyanaさん。元々は人に興味を持てなかったAyanaさんが、マネジメントで力を発揮できるようになったのは、オーナーの存在が大きかったといいます。後編もお楽しみに!