自然体かつ自分らしさを忘れずに。モチベーション維持に努めながらいつもの自分で【「LECO」代表 内田聡一郎さん】#3
美容師を目指す学生、新天地を目指すスタイリストさんにとって、避けては通れない就職活動。採用を勝ち取るためには、どんな準備が必要? 心がまえは? そんな疑問を、実際のサロン採用担当者にインタビュー!
個性的で独創的なヘアスタイルを提案し続けている「LECO」。前回に引き続き、「LECO」代表の内田聡一郎さんにお話を伺います。
第3回目は、重要視しているという二次試験の面接や、三次試験のサロンワーク&実技試験、四次試験の概要について。面接の様子からサロンワークの流れや実技試験の内容まで、詳しくお聞きします。
お話しを伺ったのは…
「LECO」代表 内田聡一郎さん

原宿のサロンにてトップディレクターを勤めた後、2018年に独立。「LECO」を立ち上げる。斬新なヘアスタイルが人気を呼び、常に注目を浴びるサロンとして支持者多数。
話している内容よりも声色や表情で見極める
――第1回目で、二次試験の面接は集団で行うと伺いました。
また、若手のアシスタントやスタイリストも参加するとか。
そうなんです。幹部と若手スタイリスト、アシスタントを含めると10人ほどが面接を見守る中、主に質問を行う面接官は5人に対して、学生側も5人ずつで回していきます。
――フローは?
1人1分間で自己PRをお願いしています。
通過は、投票制。面接を見たあと、一人一人票を持って良いと思った人の履歴書の上におき、投票数が多い人から通過する方法になっています。
――面接時、特に見ているポイントは?
キャラクター性を見極めています。
ただ、これといった理想のキャラクターというものはなくて。在籍しているスタッフやサロンの雰囲気との親和性が重要だと考えていますから、スタッフとサロンとの相性を見るためにチェックしています。
――どんなところを見て親和性を判断しているのですか?
志望動機や自己PRでの内容も大事ですが、それよりも話すときの声色や表情、雰囲気。
例えば、口数は少ないけど態度や姿勢で誰よりも熱い気持ちを秘めている場合もあるので、たくさん話すから好印象というわけでもなくて。だからこそ、しっかりと話しをする以外で相手を見るように意識しています。
三次では美容に対しての向き合う姿勢をはかっている

――三次試験のサロンワークと実技試験についてお聞きします。
まずは、サロンワークの概要をお聞かせください。
1日で1店舗につき2時間ずつローテーション。サロンワーク中の業務は、お客様に触れられないため、荷物の預かりや掃除がメインです。
――サロンワークで見ているところは?
サロンとのマッチ度をはかっています。他の試験者と比べて良い・悪いではないし、正解があるわけでもない。今、うちのサロン全体を見て、必要だと思うキャラクターであると判断すれば、通過です。
――実技試験は何を行うのでしょう?
実技に関しては毎年変動がありますが…昨年度では、作品の制作から撮影までを、試験として行いました。
――その流れにした意図は?
その人が好きな系統や世界観がわかることを目的として行いました。入社後にどういう方向性で行くつもりなのかを知っておいて、うちのサロンの方向性と交われそうだと感じたら、仲間になってもらうべきだと考えています。
だから、完成度はあまり求めていなくて。そもそも学生は技術が伴っていないので、完成度よりも作る過程が見たいんです。世界観を知るほかに、作品に向き合う姿勢が評価対象になると思っていただけると良いのかなと。
サロンワーク後の面接は本質を見極める最終局面
――最後は、四次試験の個人面接について。
流れを教えてください。
三次試験のサロンワークと実技試験のあとに、幹部5名に受験者1人ずつで面接。1人あたりの時間はだいたい15分ほどを想定しています。
――質問内容は?
最後の面接なので、今までよりも割と踏み込んだ質問が多いですね。美容よりも、その人の人間的な部分を掘り下げることを目的としています。
――見ているポイントは?
ここでも声色や空気感、表情から、長い時間の中での変化を気にして見ています。一日中一緒に働くのはお客様ではなく我々スタッフですから、疲れたときの行動や反応を見て、判断するためです。
――二次から四次まで、好印象だった人の特徴をお聞かせください。
やはり常に自然体でいて、ギャップがない人に好印象を抱きました。いくら面接で取り繕っても、ふとした瞬間に良くも悪くも素が出るものです。そこに裏表を感じないと良いですよね。
試験を受けている人は全員、モチベーションが高い状態だと認識しています。でも、そんな中でも気が抜ける瞬間があるはず。自分が思う技術や理想像を知るよりも、その人の自然体の姿が見たいと思っています。
採用される面接&実技試験のポイントまとめ
1.話すときの声色や表情、雰囲気を自分らしい状態に
2.実技は自分の世界観の表現&真摯に向き合う姿勢を持って取り組む
3.最後まで気を抜かずあくまで自然体でいることを忘れない
取材・文/東 菜々(レ・キャトル)
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