スタッフの成長を見守りたい。恩師との出会いをきっかけにトレーナー志望へ「QB HOUSE」高橋将士さん

10分のカットサービスが有名で、全国に575店舗、海外126店舗を展開している「QB HOUSE」。その新人研修施設「ロジスカットスクール東京校」でトレーナーとして活躍してるのが、現在入社12年目の高橋将士さんです。前編では、なぜ「QB HOUSE」への転職を決めたのか、研修生時代と新人時代についてお話を伺いました。

後編では、なぜトレーナーに転身することを決めたのかを伺います。研修生時代からトレーナーになることを決めていたという高橋さん。きっかけは、初めてお客さまをカットした時に失敗したのにも関わらず、なぜかトレーナーが褒めてくれたことだといいます。

今回、お話を伺ったのは…

「QBHOUSE ロジスカットスクール東京校」トレーナー・高橋将士さん

神奈川県出身。早稲田美容専門学校を2006年に卒業し、収入や拘束時間に納得できなかったため美容業に就職はせずに映像関係の仕事に従事。当時のパートナーに安定した収入が見込める企業への転職を薦められ、2011年に「QB HOUSE」へ入社している。その6ヶ月後にスタイリストデビューを果たし、2015年にトレーナーに転身。現在入社12年目、未来の「QB HOUSE」を担う研修生に技術を指導している。

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研修時代からトレーナー志望。きっかけは初入客での失敗!?

クレームを起こしてしまった高橋さん。担当トレーナーにかけられたのは意外な言葉だったそう

――トレーナーに転身しようと思ったきっかけを聞かせてください。

トレーナーに興味を持ち始めたのは、研修生時代に初めて入客をした時でした。その時のお客さまはお仕事の昼休みを利用して来店された方で、20分程度でささっと切って帰ろうと思っていたようなんです。でも僕はカットに40分ほどかかってしまい、理想のスタイルにもできませんでした。その結果、お客さまが怒ってしまい、謝罪をしてトレーナーに代わりに仕上げてもらったんです。

――初めての入客でそんなことが…。

そうなんです。お客さまが帰った後、トレーナーに何を言われるかビクビクしていましたが、「ハサミの開閉もできなかった高橋さんがお客さまをカットできたんだよ!」と未経験のところから成長したプロセスをすごく喜んでくれました。その言葉を聞いて、まずはものすごく驚きました。その後「教育したスタッフの成長過程を見ることってそんなにも嬉しいのかな」とトレーナーに興味が湧きました。そして、研修が終わる頃には「指導してくれたトレーナーといっしょに働きたい」という目標を持ち、トレーナーになることを決めていました。

――その方との出会いがきっかけなんですね。トレーナーになるためにどのようなことに取り組んでいましたか?

当時は、店長を経験したスタッフがトレーナーになるというステップがあったので、まずは店長を目指しました。店長になるには美容師と指導者、どちらの要素も身につけておかなければなりません。そのため技術力を磨きどんなお客様も対応できるようにしたり、スタッフの指導法を学んで店舗のトップらしい立ち振る舞いを獲得していました。

研修生ファースト。理解しやすさを心がけたレクチャー

トレーナーのお誘いがあった時、転身しようか迷っていたという高橋さん。背中を押してくれたのは上司のひと声だったそう

――その努力の結果、店長に就任したのでしょうか。

はい。ただ店長になって早々、育成部署からトレーナーのお誘いいただきました。それがちょうど繁忙期で、自分が抜けると店舗が回らなくなってしまう状況だったので「今回は見送らせてもらおう」と思っていました。でも、当時の上司が「うちは大丈夫だから行ってきていいよ」と後押しをしてくれて、異動を決意しました。

――配属後はすぐにトレーナーとして仕事ができるのですか?

いえ、まずはアシスタントトレーナーとして働きます。違いを説明すると、ロジスカットスクールでは、学校のように研修生はクラス分けされるのですが、クラス担任を務めるのがトレーナー。クラスを持たず、副担任のような存在がアシスタントトレーナーです。アシスタントはトレーナーのフォローが仕事で、実技試験を突破するとトレーナーに昇格できます。

試験は生徒へのレクチャーがしっかりできるかという内容なのですが、ただ教えるのではなく自分がカットをしながら説明しなければなりません。これがとても難しく、僕は2回目の試験で合格できました。

――そうなんですね。では1回目と2回目の挑戦で変えたことは?

研修生たちが技術をしっかりと理解できるよう、研修生たちのペースに合わせることを意識しました。1回目の時はスタイルを作ることに必死で、教わっている研修生たちをあまり見ずにただ内容を伝えていたんです。2回目では生徒一人ひとりの表情や仕草などをしっかりと観察するようにしました。聞いたことを理解する時間を与えたり、生徒に合わせたスピードでレクチャーした結果、合格できました。

退職さえ考えた挫折。「理解して認める」で円滑なコミュニケーションが可能に

ロジスカットスクール東京校にて技術を教わる研修生たち

――憧れだったトレーナーになってみて実際どうでしたか。

トレーナーになって初めて、仕事を辞めたいと思うほどの挫折を経験したのを覚えています。当初、トレーナーとして未熟だったため、自分の理想を押しつけてしまい、研修生との間に溝が生まれてしまうことがよくあったんです。そういった思い通りにならないことがすごくしんどいと思っていました。

でも、定期的な面談で上司に相談したら、「一人ひとりをしっかり理解して、認めてあげることが大切」と気づかされて、考えを押しつけるのではなく研修生の考えに寄り添えるようになったんです。それからは、コミュニケーションも円滑に進んで、悩むことはなくなりました。

――現在トレーナーを務めている高橋さんから見て、新人時代に取り組んでおくべきことは何でしょうか。

美容師としてのゴール設定をしておくといいかもしれません。技術を磨くうえで継続は必要不可欠です。「上手くなりたい」とただ思っているだけだと、モチベーションが保てず継続して練習ができません。ゴールとそこまでのステップを明確に設定しておくことで、自分が前に進んでいることを自覚でき、楽しく練習に取り組めます。継続して成長していくためにはメンタル面が重要なのでおすすめです。

――これから美容師を目指す方へのアドバイスをお願いします。

サービス業のなかでも、美容師ほどお客さまの生活と気持ちに密接に関われる仕事はなかなかありません。カットだけでなくコミュニケーションも楽しんで仕事してみると、やりがいをすごく感じられるので意識して働いてみてください。


高橋さんがトレーナーとして意識している3つのポイント

1.恩師と働くという目標をモチベーションに努力を続けた

2.表情や動きをみて、生徒のペースに合わせてレクチャーしている

3.自分の考えを押しつけず、生徒の考えに寄り添ったコミュニケーションをとっている

今ではかつての恩師と肩を並べて仕事をしている高橋さん。それを実現しているのは、高橋さんがトレーナーの仕事に対して情熱を持ち続けたからなのだと感じました。入社したばかりの新人の方、これから美容師を目指そうと思っている人はぜひ参考にしてみてくださいね。

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