目指したのは人に喜んでもらえる仕事。31歳でネイリストになり、2店舗を構える人気のサロンに【ULL代表miyukiさん】#1
名古屋にULLとTESSの2つのネイルサロンを構えるmiyukiさん。自宅の一室からスタートしたネイルサロンは、エッジの効いたスタイリッシュなデザインと、丁寧な接客で人気を集め、約7年間で8名のスタッフが増加。名古屋の人気サロンへと成長しました。
前編では31歳でネイリストとなったきっかけや、自宅サロンでの独立から店舗を構えるまでの経緯について伺いました。
お話を伺ったのは…
ULL/TESSオーナーネイリスト miyukiさん
名古屋にあるアパレルショップで9年間勤めた後、ネイリストになることを決意。ネイルスクールに通い始め、資格を取得し、31歳でネイルサロンに就職。2017年に独立し、自宅サロンを構える。評判が広がり、満席になることが増えたことから、2019年には名古屋市内に「ULL」を出店。2024年には姉妹店となる「TESS」を構え、現在は8名のスタッフとともに、オーナーネイリストとして活躍中。
MIYUKI’S PROFILE
- お名前
- miyuki
- 出身地
- 愛知県名古屋市
- 年齢
- 40
- 出身学校
- 名古屋ファッション専門学校中退
- 憧れの人
- たくさんいすぎて、書ききれません
- プライベートの過ごし方
- 子どもとおでかけ、友達やスタッフと遊ぶ、基本外出
- 趣味・ハマっていること
- 音楽を探すこと。最近はオーディブルにハマりました
人に喜んでもらえて、ファッションにも関われるネイリストの仕事
――ネイリストになった経緯を教えてください。
私は19歳くらいから9年ほど、名古屋にあるアパレルのセレクトショップで働いていました。元々大好きなお店でしたし、マネージャーまでステップアップさせてもらって充実した毎日を過ごしていたのですが、あるときふと、新たな道に進みたいと漠然と考えるようになったんです。
次の仕事のあてはまったくなく、自分にもできそうで、お客さまに喜んでもらえて、元々好きだったファッションに関わる仕事と考えたときに思い浮かんだのがネイリストでした。小さいころから絵を描くことが好きだったので、ネイリストならなんとかできるかもしれないと思ったんです。
――仕事選びの際には、お客さまに喜んでもらいたいという軸があったんですね。
自分ではあまり意識したことはなく、ごく普通の気持ちだと思っていましたが、人に喜んでもらいたいという気持ちはいつも心のどこかにありました。アパレルのときもそうでしたし、振り返ってみると子どものころから周囲の反応が気になる部分があったような気がします。いわゆる「気にしい」な性格なんだと思います。ただそこまで深刻に考えることはないので、楽観的な「気にしい」なのかな、と(笑)。
――そこからどのようにしてネイリストになったのですか?
セレクトショップを辞めて、派遣として別の場所で働きながら2年ほどネイルスクールに通ってネイル検定1級、ジェル検定中級の資格を取得しました。ネイルサロンに就職し、キャリアをスタートさせました。
そこは人材派遣業などを展開する会社が経営しているネイルサロンでした。名古屋はきれい目なネイルデザインを提供するサロンが多いのですが、そこはかわいい、ほっこりとしたデザインを提供するサロンだったので、自分が提供したいデザインにも近いと思ったんです。
――初めてネイリストとして働き始めたとき、どんなことを感じましたか?
スタッフのみなさんもいい人でしたし、楽しかったです。当時の私は31歳、店長が20代前半、マネージャーが20代半ばと、先輩はみんな年下でしたが、とても優しかったですし、年上の私に言いづらいことでもきちっと話してくれて感謝しかありませんでした。
私は新しいことを吸収していくのが好きな性格でしたし、ネイリストはお客さまに喜んでもらえる仕事だと思ったので、段々とはまっていきました。
できていないことすら分かっていなかった新人時代。終わりのない技術の追求
――では苦労した点はとくになかったでしょうか?
技術については苦労しました。ただネイリストとして活動を始めた当初は、技術力がなさすぎて、自分ができていないことにすら気付いていなくて。むしろ自分ができているという意識のほうが強かったです。
――どのようにして、できていないことに気付いたのですか?
スタッフ同士の会話で「爪の根元の開きが気になる」という話しになったときに、自分の施術を見て、「あ、私もそうなってる」と気付いたり、あとはできていない部分は、なんとなく自分が違和感を覚えやすいと思うので、そこから気付いたりしたこともありました。最初に入ったサロンはみなさんいい人だったのですが、とても忙しいサロンだったので、自分で発見していくことが多かったです。
気付いた部分は練習をしていくのですが、克服したと思ったら、別のできていない部分に気付くんですよね。技術の探求には終わりがなく、今でも定期的に技術が未熟だと思うことがあります。
――指名がなかなかつかないなど、集客のことで悩んだことはありますか?
それが、ありがたいことにあまりなかったです。技術の面では至らないところも多々あったと思うのですが、お話ししに会いに来てくださっていたと思います。あとはアパレルで働いていたときのお客さまも来てくださることが多くて、段々と指名がつくようになりました。
――来店の理由はきっとおしゃべりだけではなかったとは思いますが(笑)。ちなみにお客さまと話すときに心がけていることはありますか?
お客さまに話していただけるよう、聞き役にまわるようにはしていますが、お話しをしていると楽しくなっていつの間にか、会話泥棒をしてしまっているときも…(笑)。今もよくスタッフに会話泥棒をしちゃだめだよと伝えていますが、私もしてしまっているときがあって反省します。
独立後は自宅サロンから。周囲の応援もあり2年で店舗を構える
――独立を考えだしたのはいつごろからですか?
アパレルの仕事を辞めるときから、いつかは独立したいという思いがあったんです。独立ができると思ったのも、ネイリストを選んだ理由のひとつでした。働いていたアパレルショップが個人店だったこともあり、近くで経営について見ていたので、自分でもやってみたいと思っていて。2年ほどサロンで経験を積ませてもらったので、そろそろかなと思ったんです。最初はいきなり店舗の家賃を負担する勇気がなかったので、自宅の一室から始めることにしました。
――独立後は、順調でしたか?
いきなり満席にはなりませんでしたが、ありがたいことに集客にあまり困ることはなかったです。引き続きアパレル時代のお客さまが来てくれたり、ご紹介でお越しいただくことも多かったですね。周囲の応援のおかげで、どんどんお客さまが増えていきました。
独立当初は人を雇うことをまったく考えていませんでしたが、予約が埋まるようになってきて、お客さまをお断りするのも申し訳ないので、スタッフを雇うことを考えるようになりました。独立から2年ほど経った2019年の4月に、初めてのスタッフを雇い、店舗を構えることになったんです。
不安がなかったわけではないですが、新しいことを始めるときはワクワクする方なので、好奇心の方が強かったと思います。その後、順調にお客さまとスタッフが増え、2021年には拡張移転、2024年には姉妹店の「TESS」を出店することができました。
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