鍼灸師の主な就職先を紹介!自分に合った職場を探すには?
金属製の「鍼(はり)」や艾(もぐさ)から作った「灸」を使い、体の不調や痛みをやわらげる鍼灸師。鍼灸師は国家資格で、「はり師」「きゅう師」のそれぞれの資格を取得すると名乗ることができる職業です。
そんな鍼灸師ですが、現在、鍼灸院以外にも活躍の場が広がっていることをご存知でしょうか。そこで今回は、鍼灸師がどんな場所で活躍しているのかを紹介し、自分に合った職場を探すコツも解説します。
鍼灸師を目指している方や、鍼灸師として活躍の場を広げたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
鍼灸師の就職先は?
鍼灸師は、実に幅広い場所で活躍しています。まずは、鍼灸師の就職先の代表例を見ていきましょう。
1. 鍼灸院
鍼灸師は鍼灸院で働く職業である、というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。実際、鍼灸師の就職先としてメインなのは、鍼灸院です。鍼灸師だけが所属している鍼灸院もあれば、柔道整復師も所属した「鍼灸接骨院」であることもあります。
スマホやパソコンの利用が増え首や肩、腰などに負担がかかる現代では、鍼灸院を訪れるお客様も老若男女さまざま。一人ひとりの異なる症状に合わせて、鍼灸で施術をおこなうことが仕事です。
2. 病院・医療機関
町の治療院だけでなく、病院や医療機関などに就職する鍼灸師もいます。整形外科や神経科、リハビリテーション科などに所属して施術をおこないます。ただし、医療機関では、医師の指示のもとで施術をおこなわなければいけません。
医師や看護師などと連携し、治療方針に沿って症状を緩和したり、痛みをやわらげたりといったサポートが主な仕事になるでしょう。そのため、鍼灸のスキル以外にも、医療的なアプローチができるよう幅広いスキルが求められます。
3. 介護福祉施設
医療業界だけでなく、介護・福祉業界も、鍼灸師が活躍できる場です。介護福祉施設に所属し、入所者を対象に鍼灸の施術やリハビリなどをおこないます。
介護現場で働くため、ときには利用者のケアに携わることもあるでしょう。鍼灸師としてのスキルのほかに、介護のスキルを磨きたい方にぴったりの現場です。
機能訓練指導員としても活躍できる
鍼灸師は、機能訓練指導員としても活躍できます。機能訓練指導員とは「日常生活を営むのに必要な機能の減退を防止するための訓練を行う能力を有する者」とされており、介護施設やリハビリテーションセンターでリハビリ・訓練の指導をおこないます。
引用元
e-Gov|指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成十一年厚生省令第三十七号)
機能訓練指導員は、そういった名前の資格を取得するのではなく、特定の国家資格の所持者が職務にあたる際に任用される資格です。かつては理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・
看護職員・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師の6つの資格が対象でしたが、現在は一定の実務経験を持つはり師・きゅう師も対象資格とされています。
機能訓練指導員は、指定通所介護事業所ごとに1名以上の配置基準が設けられているため、今後ますます需要が高まり活躍していけると考えられるでしょう。
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機能訓練指導員は鍼灸師もなれる! 鍼灸師に必要な実務経験とは?
引用元
厚生労働省|介護人材関係について
厚生労働省|通所介護の基準・報酬について
公益社団法人 日本柔道整復師会|日本機能訓練指導員協会
4. エステ・美容サロン|美容鍼など
鍼灸の施術には、症状の緩和や体調の改善以外に、美容効果もあるとされています。そのため、エステサロンや美容サロンなどで、美容目的の鍼(美容鍼など)を施術することも。
リジョブでは、美容鍼灸の分野で鍼灸師として活躍する折橋梢恵さんのインタビュー記事を公開しています。
美容鍼について、折橋さんはこう語ります。
- 「美容鍼灸の基本は、「お客様本来の美しさを引き出すにはまず体が健康であることが大切」という考えです。そのため、まずは鍼灸でお客様が日ごろ感じている心身の不調をしっかりと整えます。
リフトアップやむくみ、くすみのケアといった美顔のニーズは多いですね。お顔には髪の毛ほどのごく細い鍼を使いますが、顔周辺は鍼の効果がより出やすい部位になります。」
引用元
美容鍼灸でたくさんの女性を笑顔にするために【美容鍼灸師・白金鍼灸サロンフューム 折橋梢恵さん】#2
5. スポーツ施設|スポーツトレーナー
鍼灸師は、人間の身体の構造や機能といった生理学にも通じていなければいけません。その知識を活かし、スポーツ施設でスポーツトレーナーとして活躍する鍼灸師もいます。
効果的なトレーニングメニューの考案やトレーニングの指導のほか、トレーニング後の疲労回復やケガの予防・応急処置といったサポート、試合のタイミングに合わせたコンディションの調整などで支えます。
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6. 養成学校の教員
鍼灸師になるためには、養成学校に入学して学習をしなければなりません。鍼灸師の資格を取ったあと、専門学校に教員として就職し、後進の指導にあたる鍼灸師もいます。
なお、養成学校の教員となるためには、はり師及びきゅう師の国家資格を取得したのち、教員養成機関に入学して定められたカリキュラムを修了する必要があります。
引用元
厚生労働省|○あん摩マッサージ指圧はりきゅう教員養成機関及びはりきゅう教員養成機関の指定基準等について
7. 独立開業
独立開業し、自分の鍼灸院などを開くという方法もあります。独立開業はすべての業務を自分でおこなわなければならず、施術だけでなく集客や経営のノウハウも必要でさまざまなリスク・責任も負わなければなりませんが、自分の理想の治療院を開業することができるのは大きな魅力です。
リジョブでは、鍼灸師として独立開業した鈴木むつよさんのインタビュー記事を公開しています。
鈴木さんは、鍼灸師の独立開業についてこう語ります。
- 「3人のお客様からのスタートと、決して大きな一歩ではありませんでしたが、店舗を構えない形であればほとんどリスクがないまま開業することができるんです。
その後マンションの一室、テナントなど小規模治療院を2年ごとに開業する経験をしてきて、小規模治療院の可能性を感じていました。」
引用元
3坪治療院、チラシのみで集客。無借金、ノーリスク開業のススメ 鍼灸師・鈴木むつよさん
鍼灸師の給料はどれくらい?
鍼灸師の仕事のうち、給料がどれくらいなのかについて気になる方も多いのではないでしょうか。
厚生労働省がさまざまな職業情報を公開しているサイト「job tag」では、はり師・きゅう師の平均年収は443万3,000円とされています。はり師ときゅう師は別々の職業ですが、両方の資格を取り「鍼灸師」として活躍する人が多いため、まとめて公開されているようです。
また、「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、鍼灸師を含む「その他の保健医療従事者」の平均月収は30万5,300円とされています。
なお、このデータは鍼灸師だけでなくほかの医療従事職も含んでいますので、あくまで参考にとどめてください。
引用元
job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))|はり師・きゅう師 – 職業詳細
政府統計の総合窓口(e-Stat)|賃金構造基本統計調査 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 | ファイル
政府統計の総合窓口(e-Stat)|日本標準職業分類(平成21[2009]年12月統計基準設定) 専門的・技術的職業従事者 その他の保健医療従事者 あん摩マッサージ指圧師,はり師,きゅう師,柔道整復師 | 詳細情報
自分に合った職場を探すには?
鍼灸師として働きたいと考えても、自分にあった職場はどうやって探してよいのかわからず、悩んでしまうかもしれません。ここからは、鍼灸師の求人の探し方を見ていきましょう。
就職・転職エージェントを利用する
鍼灸師が求人を探すには、就職・転職エージェントを利用する方法があります。専任のアドバイザーが担当につき、持っているスキルや自分の強み、希望する条件などを考慮して合いそうな求人を紹介してくれるサービスです。
就職・転職エージェントのなかには、医療系や美容系など特定の業界に強いエージェントもあります。
求人サイトで探す
もう一つは、求人Webサイトを利用する方法です。求人サイトはさまざまな企業の求人情報が掲載されており、インターネットに繋がる端末があればいつでも閲覧することができるため、手軽に求人を探すことができます。
求人サイトも医療系や美容系などの業界に特化しているものがあります。リジョブのような医療・美容・ヘルスケアに特化した求人サイトの利用がおすすめです。
鍼灸師の履歴書で押さえておきたいポイントとは
鍼灸師として就職・転職活動をする際、履歴書を作成しなければいけません。履歴書を作成するコツを見ていきましょう。
書く前に基本的な書き方をしっかりチェックしておこう
まず、履歴書を作成する前に押さえておきたいポイントを見ていきましょう。
履歴書は、誰でも読めるように、できるだけ丁寧な字で書きましょう。また、書き直しはNGなので、間違えてしまったら新しい用紙に書き直してください。どうしても間違えたくない場合は、鉛筆で薄く下書きをし、消しゴムで消す際にも紙がよれたり、消し痕が残ったりしないよう注意しましょう。
さらに、略字や略称もNGです。たとえば、「株式会社◯◯」を「(株)◯◯」と記載してはいけません。必ず正式名称で記載するようにしてください。
志望動機にはどんなことを書けばいいの?
履歴書には、志望動機を記入する欄があります。志望動機にはどんなことを書けばよいのか、ポイントを見ていきましょう。
その職場を選んだ理由
まず、なぜその求人を選んだのか、その職場で働きたい理由を書きましょう。この時、職場のどんな点に感銘を受けたか、どんな点に共感したかなどを明確にしてください。
具体的であればあるほど、職場を選んだ理由がわかりやすくなり、熱意を伝えやすくなるでしょう。
職場に対してどんな貢献ができるか
自分がその職場に入ったあと、職場に対してどんな貢献ができるかも伝えましょう。自分のスキルを振り返り、働き方のイメージをして具体的にすることで、応募先は自分を採用することでどんなメリットを得られるのかが伝わりやすくなります。
鍼灸師の面接で好印象を与えるには
就職・転職活動において、履歴書と同様に欠かせないのが、面接です。鍼灸師の面接で好印象を与えるコツを見ていきましょう。
身だしなみ・マナーも忘れずに
面接では、清潔感のある服装が大切です。とくに鍼灸師は医療業界かつサービス・接客業ですから、服装や髪型は厳しく見られると思っておきましょう。スーツを着用するのが基本です。
また、挨拶や受け答えなどのマナーも重要。明るくハキハキとした声で、相手の目を見て笑顔で答えましょう。
よく聞かれる質問に答えられるようにしておこう
面接には、よく聞かれる質問があります。どんな職業でも聞かれる一般的な質問と、鍼灸師ならではの質問がありますので、どんなことを聞かれやすいのか前もってチェックしておきましょう。
あらかじめ回答を想定しておくと、面接時にスムーズに答えられます。
鍼灸師はさまざまな職場で活躍できる!
鍼灸師の主な就職先は鍼灸院ですが、それ以外にも病院や医療機関・美容サロン・介護福祉施設など、さまざまな場所で活躍しています。資格を活かし、自分らしく働ける職場を探してみましょう。
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