人見知りな自分を変え、成長するため。苦難続きでも諦めなかった美容師の道「GREEN middle」吉野裕里加さん
代官山エリアに店舗を構え、その高い技術力で絶大な信頼を集める「middle daikanyama」。2022年8月に中途入社し、現在は「GREEN middle」でスタイリストとして活躍するのが、吉野裕里加さんです。
吉野さんは人見知りな自分を変えるため、美容師になることを目指したといいます。美容専門学校卒業後に入社したのは、表参道にある有名サロン。しかしさまざまな工夫や試行錯誤を重ねるも、なかなか成果に結びつかず苦労をしたそうです。
そんなときに「middle daikanyama」との縁ができ転職を決めたという吉野さん。その選択に少しの不安もあったそうですが、「今よりは良くなるはず」と信じて、新たな環境に飛び込んだといいます。
今回、お話を伺ったのは…
「GREEN middle」スタイリスト 吉野裕里加さん
美容専門学校卒業後、表参道にある有名美容室に入社。その後スタイリストデビューを果たすもなかなか成果があげられず悩んでいたところ、縁あって2022年に「middle daikanyama」に入社する。2024年2月に「GREEN middle」がオープンしたのをきっかけに、店舗を異動。大人小顔ショート、内巻きレイヤー、ニュアンスパーマを得意とし、サロンを引っ張るスタイリストのひとりとして活躍中。
美容師を目指したのは、自分を変えたかったから
――美容師になろうと思ったきっかけは?
子どもころ、美容院で髪を切る経験を何回かしてみて、美容師さんってすごく格好いいと思ったんです。いつからか、自然と美容師を目指すようになっていきました。もうひとつのきっかけが、自分が人見知りの性格でもあったので、それを直したい気持ちもあって。美容師の仕事をしていたら、この性格を絶対に直さざるを得ないと思ったんです。
――そうなんですか!今は、全然人見知りに見えませんが・・・。
美容師を7年ほど続けてきたのでだいぶ改善されたのかなとは思います。ただ新卒でサロンに就職したばかりのころはとくに、この性格で苦労をしました。
人見知りでお客様と話せないというよりは、伝え方に至らないことがあったり、言葉の選び方が悪かったり、とにかくコミュニケーションが不十分なところがあって。美容室の仕事は接客でも業務の面でも、すべて人と人のコミュニケーションが基盤になっていると思うんです。それができていないから、うまくいかないことだらけでしたね。毎日のように先輩に怒られていました。
――心が折れそうになりませんでしたか?
折れそうというよりは、完全に折れていましたね(笑)。うまくできなくて泣いてしまったことも一度や二度ではなかったと思います。ただもう自分の性格的にこういうことが起こることは分かったうえで美容師になったので、乗り越えるしかないという気持ちで取り組んでいました。
――その後、人見知りはどのようにして改善していったのですか?
同期で先輩とうまくコミュニケーションをとっている人を見て、自分とはどこが違うのかを観察して真似をするようにしていました。自分でも実際にやってみて、でもうまくいかないこともあって。そういうことを繰り返しているうちに、段々と克服できてきたのかなと思います。
お客様の再来につながらない・・・。何をしても事態が好転せず悩む日々
――新卒入社したサロンでは、スタイリストデビューまで2年ほどだったとのことですが、順調に進みましたか?
アシスタント期間が極端に長かったわけではないですが、自分としてはかなり苦労をしたと思っています。前に働いていたサロンでは、スタイリストデビューの条件が、3カ月連続で売上100万円を達成することだったんです。まずはお客様を来てもらわないと話しにならないので、毎日の仕事終わりと休みの日を丸一日使って、同期とサロン近くの駅でモデルハントをしていました。
100人に声をかけて、2人くらい来てもらえればいいほうでしたが、それしかスタイリストになる道はなかったので、毎日取り組んでいたんです。ただ体力的にはとてもきつくて、家に帰ると倒れるように眠る日々でした。
――それは大変でしたね・・・。でもスタイリストデビューは果たせたということですね。
はい。ただデビューしてからも、壁にぶつかりました。というのも必死でお客様を呼んでも、技術力や接客力不足で、リピートになかなかつながらなかったんです。顧客がほとんどいない状態が、長く続きました。
――その状況はどのようにして脱したのですか?
正直、脱することはできませんでした。先輩から技術や接客の基本をもう一度教えてもらいお客様の満足度をあげようとしたり、作品撮りをした写真をインスタにアップして新規のお客様を呼ぶ努力をしたりしたのですが、それでもなかなか結果にはつながらなかったんです。何をしたら事態が好転するのか分からず、悩む日々でした。
「入社すれば何かが変わるかもしれない」。可能性にかけて新天地へ
――その後、「middle daikanyama」に入社されていますが、どういった経緯だったのですか?
インスタでつながりのあった代表の丸岡から声をかけてもらって、一緒にご飯を食べにいったことがきっかけで交流が始まりました。最初は入社を考えていたわけではないのですが、丸岡の作るデザインがかわいいと思っていましたし、インスタ運用の面でも成功している丸岡に勉強をさせてもらいたいと思っていたんです。
その後、何度かお会いするうちに「middle daikanyama」では丸岡以外にも女性スタイリストがたくさん活躍しているということを聞いたんです。当時働いていたサロンでは、男性スタイリストは活躍している人がたくさんいたのですが、女性ではあまりそういう人がいなくて、「middle daikanyama」に入社したら、もしかしたら私にも道が開けるかもしれないと思いました。丸岡がいい人だ、信頼できる人だとも感じていましたし、「middle daikanyama」へ入社をすることを決めたんです。
――そういう経緯があったのですね。
ただ最初は正直、100%この選択が正しいという確信があったわけではなくて、環境を変えることに少し不安な気持ちもありました。でも「middle daikanyama」に入れば何かが変わるかもしれないという希望にかけたい気持ちもあり、入社することを決めました。
吉野さんが苦しい新人時代を乗り越えた、3つのポイント
1.多少の苦労はかならずあるとあらかじめ覚悟をして、美容師の道へ進んだ
2.壁にぶつかったときは、先輩に教えてもらい基礎に立ち返った
3.100%の確信がないとしても、何かが変わる可能性にかけて行動を起こした
後編では「middle daikanyama」に入社したあとの吉野さんが、どのような経験をしたかを伺います。希望をこめて入社したものの、最初は前サロンとの違いに戸惑うこともあったという吉野さん。さらに結果がついてくるまでには時間もかかったそうです。
そんな吉野さんが今も変わらず取り組んでいるのが、施術の内容を毎日細かくノートに記録すること。自分に何が足りないのか、何をすればいいかが明確になり、モチベーションにもつながっているといいます。後編もお楽しみに!