宣言通り2年でデビュー。モチベーションが維持できたのは「応援してくれる人を裏切れない」気持ち「SUNVALLEY」野崎文志さん
人気美容師の朝日光輝さん、渋谷謙太郎さんのふたりが共同代表を務める、「SUNVALLEY」。2018年のオープン以来、高い技術とホスピタリティあふれる接客を提供する一流のサロンとして、多くのお客様から支持を集めています。
そんな「SUNVALLEY」に2022年の新卒社員として入社したのが、野﨑文志さん。入社前は独立リーグで、プロ野球選手として活躍していた異色の経歴をお持ちです。
前編では野﨑さんがプロ野球選手から、なぜ美容師を目指したのか、そして「SUNVALLEY」の選考内容について伺いました。
後編では最後の関門だったサロンワーク試験を無事に突破した野﨑さんが、入社後にどのような体験をしたのかを伺います。スタイリストになるまでの時間をほかのスタッフより大幅に短縮し、2年でのデビューを実現した野﨑さん。2年間、毎日のように夜中まで練習し、休みの日でもYouTubeやオンラインサロンで技術を研究したそうです。そこまで努力をできた理由を聞くと、応援してくれた人を裏切れない気持ちがあったといいます。
今回、お話を伺ったのは…
「SUNVALLEY」スタイリスト
野崎文志さん
幼少期から野球を続け、大学卒業後はプロ野球選手として独立リーグに所属。その後、美容師を志し、美容専門学校に入学する。2022年4月に新卒社員として「SUNVALLEY」に入社。2024年5月に異例の早さである2年で、売上ギネスを達成してのスタイリストデビューを果たす。
サロンワーク試験で大切なのは、仕事内容よりコミュニケーション力
――最後はサロンワーク試験があったとのことですね。心がけていたことは何かありましたか?
仕事の内容はとくに見られることはないと思っていたので、それよりもお客様やほかのスタッフに対して、笑顔で元気にコミュニケーションを取ることを大切にしていました。接客業なので、まずはそれが基本なのではないかと思ったんです。
――実際に働く側を体験してみたことについては、どんなことを感じましたか?
アシスタントも含めたスタッフ全員がテキパキと動いていたので、さすが一流のサロンは違うなと思いました。そして、どうしたらここで一番になれるかということを考えていました。
――ゴールを入社することではなくて、もっと先の美容師として成功することに定めていたわけですね。では、入社が決まったときはどんな心境でしたか?
もちろんうれしかったですが、ほっとした気持ちの方が大きかったです。
――入社までに、何かしたことはありますか?
とにかく遊びました(笑)。美容専門学校に入るまではずっと野球漬けでしたし、専門学校時代も練習ばかりしていたので、これまでの人生でほとんど遊んだ経験がなくて。入社後もあまり時間の余裕がないと思ったので、ここで遊んでおこうと思ったんです。
2年でのデビューを宣言。練習漬けの日々がスタート
――入社後はどんなことを感じましたか?
何かを感じる余裕もないほど、練習漬けの毎日が始まりました。入社してからすぐに、2年でスタイリストデビューをするということを周囲に宣言し、代表の朝日、渋谷とも約束をしたんです。「SUNVALLEY」では平均すると3年ほどでデビューをする人がほとんどなので、圧倒的な結果を出したいと考えたからです。
――その宣言を聞いた、代表のおふたりの反応は?
当たり前だよね、という感じでした。同期のなかでも年齢的にも遅れて入社しているんだから、それくらいやらないとね、と。
――実際、2年でデビューされたとのことですが、どのようにして実現したのでしょうか。
ほかの人と同じようにやっていたら絶対に2年ではデビューできないと分かっていたので、とにかく練習の質と量を確保することを心がけていました。上京してきて家を決めるときも、サロンから3km圏内というのが第一条件で。終電に関係なく練習に専念できる環境を整えるため、自転車移動ができるようにしたんです。
ただそのような環境を整えても、入社したばかりのころはサロンの鍵を預けてもらえなかったので、練習ができるのは先輩の終電の時間まででした。入社から半年ほど経って鍵を預けてもらえるようになってからは、毎日のように夜中まで練習をすることができるようになったんです。
――練習の方法で心がけていたことはありますか?
最初は右も左も分かりませんでしたが、まずは実際にやってみて、分からなかったら先輩に聞くという形で練習を進めていきました。
休みの日や、空いた時間にはYouTubeやオンラインサロンを使って、技術系の動画は常に見ていましたね。そんな生活を2年間続けました。
――モチベーションが維持できたのは、なぜでしょうか?
僕は周りの人にとても恵まれていまして。野球関係の友達、サロンの先輩や仲間、親と応援してくれる人がたくさんいるので、裏切るわけにいかないと思っていたんです。そういった人たちへの一番の恩返しは、結果を残したり、一生懸命にがんばる姿を見せたりすることだと思っていたので、ネガティブなことを考える暇がなかったですね。やるしかないと思っていました。
ほかにも大きい夢だけでなく、小さな目標を立ててノートなどに書き留めることも意識していました。大きい目標だけだと、成果が出るまでに時間がかかるので、モチベーションの維持が難しいと思うんです。小さい目標を立てて、それをクリアしていく達成感を糧に練習を続けていました。
就活を通して、自分が本当になりたい姿を見つけられた
――就活の体験は野﨑さんにとって、どういう学びになりましたか?
就活でいろいろなものに触れたり、見たりすることで本当に自分がしたいことを見つけるきっかけになったと思います。さまざまなサロンに足を運んだことで、自分がなりたい美容師像が明確になりました。
自分と徹底的に向き合う機会というのは、実はあまりないんだと思うんです。ここで向き合った分だけ将来の自分の姿が明確になるはずなので、大切にしてよかったなと思います。
――これから美容師を目指す人にアドバイスをお願いします。
さっきお話ししたこととかぶるのですが、夢や目標をしっかり持つことが一番大切だと僕は考えています。努力を続けていくことは簡単なことではありません。でも夢や目標を設定して、それを乗り越えていくと、気がついたら自分が成長していたということがきっとあると思います。その成長を楽しみながら、進んでいってもらうといいと思います。
野﨑さんが長くモチベーションを維持できた、3つの秘訣
1.ゴールは遠くに設定し、自分がどうすればそのゴールに近づけるかを常に考えた
2.応援してくれる人を裏切れないという気持ちを持ち続けた
3.大きい夢だけでなく、小さな目標を立て、それをクリアすることを楽しんだ
自分の望む姿を次々に実現してきた野﨑さん。ゴールを高く設定するだけではなく、小さな目標を達成することを楽しみながら進む姿に、大きな刺激を受けた取材となりました。これから美容師を目指す人はぜひ参考にしてみてくださいね!