突然の辞令で、未経験のシャンプー&ブローを猛特訓!【ブローブロウ東京駅店 店長 金氣伊織さん】#2

新人時代をどう乗り越えてきたのかを伺うこの企画。前編に続いて、アトリエはるかが手がけるへア(ブロー)と眉(ブロウ)に特化したサロン、ブローブロウで店長を務める金氣伊織さんのお話をご紹介します。

後編では、入社2~3年目に後輩を教えることで苦心したこと、ブローブロウ東京駅店の店長に就任するにあたって1か月半でシャンプーとブローをマスターしなければならなかったことについて語っていただきました。

お話を伺ったのは…

ブローブロウ東京駅店

店長 金氣伊織さん

2020年に福岡ベルエポック美容専門学校を卒業し、同年アトリエはるかに入社。吉祥寺店に配属され、2021年に商品担当を任される。有楽町店で副店長、吉祥寺店で店長を経験し、2024年にブローブロウ東京駅店の店長に就任する。

自分の当たり前が通用しない!? 後輩への指導に悪戦苦闘

店長になって初めて参加した研修旅行。似たような悩みを抱える店長同士、いろいろなことを話し合えたとか。

――指導を受けていた立場から後輩の指導をするようになって、何か変わりましたか?

入社2~3年の頃は、まだ自分の技術に自信を持てない部分もあったのですごく難しさを感じました。

――年齢が近いと、そう感じる部分もあるかもしれませんね。

指導するにも、伝えるタイミングも大事だと思うので相手のことをよく観察するようになりました(笑)。伝え方にも気を遣っています。自分で「これは当たり前のこと」と思っていたのが、実は当たり前ではないこともあります。「知っているのが当然でしょう!」のように伝えてしまうと、「今まで生きていて初めて知った」ってショックを受けてしまったら困りますから。

――金氣さんは相手を思いやりながら指導しているんですね。

イヤな気持ちのまま仕事をしてほしくないんです。注意した私に会うのがイヤだなとか、また怒られるのがイヤだなとか、そんなマイナスの気持ちにならないためにどうすればいいのか、最初の頃は本当に悩みました。

――そんなときは同期とか先輩に相談するんですか?

相談するとグチになってしまいそうなので、社内では相談しませんでした。ただ実家に帰ったとき、ポロッと兄に言ってしまったんですよね。兄は教師だった時期があって、指導することに慣れていたんですね。

――お兄さまは何て?

間違ったことをしたとき、「何でそんなことをしたの?」、「何で教えたとおりにできないの?」とは、言ってはいけないと教わりました。「何で?」って聞かれても、相手は正解が分からないからやっているだけで、理由はないんですよね。それなのに私は「何で?」って聞いていたので、相手は返答のしようがなくて無言になる。そうするとイヤな雰囲気になる。という悪循環に陥っていたんです。

――さすが教育者!

それ以来、何か間違っていることをしたら、「〇〇〇だと思ったからやったの?」って、聞くようになりました。スタッフなりの理由を想像して、その後にやってはいけない理由を説明するようにしています。この方法にしてから、指導したときに曇った表情をしなくなりました。

――指導する立場になると大変ですね。

コロナが明けてから、店長向けの研修旅行が熱海で開催されたんです。みなさん同じようなことで悩んだり困ったりしているんですよね。いろいろな想いを共有できて、本当に楽しかったです。

未経験のシャンプー&ブローを入社4年目にして初研修!

どんな髪質のお客さまにも合うようにシャンプーは7種類も常備。定期的にケアすることで髪質が改善されるとか。

――ずっとヘアメイクをなさっていますが、こちらの店舗では?

まさに店舗の名前の通り、眉のブロウと髪のブローです。眉のケアとメイクはずっとやっていましたが、髪のブローは経験がなかったので、技術を習得するのが大変でした。

――ブローブロウ東京駅店の前はどちらに?

アトリエはるか吉祥寺店の店長をしていました。眉と髪に特化した店舗を東京駅の中に出店することが決まって、オープンの2か月程前に辞令を受けました。

――2か月でシャンプーとブローをマスターですか!?

そうです。アトリエはるかの中でシャンプー台のある店舗に行って、ひたすらシャンプーとブローの練習をしました。その年の新入社員たちと一緒に研修を受けたんですよ(笑)。

シャンプーはともかく、ブローがとても難しくて大変でした。頭の形や髪の生え方が人によってまったく違うので、それを考えながら髪を引っ張る方向や角度を変えなければいけません。

――今まで髪のスタイリングはなさっていましたよね?

今までやっていたのは、アイロンを使ったヘアアレンジなので、またちょっと違うんです。ドライヤーを使ってブローする技術は、今回初めて教わりました。

――新入社員と一緒に、一から学ぶことに抵抗はなかったですか?

新しい技術を学ぶのは楽しかったですね。もともとヘアアレンジが好きでヘアメイクをやりたいと思ったので、これから髪に携わる仕事ができる…というのが嬉しかったです。

――すごく前向きですね。

ただ、店長として着任するので、他のスタッフの誰よりも上手でなければならない…というプレッシャーはものすごく感じていました。しかも、眉と髪に特化した店舗の第一号店なので失敗は許されないという責任感もありました。

――ダブルのプレッシャーですね。

シャンプーなどの技術を覚えるのは楽しかったのですが、日にちが経つにつれて緊張感がどんどん増していきました。オープンの三日前には眠れなくなって、食事が喉を通らなくなってしまうほどでした。

――緊張度がすごいですね。その状態がオープンまで続いたんですか?

オープン前日あたりでしょうか、「こうなったら開き直るしかない!」と思い立って腹をくくりました(笑)。

――ポジティブな金氣さんらしい(笑)。こちらにはどんなお客さまがいらっしゃるんですか?

丸の内で働いていらっしゃる男性は、「眉の形を整えたい」という方が多いですね。出張でいらっしゃる方はヘッドスパをご利用になられます。特に深夜バスでいらっしゃる方は「スッキリしたい」とおっしゃる方が多いです。女性のお客さまですと、「これからパーティがあるので髪型を整えたい」という方も。

――東京駅にある店舗ならではのお客さまですね。

定期的に通っていただきたいので、髪質改善のプログラムもご用意してます。シャンプーするだけで髪質が変わっていくので、みなさん驚かれます。

今はこの「ブローブロウ」を予約でいっぱいの店舗にするのが目標です。予約で埋まった予約表を見るのが楽しみです。

金氣さん流! 壁を突き破るための3つのポイント

1.目標を掲げたら、ポジティブに突き進む。

2.「何で?」とは聞かず、ダメな理由をきちんと説明する。

3.自分の当たり前は他人には通用しないと考えること。

撮影/森 浩司


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ブローブロウ東京駅店
住所:東京都千代田区丸の内1-9-1 JR東日本八重洲北口改札外 グランスタ八重北1F
電話:03-6212-8700

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