センスに左右されないロジカルなアップスタイリングで、信頼される美容師へ|新井唯夫さんインタビュー

フォーマルな装いにはかかせない、アップスタイル。しかし、「難しい」、「センスが必要」と敬遠している美容師も多いのではないでしょうか。

実際、現在のサロンワークではダウンスタイルやアレンジが主流となり、アップスタイルを学ぶ機会は減っています。しかし、フォーマルなシーンでは今もなお必要とされる技術であり、習得することで美容師としての対応力を大きく広げることができます。またカットなど美容技術全般を底上げできるのも、大きなメリットです。

今回は、アップスタイルの第一人者として長年業界を牽引してきた「FEERIE」代表の新井唯夫氏に、技術の本質と再現性、そして今あらためて学ぶ価値について伺いました。

FEERIE代表
新井唯夫さん

アップスタイルの第一人者として知られ、日本の美容業界を長年牽引するトップスタイリスト。トータルビューティーサロン「FEERIE(フェリー)」代表。

これまでに延べ53万人以上が受講する講習会を開催し、アップスタイル技術の普及と教育に尽力。基礎技術をロジックとして体系化し、「誰でも再現できる技術」として確立した第一人者として高い評価を得ている。

国内外でのヘアショーやセミナー、コンテスト審査員など多方面で活躍するほか、数多くの技術書を出版。アップスタイルの可能性を広げ続けている。

https://www.feerie.jp/tadaoarai

差別化や美容技術全体の精度向上にもつながる、アップスタイルの技術

取材に応じる新井さん

――そもそもアップスタイルとはどのようなテクニックなのでしょうか?

簡単に言えば「まとめ髪」のことですが、最近主流となっているダウンスタイルや編み込みを用いたカジュアルなアレンジスタイルとは異なります。


襟足をひねり上げたり、逆毛を立ててボリュームを出したりといった、古くから受け継がれてきた高度な技術です。

シルエットは、ふっくらとした柔らかさのあるものから、キレのあるソリッドな印象のものまで幅広く。着物やドレスなどフォーマルで高級感のある装いに合わせるため、髪の表面、いわゆる「面」を整えることが求められます。

――今、あえてこの技術を学ぶべき理由はどこにあるのでしょうか。

美容師としての対応力が大きく広がる点にあります。現在はアレンジスタイルが主流となり、「面」を重視するデザインの需要は減少していますが、決してなくなったわけではありません。

七五三や成人式の着物、ダンスや演奏等の発表会、高級感のあるパーティなど、フォーマルなシーンでは今なお必要とされる技術です。

また、美容専門学校でも学ぶ機会が減っているため、習得することで他の美容師との差別化できます。

さらにアップスタイルの技術は、カットを含めた美容技術全体の精度向上にもつながるんです。

――それはなぜでしょうか?

頭や体の骨格に対してバランスよく形を作るトレーニングは、カットにおけるフォルム設計や似合わせと本質的に共通しています。

完成形をイメージし、そこから逆算して構築していく思考は、彫刻のように形を作るカットワークにも応用され、精度を高めることにつながるわけです。

また、セット技術が身につくことで、日常的なダウンスタイルの仕上がりも一段階引き上がります。

技術を体系化し、誰でも「早く・きれいに・壊れない」が実現可能に

新井さんはアップスタイルを、誰でも再現できるよう体系化することに尽力してきた

――センスがないと、美しいアップスタイルは作れないのでしょうか?

いえ、そんなことはありません。基礎を1つひとつ積み重ねていけば、不器用だと感じている方でも必ず作れるようになります。

もちろん最終的なデザインや似合わせにはセンスも関わりますが、まずは論理的な「型」を身につけることが重要です。

私はもともと感覚的にできてしまうタイプでしたが、それを「誰でも確実に再現できる技術」にするため、すべての工程をロジックへと落とし込み、体系化してきました。

――そのロジックは具体的にはどのようなものなのでしょうか?

アップスタイルをひとつの複雑な技術として捉えるのではなく、バック、フロント、サイド、トップという4つのセクションに分解して考えます。

バックは、逆毛を使った一束やひねり、夜会巻きといった基本構成。フロントサイドはひきつめやねじりなど、完成度を左右する重要な要素。トップはシニヨンやカールによるデザイン部分です。

このように構造を分解することで、どこから手をつけ、どの順序で進めるべきかが明確になります。

――それは、わかりやすいですね。

また、どんなスタイルも「束ねる」、「留める」、「整える」という基礎の積み重ねで成り立っています。ゴムの留め方、逆毛の立て方、ピンの打ち方、すき毛の扱い方など、個々の技術をユニットとして捉えています。


さらに重要なのが、「どこを丁寧に行い、どこを省くか」という判断です。仕上がりに影響しない工程は簡素化し、本当に重要な「面の美しさ」と「崩れにくさ」に集中することで、「早く・きれいに・壊れない」スタイルを実現しています。

――今後この技術を身につけていく上で、心がけるポイントはありますか?

何より大切なのは、継続して練習することです。セットの技術は、触れる機会が少ない分、一度離れると再び取り組むハードルが高くなります。だからこそ、基本のプロセスを正しく理解し、反復することが重要です。

まずは無駄のない手順を身につけ、「早く・きれいに・崩れない」スタイルを安定して作れるようになるまで、繰り返し練習を重ねていくことが上達への近道です。


アップスタイルは非常に奥が深い。たとえばしっかり固定されているにもかかわらず、風になびいているような自然な動きを表現することも可能です。


一見すると相反する要素を両立できるのも、基礎技術を積み重ねた先にある表現の幅があるからこそ。アップスタイルは単なる「まとめ髪」ではなく、美容師としての表現力を大きく広げてくれる技術といえるでしょう。


「アップスタイル」を身につけるべき3つの理由

1.美容師としての対応力が広がり、差別化につながる

2.  センスに頼らず、誰でも再現できる技術が身につく

3. カットやスタイリングなど、すべての技術レベルが底上げされる

新井さんの技術を直接学べるチャンス!

今回お話を伺った新井さんの、アップスタイルのテクニック。その技術を余すところなく学べるオンラインセミナーのHAIRCAMPにて開催が決定!

何度も繰り返し視聴可能な録画配信で、一流の技術をあなたのものに。 お客様を笑顔にするための、本物の技術を学びたい方は、この機会を絶対にお見逃しなく。

【日時】 2026年4月27日(月) 16:00~18:00

>>アップスタイリング入門|アップスタイルの第一人者 新井 唯夫が伝えるベーシック技術【vol.1】

【セミナー内容】

・アップスタイルを作るために欠かせない基礎技術(束ねる・留める・整える)の考え方

・デザインの幅を広げる逆毛・すき毛の使い方とバランスの作り方 

・仕上がりの完成度を高める束感・フォルムコントロールの技術

・バック・フロント・サイド・トップそれぞれのアップデザインの構造と作り方

・サロンワークで再現できる崩れにくく美しいアップスタイルの組み立て方

>>アップスタイリング入門|アップスタイルの第一人者 新井 唯夫が伝えるベーシック技術【vol.1】


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