満足度の高い「顔まわりカット」や「おまかせオーダー」を追求【Aura omotesando 梅村尚輝さん】#1

実力派スタイリストが集う「Aura omotesando」は、今春オープンしたばかりにも関わらずすでに多くのファンに愛されている美容室。代表を務める梅村尚輝さんは、持ち前の明るい人柄と確かな技術に定評があり、「いつも安心してまかせられる」というリピーターの声もたくさん届く人気美容師です。

前編では、梅村さんが美容師を目指したいきさつや、新卒入社したサロンでの経験、独立を決意したきっかけなどをお聞きしました。

お話を伺ったのは…

Aura omotesando

代表・美容師 梅村尚輝さん

美容学校卒業後、2015年にアンアミ表参道店に入社。2019年7月にスタイリストデビューし、同店で副店長、店長を経験。フリーランス期間を経て、2025年4月に「Aura omotesando」をオープン。特に顔まわりのカットにこだわりがあり、「“おまかせ”でも必ず似合うヘアスタイルにしてくれる」と、お客様からの信頼も厚い。

Instagram:@umecchi7

UMEMURA’S PROFILE

お名前

梅村尚輝

出身地

福岡県

出身学校

福岡大村美容ファッション専門学校

憧れの人

今の自分を超えた未来の自分

プライベートの過ごし方

スタッフや友達とサウナやBBQを楽しむ

趣味・ハマっていること

今も昔も変わらず、カットすること

仕事道具へのこだわりがあれば

ハサミ大好き。ハサミ屋さんと話すのも好き!

好かれる接客術とカット技術を磨いたアシスタント時代

幼い頃から人見知りせず、人と話すことが大好きだったという梅村さん。学生時代も美容師になってからも、高いコミュ力を発揮。

――梅村さんはなぜ美容師になろうと思ったのでしょうか。

高校生の頃って、おしゃれ心が芽生えてヘアワックスを買ったりするじゃないですか。そこから髪への興味が大きくなり、クラスの女の子の髪を巻かせてもらったりしていました。それがきっかけですね。形から入るタイプなので、美容師用の安いハサミをネットで買って、学校に持って行ったんですよ。授業中、先生に隠れてずっとカチャカチャ、動かす練習をしていました(笑)。

――美容師になる気、満々ですね!美容学校時代はどんな学生でしたか。

とにかく何でもド真面目にやりましたね。勉強したくなかった高校時代と違って、好きなことをやらせてもらっていたので。学校にはヤンチャなタイプやおとなしいタイプ、いろいろな学生がいましたが、僕はみんなをまとめるリーダー的な立ち位置でした。昔から人と関わることが好きで、コミュニケーションが得意だった気がします。

――新卒で入社したサロンがアンアミだそうですが、そこを選んだ理由は?

実はもともと別の某有名サロンに憧れがあり、30回以上通い続けて、そこに就職したいとアピールもしていました。でも、ほかのサロンも見た方がいいかなと思っていろいろ回っていた時に、アンアミと出会いました。店に入った瞬間に「ここがいい!」と直感が働いたんです。

――アシスタント時代に、特に力を入れたことはありますか。

やっぱり人対人の仕事なので、一番気をつけたのはお客様への態度や気遣いです。とにかくどのジャンルの方からも好かれたいという思いが強かったですね。自分のキャラクター的に、年上のお客様には「この子、大丈夫かな」と思われがちだったので、先輩方の振る舞いを見ながら頑張っていました。

――若い頃は、年配の方の接客が難しく感じることもありますよね。どのようにアプローチしたのでしょう。

最初に話しかけた時の反応をしっかり見て、相手の気分を読み取るように心がけました。美容師よがりの接客トークは嫌いなので、そういうことは避けたり、お客様が話したい気分じゃなければ必要以上に話しかけなかったり。失敗もしてきたんですけど、だんだん察知できるようになりました。

――スタイリストデビューに向けて頑張ったことは何ですか。

カットが大好きなので、ずっとカットの勉強をしていました。サロンのカリキュラムや先輩の教えから技術を磨くのはもちろんですが、その頃はYouTubeやインスタグラムがすごく盛んになっていたので、そういう媒体でも積極的に学びました。

「0.5歩の先読み」で悩めるお客様の信頼を獲得

前サロン時代に雑誌などの撮影も多数経験。初撮影で作ったヘアスタイルが大きく掲載され、とても嬉しかったことを覚えているそう。

――カット技術の中で得意なものを挙げると何ですか。

一番は顔まわりのカットです。顔まわりのデザインが決まらないと女性はテンションが上がらないじゃないですか。プラス、いくら触っても動いても可愛いスタイルを得意としています。

――顔まわりのカットが得意になったのはいつから?

正直、最初は下手くそでした。顔まわりがうまくいっていないと、リアルにお客様の顔が曇るんですよ。鏡で表情を見れば絶対喜んでいないなってわかる。どんなにいい接客をしてもそれじゃダメだと、スタイリストデビュー後もめちゃくちゃ勉強しました。しばらく足踏み状態が続きましたが、トップスタイリストになる直前くらいからコツをつかんだと思います。ちょうど、インスタグラムからの新規のお客様がバーッと増えた時期でした。

「たったの1mm、1cmが印象を大きく左右するので、顔まわりのカットは大事」と梅村さん。

――インスタグラムで集客するにあたり、どんな工夫をしていましたか。

とにかく女性の役に立つような内容を発信しました。例えば、自分で上手に髪を巻くコツとか。サロンで切ってもらった時はきれいだけど、次の日から自宅で再現するのが難しいと感じている方も多いですから。

――新規の方をリピートにつなげることも大事だと思いますが、そのために気をつけていることはありますか。

お客様に、「早い」「気を遣わなくていい」「何も言わなくてもいい」と思ってもらえるように意識しています。

3つ目に挙げたのはいわゆる“おまかせ”で頼めるという意味です。もちろん最初にお話を聞くのですが、美容室でどうオーダーしたらいいのかわからない方は意外と多いんですよ。要望があってもなかなか言語化できなくて。だから「こうしたいですか?」「こういうのが好きなのでは?」と、お客様の気持ちを少しずつ先読みするんです。そうすると「なんでわかるんですか!?もう、まかせます!」ということになる。0.5歩だけ先回りして、方向性を見定めていくのが今でも必勝法ですね。

――なぜ、0.5歩先を読めるのでしょう。

経験則ですかね…。ただ、インスタグラムを見て来店される方が多いので、必然的に僕の得意分野のお客様が来ているというのも大きいと思います。だからある程度は要望が見えていて、0.5歩先もつかみやすいんです。

店長を経験後、独立出店を見据えてフリーランスに

退職を慰留された梅村さんですが、しっかり話し合って円満退社。「一度決めたら曲げない性格」なのだそう。

――前サロンでは副店長、店長を経験されていましたね。

トップスタイリスト3年目に副店長になりました。嬉しい反面、まだ若かったので務まるかなと不安もありましたが、シンプルにやるべきことをやればいいんだと捉えました。お客様に喜んでいただくために店として何をすべきか、後輩たちが成長するためにどうすればいいかをしっかり考えようと。

それから順調に店長に昇格しました。業務的には副店長と大差ないんですけど、気持ち的には変化がありましたね。お客様に「店長なんてすごい」と言われると、ちょっとプレッシャーにも感じましたし。

――店長時代に大変だったことや力を入れたことはありますか。

いわゆるZ世代と30歳前後の僕ら世代、そしてさらに上の世代が一緒に働いていたわけですが、僕は世代間の仲介役を担っていました。僕は上の世代の気持ちもすごくわかるんですよ。自分が入社した時からずっと一緒に働いてきた人たちなので。反面、時代の変化に合わせて自分自身も柔軟に変化できる人間でありたいという思いもありました。だから、下の世代の意見を吸い上げて、かみ砕いて上の世代に伝えるということをやっていましたね。世代間ギャップでギスギスするのは避けたかったんです。そういう雰囲気は、お客様にも伝わってしまいますから。

――前サロンを辞めようと思ったきっかけは何ですか。

美容師になった頃から将来的に独立したいという夢がありましたが、辞める決意をしたのは店長を経験してからです。下の子たちを守りたいとかお店をこうしたいとか、やりたいことが大きい規模になればなるほど店長では限界があるじゃないですか。それがきっかけですね。

――辞めたあとフリーランスを選んだのはどうしてですか。

自分の店を出すにあたり、物件探しなどやることがたくさんあるので、自由に行動しやすい方がいいと思ったからです。5ヶ月くらい表参道のシェアサロンで働きました。1日に受けられる人数が限られてしまうので、予約はほぼ顧客様で埋まり、朝からずっと詰め詰めでした。12時間くらいずっとサロンにいたような…。

――その中で準備を進めるのは大変でしたね。

でも楽しかったですよ!全部自分でスケジューリングできるので、15分でも空けば物件探しや問い合わせができます。忙しいけれど無駄な時間がないという感じでした。

――物件は順調に見つかりましたか。

ところが大ハプニングがあったんです。昨年末にすごくいい物件が決まって支払いも済ませたのですが、年明けに電話が来て一方的にキャンセルされてしまいました。裁判に持ち込めると言われたんですけど、そんな時間はないので「はい、次!」と切り替えて。また一から探して出会ったのが、今のサロンの場所です。


人気サロンで経験を積みながら、若くして独立を決意した梅村さん。表参道にオープンした「Aura omotesando」のお話は、後編で詳しくご紹介します。

撮影/高嶋佳代
取材・文/井上菜々子

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Aura omotesando
住所:東京都渋谷区神宮前3-2-19 メゼリテ表参道 1F
TEL:03-4400-7643

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