家族三代美容師。スタイル雑誌で提案の幅を広げていたアシスタント時代「山崎伊久江美容室」石村寧崇さん
913年創業、巧みなカット技術だけでなく弱酸性美容法を用いたヘアカラーやヘアエステが人気の「山崎伊久江美容室」。東京都内に6店舗を展開しており、文京店でスタイリストとして働くのが、入社9年目の石村寧崇さんです。
美容学生時代はヘアショーで統括を担っていた石村さん。情報共有や問題解決に取り組んだ経験は、先輩の意見をわかりやすく後輩に伝えるなどサロンをスムーズに動かすことに活きているといいます。
お客様の理想を叶えるには提案の幅が重要だと考えた石村さんは、スタイル雑誌をよく読んでいたそうです。
今回、お話を伺ったのは…
「山崎伊久江美容室」スタイリスト
石村寧崇さん
神奈川県出身。町田美容専門学校を卒業後、過去に祖母と母親も在籍していた「山崎伊久江美容室」に入社。現在は入社9年目で、文京店でスタイリストを務めている。得意な施術はメイキングカラー。
手先が不器用だからこそ厳しい研修を受けられる環境へ
――美容師を目指そうと思ったきっかけは?
高校生の進路決めのときです。僕の少し上の世代が就職の難しい時代だったことと母からの提案を聞いて、一度技術さえ身につけば長く働くことができる専門職に興味を持ち始めました。
専門職のなかでも美容師を選んだ理由としては、母が自宅で美容室を営んでいたことが大きいです。子どものころから身近な仕事で、母が施術でお客様を喜ばせている様子も目にしていたので僕も同じように働きたいと思いました。
――親子揃って美容師なのですか。美容学生時代はどのような生活を?
ヘアショーに参加していました。生徒が複数人でチームを組み、ステージでカットやスタイリングを行うものです。僕は全体をまとめる統括の立場を担っていました。プレーヤー、裏方として働く生徒の間を取り持つ仕事で、それぞれの提案など情報を共有したり、問題を解決したりしていました。
――ヘアショーでの経験は就職後のどのような場面に役立っていますか。
先輩の指示を後輩に伝えるときです。わかりやすくしたり、言葉をマイルドにしたりして後輩が動きやすいようにしてきました。すべてのスタッフが働きやすくなる潤滑油的な役割を果たせていると思います。
――「山崎伊久江美容室」に入社した理由は?
母に勧められたからです。実は母も祖母も過去に「山崎伊久江美容室」働いていたことがあって、仕事や研修が厳しいと聞いていました。僕は美容学生時代、ほかの生徒よりも技術習得に時間がかかっていたんです。厳しい環境に身を置けば、高い技術力を身につけられるほか、手先が不器用な部分も変えられるかもしれないと思い、就職先に選びました。
――なるほど。
あとは、母と同等またはそれ以上の技術を身につけられれば、将来、お店を受け継ぎやすいと思ったのも応募を決めた理由のひとつです。
着実な技術習得を目指して先輩のサロンワークを観察
――就職後は何からスタートしましたか。
シャンプーやカラー、エステ、ブロー、カットなどの技術がカテゴリー分けされており、試験に合格すると次のステップに進めるカリキュラムでした。最後のカット試験に合格するとデビューできるのですが、僕は5年ほどかかりました。
――アシスタント期間に悩んだことは何ですか。
周りのスタッフとカリキュラムの進行具合を比べてしまい焦っていました。弊社のカリキュラムは平均3年でデビューできるようになっていて、手先が不器用な僕は時間がかかってしまっていたんです。
――その焦りとはどのように付き合っていたのでしょうか?
焦りを解消するにはカリキュラムを進めることが一番だと思ったので、できるだけ早く進められるように工夫をしました。具体的には、自分が悩んでいる技術を先輩はどのように提供しているのかを営業中に観察していました。そこで気づいたことを閉店後の練習に取り入れてみたりして着実に進めていたんです。
あとは、リフレッシュの時間を作るようにしていました。入社当初、僕は社宅で3人の同期と暮らしていたんです。帰宅してから仕事とは関係のない雑談をしたり、配属店舗がそれぞれ違ったので各サロンの雰囲気について共有したりしていました。振り返ってみると、その時間が楽しくていいストレス解消になっていたと思います。
さまざまなスタイルが載った雑誌で提案の幅を拡大
――デビュー後、すぐに活躍するためにアシスタント時代に取り組んでいたことは?
ヘアスタイルが掲載されている雑誌を読むようにしていました。デビュー後、お客様の理想を叶えるには提案の幅が重要になってくると思ったからです。雑誌によって同じスタイルでも切り方が異なったり、知らないスタイルがあったりと新たな学びが多くて。実際、スタイリストになった今にも活きていると感じています。
――入念に準備をされていたんですね。
デビューが近づくにつれて不安が大きくなっていたんです。スタイリストになると、お客様は自分の顧客に変わるので責任感も大きくなりますし、1つひとつの選択が重要になります。できる限り不安のない状態で入客するために合間を縫って準備をしていました。
――新人時代のモチベーションは何でしたか?
友人と外出することです。次の休みに楽しいことが待っていると考えるとがんばろうという気持ちになれていたので、遊びの予定は頻繁に入れていました。
後編では、スタイリストデビューを果たしたあとの経験について伺います。入社6年目でスタイリストに就任した石村さん。時間をかけて基礎をしっかり身につけていたことで、はじめての入客からカットの構成をうまく組み立てることができ、スムーズな施術を実現できたといいます。
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山崎伊久江美容室 文京店
住所:東京都文京区小石川1丁目5−1 文京ガーデンノーステラス2F
TEL:03-3813-1236
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