スタイリスト就任は6年目。時間をかけて磨いた基礎技術がお客様の心をつかむ「山崎伊久江美容室」石村寧崇さん

1913年創業、巧みなカット技術だけでなく弱酸性美容法を用いたヘアカラーやヘアエステが人気の「山崎伊久江美容室」。東京都内に6店舗展開しており、文京店でスタイリストとして働くのが、入社9年目の石村寧崇さんです。

前編では美容学生時代の過ごし方やアシスタント時代に取り組んでいたことなどについて伺いました。

後編では、スタイリストデビューを果たしたあとの経験について伺います。入社6年目でスタイリストに就任した石村さん。時間をかけて基礎をしっかり身につけていたことで、初めての入客からカットの構成をうまく組み立てることができ、スムーズな施術を実現できたといいます。

今回、お話を伺ったのは…

「山崎伊久江美容室」スタイリスト

石村寧崇さん

神奈川県出身。町田美容専門学校を卒業後、過去に祖母、母親も就職していた「山崎伊久江美容室」に入社。現在入社9年目、文京店でスタイリストを務めている。得意な施術はメイキングカラー。

あえてデビューに時間をかけることで基礎技術を強化

街ですれ違う人に似合う髪型をイメージして提案力を鍛えていると話す石村さん

――デビュー後、初めてお客様を対応したときはどんなお気持ちでしたか。

ものすごく緊張していました。でも、頭の中は冷静でどのようにカットしていけばいいのか構成をしっかり組み立てて、スムーズに施術することができたと思います。

――スムーズに施術できた秘訣は?

秘訣というのとは少し違うかもしれませんが、デビューまでに時間がかかったことで、基礎をしっかり固めた状態で挑めたということが大きかったと思います。多くのスタッフが3年でデビューするなか、僕は約5年かかりました。そのなかで1つひとつの技術習得が着実に行うことができたと思います。

――美容師を目指すときに理想像はありましたか。

お客様に寄り添える美容師になりたいと思っていました。お客様の理想を聞いたうえでさまざまな提案をし、一緒に考えながらスタイルを仕上げていくような施術がしたかったです。

――現在、その理想は叶えられていますか?

まだ目指している最中です。いまは理想に近づけるように先輩の施術を観察したりして接客の仕方を学んでいます。また、街を歩くなかですれ違う人にどんな髪型が似合うかを頭の中で考えて提案力を鍛えています。

改善点の見える化で着実に成長

練習時にメモを見返して、改善点を意識しながら練習していたという石村さん

――技術力を上げるために工夫していたことは何でしたか。

改善しなければいけない点をメモしていました。技術練習するときにメモを見返して、「今回は〇〇の改善を目指す」と意識しながら取り組んでいきます。それを繰り返すことで着実な成長を目指していました。

――新人時代に取り組んでおけばよかったと思うことは?

ここまでお話しさせていただいた雑誌や先輩の観察を通して学ぶことを、もっと早い時期から取り組んでおけばよかったと後悔しています。僕はスタイリスト就任が近づいてきたタイミングで始めたので、入社直後から始めたりしていればアシスタント期間がもう少し短かったかもしれません。

あとは、もっと積極的に周りの人にアドバイスを求めていればよかったなと。自分で考えて練習することが多かったので、どういう動きをすればいいのかなど具体的な指導を直接受けにいっていれば、効率よく成長できていたと思います。

――新人時代と現在を比べてみてどのような違いがあると思いますか。

心に余裕が生まれました。新人時代は少しのミスでも大きく焦ってしまうなどとメンタルが不安定な場面が多かったです。でも今は、大きな壁が立ちはだかっても成長のきっかけだとプラスに置き換えることができるようになりました。

――余裕が生まれたことで施術にはどのような影響が?

お客様に寄り添えるようになりました。例えば、カウンセリングのなかで提案をしたときにお客様の表情の変化や言動の背景に気づきやすくなったんです。余裕がないときは自分のことで精一杯になりがちでしたが、今はお客様に集中できています。

自分のペースで成長するのが美容師の最適解

定年後も仕事を続けられるのが美容師の魅力だと言う石村さん

――どのような場面でやりがいを感じますか?

お客様の変化を近くでみることができたときです。来店時と退店時を比べてみて、表情の明るさや見た目の美しさが違うと僕も喜びを感じます。

――美容師の仕事の魅力は何ですか。

いくつもありますがひとつ挙げるなら、好きな場所で働きやすい点です。美容師は道具があればどこでも仕事ができるので、ライフステージに合わせて住まいを変えたりしても働き口に困りづらいと思います。

あとは、長く働ける点です。一般的な定年を超えてもハサミを持つ体力があれば仕事を続けられますし、プレーヤー以外にもキャリアプランが幅広いので生涯、美容業に携わることもできると思います。

――いま新人時代を過ごしている方に向けてアドバイスをお願いします。

新人時代はあまり余裕がなくてちょっとしたつまずきでもひどく落ち込んでしまうことがあると思います。でも、いま難しいと感じている技術や知識は、習得することであなたの魅力をグッと高めてくれるはずです。本当に辛いと感じたら休むのもひとつの手段なので、時間をかけて自分のペースで進んでいくのがいいと思います。


石村さんが充実した新人時代を送れたな3つのポイント

1.先輩の施術方法をトレースして練習に取り組んでいた

2.街ですれ違う人に似合う髪型をイメージして提案力を鍛えた

3.改善するべき点を意識して練習に取り組み、着実に実力を伸ばした

落ち着いたトーンで新人時代の経験を話してくださった石村さん。親子三代で山崎伊久江美容室に就職し、厳しい研修のなかで工夫を凝らして成長する努力をし続けてきた熱い方だと感じました。今、新人時代を過ごしている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。


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山崎伊久江美容室 文京店
住所:東京都文京区小石川1丁目5−1 文京ガーデンノーステラス2F
TEL:03-3813-1236

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