小さい花を省スペースで素敵に飾る方法【花やグリーンでサロンを演出】#3
お客さまがホッと和めるサロンの雰囲気づくりや、自分が家に帰ってくつろげる空間づくりのための、花やグリーンの飾り方を提案します。
暮らしの中で、手軽に花やグリーンを楽しむことを提案しているプランツスタイリストの井出 綾さんに、普段の花の飾り方を教えてもらいました。
サロンでも家でも、実践できるアイデアを紹介します。
小さい花でも諦めないで! 素敵に飾るアイデア
毎日、花やグリーンを絶やさないことは理想ですが、忙しかったりお金に余裕がなかったりして、花を買えないこともあります。そんなときでも、最小限の花で素敵に飾るアイデアがあります。
「庭やベランダの花やグリーンを少し取ってきたり、料理で残ったハーブを飾ってもいいんですよ。本当にちょっとでも、花やグリーンがあるだけで、お客様も自分たちも癒されます。気持ちが殺伐しがちな忙しいときにこそ、花の力に頼ってください。小さい花なら、生けるのにも時間がかからないので、おすすめです」と井出さん。
また、大きい花や小花がたくさんついているものを、最初から小さく分けて、色々な場所に飾るのもいいですね。洗面所やトイレなども水周りはスペースが狭いので、小さく飾るアイデアは活用できそうです。
小さなビオラは、おちょこに入れます。下にコースターを敷き、雑貨や本の表紙を組み合わせてプチスペースを作りました。ビオラの黄色と、反対色のブルーの花器を合わせて、小さくても華やかな印象を残します。
サクラコマチは分けて、小さいジャムの瓶に生けました。花だけでなく、グリーン(今回はナズナ)も加えると、小さくても存在感が出ます。バッグのポストカードのグリーンも、ピンクを引き立てるスタイリング小物です。このような小さい瓶なら、狭いトイレや洗面所でも置けそうです。
最後まで楽しむために、花器を変えて飾る
お祝いでいただいた花束などは、しばらく飾っていると途中で部分的に枯れてしまうことがあります。また、花びらはキレイなのに首の部分が折れてしまうなど、捨てるにはまだもったいない!と思うことがあります。そんな花を最後まで楽しむアイデアがあります。
「まずは、枯れた花や葉を取り除き、元気な部分だけを残します。小さくなったものは、花の大きさに合った花器に替えて生けると、また違ったアレンジの出来上がり。花の部分だけを切り取って、平らなお皿に入れるのも新鮮ですよ」。花器は身近にあるものを自由に使ってOKと考えると、飾り方もいろいろ広がりますね。
紫陽花が部分的に枯れてしまったり、茎が折れてしまったりしたときは、花の元気な部分だけを切り取って飾ります。おかずを入れる平皿で、大胆に飾ると新鮮です。紫陽花の葉は切り取って、バランスの良い位置に組み合わせました。
Column
井出さんのお宅のインテリアを拝見
井出さんのお宅のリビングの壁には、作り付けの本棚がありました。本以外にも、花や雑貨やポストカードが素敵に飾られていました。ただ無造作に並べているように見えますが、絵になる本棚になっていて、センスの良さを感じさせられます。
このリビングで、「花あわせ」と「野山の花の会」のレッスンが開催されます。詳しくは井出さんのホームページで【http://soleil-net.com】
「教室で3年くらい頑張ると、すごく上手に、自由に生けられるようになるんです。生徒さんでは10年ぐらい通っている方もいますね」と井出さん。
花の組み合わせ方が上手になるには、 花屋さんでグリーンや小花をじっくり見て、大きな花といろいろ組み合わせてみること。「慣れてきたら、実や枝ものなどを取り入れると、組み合わせの幅がぐっと広がって楽しくなりますよ」。
写真・取材・構成
花の写真:井出 綾
取材・構成:大橋史子(ペンギン企画室)
Profile
井出 綾さん
プランツスタイリスト。Bouque de soleil主宰。輸入雑貨店、デザイン事務所を経て、アレンジメント教室勤務。フリースタイルのフラワーアレンジメント、ランドスケープデザインを学び1994年よりフリーランス。雑誌、広告、イベント、商業施設でのアレンジやスタイリングと、「花あわせレッスン」「野山の花の会」やカルチャースクール、ワークショップなどのスクーリングを主に、自然と暮らしをつなぐ花を提案しています。
Bouque de soleil http://soleil-net.com
井出綾さんの著書「花の教室」(¥1400/グラフィック社)
なかなか花を上手に生けられない、どんな花を選んでいいかわからないと悩む初心者さんにはもちろん、もっと素敵に飾りたい!とワンランクアップを目指す上級者さんにも、参考になる1冊です。花の選び方、花器の選び方、色合わせのコツ、季節に合わせた花の飾リ方など、迷ったときに助けてくれるアイデアが満載です。
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