教育のプロに聞く! 『人に教える上手な方法』 それが後輩への教育につながる

サロンやお店に入ってきた新人たち。即戦力になってもらうために教育しなくちゃならないけれど、どんな風に教えれば伸びるの? 今の若い人にはどんな教育方法があっているの!? ――そんなお悩みに、教育現場のプロがお答え!! 山野美容専門学校で教鞭をとるおふたりの先生に、今まさに、学生を育てるために行っている教育方法と、注意しているポイントをお聞きしました。

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ほめて伸ばす。これがイマドキ男女を上手に育てる、最良の方法

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右:山野美容専門学校 カットコース長・鈴木一彰先生、左:同、エクステンションコース長・小倉睦実先生

――学生の力を伸ばすために、注意していることはありますか?

小倉「数年前だと、学生が言われた通りにできなかったり、こちらが要求したレベルに達していなかったりした場合、叱ったり怒ったりするのが当たり前だったんですよね。でも今のコは、叱ると逆に伸びなくなってしまう。怒られ慣れていないんですよ。なので、できる限りほめて伸ばすことに終始しています。ほめられるとやる気が沸いてがんばれるようなので……。少しでもけなしてしまうと、しゅんとしてしまうんですよね。
昔は……『いいからやれ!』って言っているだけでよかった。ある意味、教える側もラクだったと思います。でも今は『わぁ、すごい上手!! もっとできるかもよ!?』と、ほめてほめて、プラス言葉を掛け続けるしかないんです。ただ、もちろん甘いだけではダメな場合もあるので、先生にもほめる人と厳しい人、2パターンいて、ほめたり怒ったり、そのバランスをとっています。厳しく言われて伸びる生徒もいるので、見極めることが大切ですね」

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鈴木「それと、きちんと1日の計画を立ててあげることも大切。『はいじゃあ、できるまでがんばって!』と突き放すのではなく、『何時までにここまでしてみてください』『今日はここまでやってみて』……って感じで、計画を立ててあげています。それこそ以前と違い、今は、後ろが見えないとイヤになっちゃう子がいっぱいいるんですよ。時代が変わりましたよね、本当に。

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――教える際に、強く意識していることは?

鈴木「『なんでこうなっていると思う?』『どれがベストの答えだと思う?』ってできるだけ問いを投げかけるようにして、ほんのわずかでもいいので、学生に考えさせるようにしています。最近の学生は、すぐに答えを欲しがってしまうんですよ。『なんでこうなっていると思う?』ってこちらが問いかけても、まるで考えようともせず『早く答え言わねぇかなぁ~?』って顔をしてこっちを見てきたりして。
そんなときはすかさず『絶対、答え言わねぇからな~』って、言っちゃいます。『クラスメートと話し合ってもいいから、考えてごらん?』って言って初めて、誰かに意見を求めたり考えたりするようになるんですよね。でも……専門学校を出て社会に出て独り立ちをしたら、そうして“自分で考える”ことって当たり前のこと。誰も答えは教えてくれない。なので……できるだけ考える力を身につけさせるようにしています」

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小倉「私は、声のトーンを意識しています。『ここは!』と思うところは声をはりあげたりしないと、右から左へ流されてしまう。なので、聞き取りやすい声のトーンとメリハリ、このふたつに注意するようにしています。美容師の勉強は頭と同時に手を動かすことが多いので、どうしても作業に熱中しちゃうもの。なので、声で重要性をわからせてあげることも大切だと思っています。
あとは、自分自身が見本にされるようふるまうこと。目標となるものがあると、学生の成長は早いんですよね。私自身のスキルを磨き、見本となり、学生たちに『小倉先生を目指してがんばろう!』と思ってもらえるよう、日々、努力しています」

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――十人十色の学生たち。1人ひとりを“見捨てない”ために、まだまだ努力は続きます!

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鈴木「私はカットの授業を受け持っているんですけど、まずクラス全体に教えるのですが、やはり、わからなかった子たちが出てきます。わからなかった子たちには、今度は違う言葉を使って教えるようにしています。たとえ手間でも、そうして時間をかけて教えていくと、分かった瞬間、学生たちの顔に「!(びっくり)」ってマークが出るんですよね。そういうときは「あ、うまく教えられた!」って思います。
ようは、何がわからないのかまずこちらが理解して、相手が理解できるように、いろいろな表現をしてあげることが大切なんです。人間は1パターンの人間しかいないわけではないので、いろいろなパターンを教える方も用意するべきだと思うんですよ」

小倉「同じ目線で考えて教えることも、大切だと思っています。姿勢や態勢のことではなく、自分が学生時代の頃を思い出して、自分自身がわかりにくかったなぁ……と思ったことなどを、できるだけかみくだいて教えてあげています。美容には、専門用語がたくさんありますよね。それらを教えることも大切だけど、いきなり知らない言葉を言っても、学生はとまどってしまうだけ。
先ほどの鈴木先生の答えと似ているのですが、専門用語も教えつつ、それをかみくだいた言葉で言い直して教えてあげる。そうすると、時間はかかっても覚えていってくれると思います」

鈴木「あと……私、授業中に笑わせています(笑)。教えながらちょっとふざけたり、ヘンな表現をして笑わせてあげると、記憶の再現っていうんですかね。後日、何かで笑ったときに、そのとき覚えたことをふと思い出したりするんですよね! 現在、当校では4人で4クラスを持っています。これだけ人数がいると、杓子定規な教え方では対応しきれません」

小倉「授業そのものを4人でぐるぐるまわって受け持つので、先生それぞれの個性を出せるところもポイント。ひとりがべったりと教えてしまうと、その人のクセが学生についてしまう。大人数で、しっかり相手を見ることで、さまざまな可能性を引き出せると思っています。自分が上手に教えられなかったら、誰か別の人に頼る……というのも、イマドキの若者を教え、伸ばしていくためには必要なことかもしれませんね!」

――ありがとうございました!

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