海外で美容業界の就職するにはどうするの?[フランス−パリ編]
今日、ファッションも美容も最新トレンドは海外から発信され日本に届いていますが、日本で学び働いていると、一度は憧れの海外にチャレンジしてみたいと思う方も多いのではないでしょうか? でも、知らないことばかりで不安も多く、なかなか一歩を踏み出せないのが現状ですよね。そんな方々の手助けになるような海外での就職事情をお届けします。
フランス・パリの魅力!
「華の都」と言われているフランス・パリ。毎年、世界渡航先ランキングでもトップ10に入る人気都市です。その理由のひとつは、景観の美しさと色や形が統一された芸術的な街並み。パリに降り立つだけで私たちを魅了し、虜にしちゃいます。歴史的建造物が多く、伝統に触れることができる街でありながら、グルメにファッションに、オシャレの最先端をいく街でもあります。パリコレクションという服飾ブランドのファッションショーも開催され、パリから新しいトレンドが生まれます。パリは、トレンドの発信地であるため、世界中の女性の憧れの街になっています。ファッション・美容を学ぶのに最適な都市なのかもしれませんね!
2015年11月13日にパリで起こったテロ事件は、フランス全土に感情面や精神面をはじめ、深刻な打撃を与えました。この状況を乗り越えようと、パリ市民、フランス国民、外国人観光客を対象に大規模なキャンペーンがスタートしました。特設ホームページhttp://www.parisweloveyou.frでは、インターネット利用者にソーシャルメディアを通して、パリへの思いを表した写真をシェアするように呼びかけ、パリを応援し盛り上げています。このキャンペーンは、ハッシュタグ「#ParisWeLoveYou」をつけて、写真を投稿。投稿された写真で表面を覆いつくした巨大オブジェクトを製作し、パリの象徴的な場所に設置する予定とのことです。パリを愛するすべての人が参加可能で、パリはこれまでと変わらない日常が続いていること、安心して暮らしていること、パリは今も変わらず美しいことを世界中の人々に示しています。みなさんもぜひ参加してみてはいかがでしょうか?
フランスで働くには?
日本人がフランスで働くには、原則、労働許可がなければ就労できません。働くためフランスに滞在する場合は、事前に在日フランス大使館で「就労ビザ」を取得する必要があります。「就労ビザ」と言ってもさまざま。まずは、どんな種類のビザがあるかチェックしてみましょう。
・ ワーキングホリデービザ
・ 就労ビザ「Salarié en mission」・同行家族ビザ
・ 就労ビザ「Carte Bleue Européenne」・同行家族ビザ
・ 就労ビザ(OFⅡ)
・ 研究者ビザ・同行家族ビザ
・ 社会人の研修生ビザ
・ 商工業活動を行うためのビザ
・ 滞在許可証「コンペタンス・エ・タラン(能力・才能)」
上記に挙げたビザの中で、比較的取得しやすいビザは、「ワーキングホリデービザ」。その他は、なかなかハードルが高いものとなっております。それでは、「ワーキングホリデービザ」とはどんなものか、概要を紹介します。
ワーキングホリデービザ
フランスと日本の若者の国際交流を促し、お互いの親交および理解を深めることを目的とする。
* ビザを取得するための条件 *
・ 申請時に満18歳以上30歳以下であること
・ フランスを知るための渡航で、なおかつ仕事に就く意思があること
・ フランスへのワーキングホリデービザを過去に取得していないこと
・ 子ども同伴ではないこと
* ワーキングホリデービザの特徴 *
・ ワーキングホリデービザの有効期限は1年間
(フランスに入国した日から1年。入国する日付はビザ申請時に決まっていること)
(このビザはフランス本土の各県においてのみ有効。海外県・海外領土は除く)
・ ワーキングホリデービザ所持者は、フランス滞在中に滞在期間の延長や身分の変更はできない
・ ビザの発給は1回限り
(フランス滞在中もしくは出発前にパスポートを紛失、盗難しても再発給されません)
・ 発給定員は、年間1500名
・ 仕事が見つかった方は、速やかに所在県の労働管理局で、一時労働許可証を取得してください
(この許可証は職種を問わず、契約書の期間に応じて、即時発行されます。)
参照 http://www.ambafrance-jp.org/-Japonais
フランスの美容業界での就職事情は?
日本で既に美容師やエステティシャンとして働いている方なら、一度は美容の本場フランス・パリで働くことを夢観たことがあると思います。日本人は、手先が器用で繊細な技術を持っていると言われているので、その日本人の技術を生かして、フランスでの労働許可を狙ってみるのもいいでしょう。フランスの美容業界で働くには、フランスの資格が必要です。残念ながら、日本の美容国家資格は役に立ちません。また、日本でエステティシャンになるには国家資格は必要ありませんが、フランスでは、エステティシャンとして働くにも国家資格が必要です。いくつか代表的な国家資格を紹介しましょう。
・ 職業適性証(CAP)
・ 職業免状(BP)
・ 上級技術者免状(BTS) など
上記の資格を取得するためには、日本人にとってとてもハードで、すべてフランス語。課題も毎日でます。CAPの国家資格は、高校卒業程度の試験科目(フランス語、数学、化学、フランス史、ヨーロッパ史など)や現場実習も含まれ、フランス語のレベルはネイティブ並みが要求されます。
国家資格を取得しても、就職先が必要です。そして、働くためのフランスの就労ビザ所持がマストですので、ビザ取得のためのスポンサー企業を探す必要があります。企業主からフランスの労働局に、ビザ申請を働きかけてもらう必要があるのです。現在、フランスの失業率は10%以上と非常に高く、外国人労働者ではなく、なるべくフランス人を雇ってほしいというのがフランス労働局のホンネ。「なぜこの日本人を雇いたいのか?フランス人じゃダメなのか?」と必ず問われるそうです。この日本人じゃなきゃダメなんだ!という確固たる理由が必要なのです。企業主にとっては、就労ビザ付与にあたり時間と労力、資金が必要です。そこまでしても雇いたいと思わせる人物である必要があり、このようなケースはそう簡単には起こりません。
比較的現実的なのは、ワーキングホリデービザで美容室で働き、1年間修行し職歴を作ります。もし、そこのオーナーさん(雇用主)に気に入ってもらえたら、就労ビザ取得に動いてもらえるかもしれません。
これまで、イギリス編、アメリカ編とお届けしてきましたが、どの国もその貴国で働くということは簡単なことではありません。しかし、海外での経験は確実に自分の知識と技術につながるので、ぜひチャレンジしてみてください!