地方で働く薬剤師の年収はどれくらい?地方で働くメリットと注意点を紹介
薬剤師の年収は、勤務先や経験年数だけでなく、働く地域によっても大きく差が出ることがあります。「地方は給与が低そう」というイメージを持つ方も多いかもしれませんが、実は、薬剤師という職業は、都市部よりも地方のほうが年収が高い傾向が見られることが特徴です。
そこで、薬剤師の年収を都道府県別や男女別で押さえるとともに、地方の薬剤師の給料が高い理由や、地方勤務のメリット・注意点について詳しく解説します。
薬剤師の月給や年収はどれくらい?
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薬剤師の収入は、勤務先や経験年数だけでなく、働く地域によっても差が出る傾向です。特に地方と都市部では給与水準に違いが見られるケースも多く、「地方のほうが年収が高い」という声は珍しくありません。
そこで、実態を確認するため、厚生労働省が公表している令和6年の賃金構造基本統計調査をもとに、薬剤師の給料を具体的なデータから解説していきます。
地方で働く薬剤師の収入状況がより具体的にわかる内容として、全国のデータだけでなく、都道府県別の結果もチェックしましょう。
【都道府県別】薬剤師の年収はどれくらい?
令和6年賃金構造基本統計調査で賃金データを確認すると、薬剤師の給料は都道府県ごとに差があります。特に上位には、地方の県が多く並んでいる傾向が見られました。
月給(きまって支給する現金給与額)×12カ月分と賞与(年間賞与その他特別給与額)を合わせて計算した、都道府県別の年収トップ5は以下のとおりです。
1位:熊本県 761万8,400円(月給58万3,800円×12+賞与61万2,800円)
2位:広島県 715万7,200円(月給54万100円×12+賞与67万6,000円)
3位:山口県 687万9,400円(月給46万5,400円×12+賞与129万4,600円)
4位:新潟県 686万9,400円(月給49万3,600円×12+賞与94万6,200円)
5位:大分県 677万2,000円(月給47万2,500円×12+賞与110万2,000円)
熊本県は月給ベースで見ても全国トップクラスで、東京と比較すると16万7,500円も高い水準です。また、年収では3位の山口県ですが、賞与はなんと129万円超で、熊本県の2倍以上という結果でした。
一方、都市部の月給データを見てみると、東京都は41万6,300円、神奈川県は40万9,600円、埼玉県は39万7,000円、愛知県は48万100円、大阪府は40万8,800円です。
この結果からも、都市部において薬剤師の給料が高いわけではないことがわかります。地方のほうが人材確保の必要性が高く、給与条件を手厚くしているケースが多いと考えられます。
引用元
e-Stat:賃金構造基本統計調査 令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 都道府県別
【全体・男女別】薬剤師の年収はどれくらい?
薬剤師全体の年収は、他職種と比べても比較的高水準です。
薬剤師全体(男女計)の給料や年収について、前述の賃金構造基本統計調査の結果(企業規模10人以上)で見てみると、月給は43万800円、ボーナスは82万3,600円で、年収としては599万3,000円程度です。
次に、男性薬剤師のみのデータを見ると、月給は47万2,500円、ボーナスは84万1,200円でした。この金額から年収を算出すると、47万2,500×12+84万1,200=651万1,200円です。薬剤師全体での給料に比べて、男性薬剤師のほうが高収入であることがわかります。
また、女性薬剤師の月給は39万5,800円、ボーナスは80万8,800円です。年収にすると、39万5,800×12+80万8,800=555万8,400円で、月給・ボーナス・年収のいずれも男性のほうが上回っていました。
とはいえ、年収は550~650万円前後と、薬剤師は安定した収入が期待できる職種といえるでしょう。
また、薬剤師は男性よりも女性の割合が多く、出産・育児などで一時的な離職があっても、復職しやすく収入やキャリアを維持しやすいとされています。
引用元
e-Stat:賃金構造基本統計調査 令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 1
e-Stat:賃金構造基本統計調査 令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 1(ダウンロードデータ)
job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET)):薬剤師 – 職業詳細
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地方の薬剤師の給与が高い理由とは?
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前述のように、薬剤師の給料データでは、地方のほうが高水準になっているケースが目立ちます。では、なぜ地方の給与が高くなりやすいのか、理由を見ていきましょう。
1. 薬剤師不足
地方では慢性的に薬剤師不足という状況があります。都市部には薬学部や医療機関が集中しており、薬剤師の数も多い傾向にありますが、地方では人材の確保が難しいため需要が高いです。
そこで、少しでも多くの薬剤師に来てもらうために、薬局や病院が給与を高めに設定します。その結果、地方のほうが年収が高くなりやすいというのが実情です。
2. 支出が少なめ
都市部は土地代や家賃が高く、店舗運営にかかるコストも増えがちです。
一方、地方は土地代などが比較的安く、支出を抑えやすい環境にあります。その分、人件費に予算を回しやすく、薬剤師の給与を高めに設定できると考えられます。
ただし、全国展開している大手のドラッグストアチェーンでは地域差が出にくい場合もあり、調剤薬局で見られやすい傾向といえるでしょう。
薬剤師が地方で働くメリットとは?
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薬剤師が地方で働く魅力は、年収の高さだけではありません。そこで、地方ならではのメリットにはどんな点があるのかを紹介します。
1. 生活にかかるコストが低め
地方は都市部と比べて、家賃・土地代・駐車場代などが安めの傾向が見られます。すると、日々の生活コストを抑えられるため、手元に残るお金が多くなりやすいです。浮いた分を貯蓄や資産形成に回しやすく、将来設計にも役立てやすい環境といえます。
2. 通勤ストレスが少ない
地方では都市部のような満員電車による通勤ラッシュが少なく、自動車での通勤が可能な地域も多いです。通勤のストレスや時間といった心身の負担が減り、仕事とプライベートのバランスも取りやすくなるでしょう。
3. 地域医療に深く関われる
地方の薬局では、地域に密着しており患者一人ひとりとじっくり向き合える環境が整っているケースが多くあります。
顔なじみの患者が増え、服薬指導や健康相談などの業務を通じて地域医療に貢献している実感を得やすい点は、地方ならではのやりがいです。
薬剤師が地方で働く際の注意点とは?
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地方勤務には多くのメリットがある一方で、気をつけたい点も存在します。そこで、地方で働く前に知っておきたい注意点を解説します。
1. 車が必要な土地がある
公共交通機関が都市部ほど発達していない地域では、車が生活必需品になることがあります。
そのため、これまで都会で車なしでも不自由なく生活していた方など、運転免許や自動車を所持していない場合、免許の取得や車の購入などの費用を覚悟しなければならないかもしれません。
2. キャリアアップの機会が少ない可能性がある
地方は医療機関や薬局の数自体が限られているため、キャリアアップを目指した際に選択肢が少なくなることがあります。
より専門性の高い仕事をしたくても、専門分野に特化した職場が通える範囲にはなかったり、昇進を目指したくても管理職のポストが空いていなかったりするケースもあるため、活躍の場や幅が限定されてしまうかもしれません。
3. 人間関係に息苦しさを感じることも
地方では、ローカルさゆえに独特の密な人間関係が形成されていることがあり、息苦しさを感じる人もいます。
その反面、地域の人々と深く付き合うことで、困ったときに助けてもらえる関係を築ける場合もあるため、自身の性格や価値観に合うかどうかを考えることが大切です。
薬剤師が地方で働く前に押さえておきたいポイントとは?
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地方でも薬剤師として活躍していくためには、事前の心構えや準備が大切です。そこで、地方で働く前にやるべきことを頭に入れましょう。
1. 事前に条件をしっかりと調べる
就職する地方の下調べは欠かせません。給与や待遇、医療体制だけでなく、生活の利便性や気候など、暮らしの環境も含めて調べておくことが重要です。
実際に暮らすことを想定し、生活しやすいかどうかを確認しておきましょう。
2. キャリアプランを明確にする
なぜ地方で働きたいのか、その地方で将来的にどのような薬剤師を目指すのかなど、キャリアプランを明確にしておくことで、後悔のない選択をしやすくなります。短期的な収入だけを目で追うのではなく、長期的なキャリア視点を持つことが大切です。
3. 派遣で働いてみる
いきなり移住して本格的に働くことに不安がある場合は、派遣薬剤師として一定期間働いてみるのもよいでしょう。実際の職場環境や生活リズムを体験することで、自分に合うかどうかを判断しやすくなります。
地方で働く薬剤師の年収は高め!
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地方で働く薬剤師は、年収が高めに設定されているケースが多く、生活費の安さや地域医療に深く関われる点など、年収以外のメリットも豊富です。
一方で、車が必要な地域があることや、キャリアアップの選択肢が限られる可能性があるなど、注意点も理解しておく必要があります。
地方勤務を検討する際は、事前に地域の情報をしっかり調べ、自身のキャリアプランを明確にしておくといった下準備が重要です。また、はじめから地方へ移住するのに不安がある場合には、派遣という選択肢もあります。
地方で働くことを考えている方は、地方の高年収の求人や派遣案件に強い、薬剤師専門の転職支援サービス「ファーマキャリア」に相談してみてはいかがでしょうか。
ファーマキャリアでは、オーダーメイド求人で、一人ひとりの希望や適性に合った求人の提案を行っています。自分にぴったりの職場に出会い、地方で活躍できる薬剤師を目指して、理想のキャリアを切り開いていきましょう。
監修者
この記事の監修者
森正弘
薬剤師専任キャリアアドバイザー
社内MVP受賞
【経歴・実績】
・北海道大学大学院(修士)修了 / 元大手インフラ企業 研究職
・社内受注金額MVP / 成約率41%の実績
【プロフィール】
理系院卒の深い理解と論理的交渉で、週休3日や高年収など他社が敬遠する難条件も実現。
深層心理まで掘り下げ、客観的な利点と欠点を提示します。意見を押し付けず、最終的にはご本人の意思決定を最優先に尊重します。
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