薬剤師が女性におすすめの3つの理由|家庭と両立する働き方と職場選びのポイント
薬剤師は、専門知識を活かして働ける医療職の一つであり、女性が多く活躍している職業です。一方で、「本当に家庭と両立できるのか」「どんな職場を選べばよいのか」と不安を感じる方も少なくありません。
そこで今回は、薬剤師が女性にとって働きやすいと考えられる理由や、家庭との両立を目指しやすい職場、女性薬剤師がキャリアプランを考えるときのポイントについて、公的データも交えながら解説します。
薬剤師は女性が多い職業?
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薬剤師は、女性が過半数を占める職業です。
薬剤師の男女比
厚生労働省の令和6(2024)年のデータによると、総薬剤師数329,045人のうち、男性が125,066人(総数の38.0%)、女性が203,979人(62.0%)という人数および比率でした。前回の調査と比較して女性の人数・割合ともに増加しており、薬剤師は女性が多く活躍している職業であることがわかります。
では、薬剤師はなぜ女性にとって働きやすい職業といわれるのでしょうか。次章で詳しく見ていきましょう。
引用元:厚生労働省:令和6(2024)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況
女性薬剤師が多い背景
薬剤師に女性が多い背景の一つとして、病院や薬局、ドラッグストアなど勤務先の選択肢が幅広く、ライフイベントに合わせて勤務地や働き方を選びやすい点が挙げられます。
また、資格職であるため、一度現場を離れても再就職を目指しやすく、長期的にキャリアを築きやすい点も理由の一つです。
薬剤師が女性に人気の職業である理由とは?
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前述のとおり、薬剤師は女性が多く活躍している職業です。ここでは、女性にとって薬剤師が働きやすいと考えられる理由を解説します。
1. 仕事と家庭の両立を叶えやすい
薬剤師の職場ではシフト制が採用されているケースが多く、家庭の状況に合わせて勤務時間を決めやすい点が特徴です。フルタイム勤務だけでなく、時短勤務やパートタイムでの勤務を選択できる職場も多く見られます。
また、女性薬剤師が多い職場では、出産や育児に対する理解を得られやすい傾向があります。育休や産休の取得実績があり、子どもの体調不良による急な休みにも対応しやすいなど、サポート体制が整っている職場もあります。
このように、家庭の状況に合わせて働き方を調整しやすい点は、女性が薬剤師として長く働きやすい理由の一つといえるでしょう。
【キャリアアドバイザー原さんのコメント】
───実際、仕事と子育ての両立はできるんですか?
比較的仕事量の多い管理薬剤師でも実現されている方が少なからずいらっしゃるので、現実的にできると思います。とくに、人員に余裕がある薬局の場合だと両立はしやすいです。複数の薬剤師が在籍していることで、急な欠員を補える可能性が高いため、柔軟に働きやすいと思います。
また、ママさん薬剤師が多い環境も両立しやすい印象です。ママさん同士で支え合う文化が根付いていることも多く、子育ての相談ができる点も魅力だと思います。
あわせて読みたい:男女で違う薬剤師のキャリアの悩み。転職相談の現場から見えたリアル
人員体制に余裕があり、子育て中の薬剤師が在籍している職場であれば、家庭との両立もしやすくなるでしょう。
2. 収入が高め
まず、薬剤師全体(男女計)の給料や年収を、令和6年の「賃金構造基本統計調査」の結果(企業規模10人以上)で見てみます。
「きまって支給する現金給与額」(月給)は43万800円、「年間賞与その他特別給与額」(ボーナスなど)は82万3,600円。年収としては、約599万円です。
また、女性薬剤師のみのデータを見ると、月給は39万5,800円、ボーナスなどの特別給与は80万8,800円でした。この金額から年収を算出すると、39万5,800円×12カ月+80万8,800円=555万8,400円です。
薬剤師全体の平均と比べると、女性薬剤師の平均年収は低い結果となっています。とはいえ、給与は仕事への意欲ややりがいに影響する要素の一つであり、職業選択において見逃せないポイントです。
なお、調査結果のデータはあくまでも目安であり、職場や企業の規模、経験年数などによって差が出ることも理解しておきましょう。
【キャリアアドバイザー原さんのコメント】
───女性薬剤師が「年収の壁」を感じる最大のタイミングはいつですか?
女性薬剤師の場合、出産や育児といったライフステージの変化があるタイミングで、年収の壁を感じる方が多い印象です。具体的には、20代後半から30代前半にかけてです。
この時期は、出産や育児をきっかけに正社員からパートへ働き方を変えるケースも少なくありません。その結果、キャリアの継続が難しくなり、年収が伸びにくいと感じる方が増える傾向があります。
収入水準をできるだけ維持したい場合は、雇用形態をすぐに変えるのではなく、時短正社員制度や職場のサポート体制なども含めて検討することが大切です。
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女性薬剤師の年収はどれくらい?キャリアプランのポイントや収入アップの方法を紹介
引用元
e-Stat:賃金構造基本統計調査 令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 1
e-Stat:賃金構造基本統計調査 令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 1(ダウンロードデータ)
job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET)):薬剤師 – 職業詳細
3. 再就職しやすい
薬剤師は国家資格を活かして働ける職業であり、医療機関や薬局、ドラッグストアなど幅広い勤務先があります。そのため、出産や育児、介護などで一時的に現場を離れたあとでも、比較的再就職を目指しやすい点が強みといえます。
厚生労働省の「一般職業紹介状況」では、職業別の有効求人倍率も公表されています。ただし、薬剤師は「医師、歯科医師、獣医師、薬剤師」を含む分類で示されるため、薬剤師単独の倍率ではない点に注意が必要です。
ブランクのある薬剤師を受け入れている職場や、研修制度を設けている求人もあるため、離職後に再スタートを目指しやすい職業といえるでしょう。
引用元:厚生労働省:一般職業紹介状況
女性薬剤師として家庭との両立を目指す方におすすめの職場は?
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女性薬剤師のなかには、家庭との両立を重視して職場を選びたいと考える方も多いでしょう。ここでは、そのような方におすすめの職場を紹介します。
1. 託児所のある病院
託児所を併設している病院は、子どもを近くに預けて働ける点が大きなメリットです。勤務中でも子どもの様子を把握しやすく、急な体調変化にも対応しやすいため、安心感があります。
また、託児所がある病院は育児に対する理解が深いケースも多く、職場全体で子育てを支える雰囲気が感じられやすい点も魅力です。
専門性の高い業務に携わりながら働けるため、病院薬剤師としてキャリアアップを目指したい方にも向いているでしょう。
2. 調剤薬局
調剤薬局は、勤務時間が比較的規則的で深夜勤務が少ない傾向があります。パート勤務や時短勤務に対応している薬局も多く、家庭の都合に合わせて柔軟に働けるでしょう。全国に数多く存在するため、自宅近くで職場を見つけやすい点も魅力です。
調剤スキルが身につくほか、患者との関わりも深くなりやすく、地域医療に貢献したいと考える方に適した職場といえます。
【キャリアアドバイザー原さんのコメント】
───「のんびり働ける薬局」の定義は何ですか?
1人あたりの処方箋枚数が少ない職場は、比較的ゆとりを持って働ける傾向があります。たとえば、1人あたり1日20〜30枚程度であれば、比較的余裕のある環境と感じる人が多いと思います。 また、診療科目も影響します。眼科や整形外科などは処方内容が比較的シンプルな場合が多く、薬局としても落ち着いた環境になりやすいです。
3. ドラッグストア
ドラッグストアは営業時間が長いため、シフト制で働くことが一般的です。比較的融通が利き、家庭の都合に応じて勤務の時間帯などを調整しやすいケースもあります。子どもの参観日や学校行事に合わせてシフトを組むことで、仕事と家庭の両立を図りやすくなるでしょう。
調剤薬局と同様に、店舗数が多いドラッグストアも多く見られます。勤務地の選択肢が多い地域では、自宅から通いやすい職場を見つけられる可能性もあります。
また、ドラッグストア勤務の薬剤師は、調剤業務のほかに、来店客のセルフメディケーションのサポートや接客販売など幅広い業務に携われます。そのため、多様なスキルを身につけたい方にもおすすめです。
職場選びで確認したいポイント
家庭と両立しやすい職場を選ぶ際は、産休・育休の取得実績や有給休暇の取りやすさ、急な欠員をカバーできる人員体制があるかを事前に確認することが大切です。
面接時には、子育て中の薬剤師の在籍状況や、急な休みに対するフォロー体制について確認しておくと安心です。
【キャリアアドバイザー原さんのコメント】
───「急な欠勤」などへのフォロー体制を、求人票のどこを見て判断していますか?判断する方法はありますか?
求人票だけで判断するのは難しい場合もありますが、いくつかのポイントはあります。
たとえば、「休みが取りやすい」「フォロー体制あり」などの記載、ラウンダー薬剤師が在籍しているか、複数名体制の店舗か、といった点です。とくにラウンダー薬剤師がいる企業は、急な欠勤が出た場合でも他店舗から応援に来られるため、比較的フォロー体制が整っているケースが多いです。
求人を探す段階からこうしたポイントを意識しておくと、入社後のミスマッチを防ぐことができます。
女性薬剤師の働き方にはどんな選択肢がある?
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薬剤師には、生活スタイルに合わせて選べるさまざまな雇用形態があります。
正社員
安定した給与や賞与、福利厚生が期待できる働き方です。将来的に管理薬剤師や薬局長を目指すなど、責任ある立場でキャリアを築きたい方に向いています。
パート・アルバイト
「週3日」「10時から16時まで」といったように、家事や育児の時間に合わせて勤務時間を設定できます。薬剤師はパート・アルバイトでも比較的時給が高い求人が見られるため、限られた時間で働きたい方にとって選択肢になりやすいでしょう。
【キャリアアドバイザー原さんのコメント】
───子育てをしながらでも、年収を大きく落とさないための方法は?
たとえば、時短正社員制度を導入している職場を選ぶことは有効な選択肢のひとつです。パートに切り替えるのではなく、雇用形態を維持しながら勤務時間を調整できれば、長期的な収入差を抑えやすくなります。
家庭の事情に柔軟に対応してくれる職場と出合うためには、条件を妥協し過ぎず、情報収集を丁寧に行うことが大切です。
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長期的な視点で生涯年収への影響も考慮しながら、働き方を選択していくことが重要です。
派遣
比較的高時給の求人が見られることもあり、短期間で収入を得たい場合や、さまざまな職場を経験したい場合に選ばれる働き方です。
女性薬剤師が感じやすい悩みとは?
働き方の選択肢が多い一方で、女性薬剤師ならではの悩みを感じる場面もあります。たとえば、繁忙期には帰宅が遅くなり、家庭とのバランスを取りにくくなることがあります。
また、子育て中のスタッフを支える体制が十分でない職場では、一部の薬剤師に業務負担や残業が偏ってしまうケースもあります。
さらに、出産や育児によるブランクが昇進やキャリア形成に影響するのではないかと不安を抱く人も少なくありません。
【キャリアアドバイザー原さんのコメント】
───職種や環境によって、抱えやすい悩みは変わるのでしょうか。
組織の規模によって、悩みの傾向が変わると感じています。 薬局では人間関係、病院では残業や業務内容、給与に関する悩みが多い印象ですね。薬局は少ない人員で構成されているうえ、比較的狭いスペースのなかで働くため、苦手なタイプの方とも必然的に関わる必要があります。さらに処方箋枚数が多い職場ではスピード感と正確さが求められ、張り詰めた雰囲気が漂うことも少なくありません。そのため人間関係の悩みを抱えやすく、問題が大きくなりやすい傾向があるんです。
一方で病院は、入院患者の調剤から、注射薬の調製、当直、オンコール対応などと業務の幅が広い特徴があります。体力的に負担を感じやすい割には給与が上がりにくい。そうした背景から、業務量に不満を感じる方が多い印象です。
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女性薬剤師がキャリアプランを考えるときのポイントとは?
女性薬剤師として生涯にわたって長く活躍するためには、早い段階から将来的なキャリアをイメージしておくことが重要です。そこで、キャリアプランを考える際のポイントを押さえましょう。
1. 理想となるキャリアプランを組む
まずは、自分がどのような働き方をしたいのかを整理しましょう。第一線で専門性を高めて働きたいのか、時短勤務などで家庭やプライベートを重視したいのかを考えておくことが大切です。
5年後、10年後、さらにその先の将来像を思い描くことで、選ぶべき職場や働き方が見えてくるでしょう。
【キャリアアドバイザー原さんのコメント】
───管理職を打診された際、残業や責任を恐れて断る女性に、伝えている「意外なメリット」や「交渉の余地」はありますか?
管理薬剤師には大変な面もありますが、意外なメリットとして「シフトを調整しやすい」という点があります。たとえば前日に残業が多かった場合、翌日の出勤時間を調整するなど、管理職の立場だからこそ柔軟に働き方を調整できるケースもあります。
また、責任の重さを心配される方も多いですが、実際には管理薬剤師が対応しなければならないトラブルはそれほど頻繁に起こるわけではありません。従業員のミス対応などで表に出ることはありますが、想像しているほど負担が大きくない場合もあります。 さらに、管理職を打診されている時点で会社から期待されている状態でもあるため、年収や勤務条件などについて交渉できる余地がある場合もあります。
2. 現在の職場で達成できるかを見直す
理想のキャリアプランをイメージできたら、現在の職場でそれが実現できるかを見直しましょう。
専門性を高めたい場合は、研修制度や症例数が充実しているかを確認します。プライベートを重視する場合は、時短勤務や柔軟なシフト調整が可能かどうかが重要な判断材料です。短期的ではなく、長いスパンで考える視点が欠かせません。
今の職場で実現が難しい場合は、異動や働き方の相談をしたうえで、必要に応じて転職も選択肢に入れるとよいでしょう。
【キャリアアドバイザー原さんのコメント】
———仕事が原因だとわかった場合、まず取るべき行動は?
転職活動を本格的に始める前におすすめしたいのは、現職で改善できないかどうかの確認です。たとえば、店舗を複数展開しているなら異動願いを出してみたり、上長に相談してみたりするのもいいと思います。 こうした行動をしたうえで、それでも改善・解消が難しい場合は転職活動を進めていいと思います。
あわせて読みたい:転職を考えるべき危険サインとは? キャリアアドバイザーに聞く辞める判断と仕事の将来性
3. 子育てを支える制度があるかを確認する
今後のライフイベントとして出産や育児を考えている場合は、制度面の確認が重要です。産休・育休の制度や復帰後のサポート体制の有無、子どもの体調不良時に休みやすい環境かどうかなどをチェックしましょう。
単に制度があるというだけでなく、実際に取得された実績があるか、人員体制に余裕があるかも確認しておくと安心です。
4. キャリアプランに合わせたスキルアップを計画する
自分が思い描くキャリアプランに近づくためには、必要なスキルを計画的に身につけていくことも大切です。
たとえば、「研修認定薬剤師」や「専門薬剤師」などの資格取得、在宅医療への対応、AI技術の活用など、将来を見据えた学びを計画しておくとよいでしょう。
今後、産休・育休などで現場を離れる可能性がある場合は、その期間に取り組める学習について、あらかじめ考えておくことも大切です。
年収アップを目指すには、管理薬剤師への昇格や認定薬剤師などの資格取得に加え、年収水準の高い地域や企業への転職を検討する方法があります。キャリアプランに応じて、専門性と待遇の両面から働き方を見直すことが大切です。
ライフプランも含めて中長期で考える
キャリアだけでなく、結婚や出産、育児などのライフイベントも踏まえながら、働き方を中長期的に考えておくことが大切です。
結婚・出産後も長く働くために意識したいこと
無理なく続けられる勤務条件を優先する
完璧を求めすぎず、育児中は通勤時間が短い職場を選ぶなど、物理的な負担を減らすことを最優先にする時期も必要です。
復職しやすい環境を選ぶ
ブランクを支援する研修制度がある職場や、周囲に子育て経験者が多い環境を選ぶことで、復帰時の精神的なハードルを下げられます。
専門性を高めて選べる職場を増やす
特定の分野で強みとなるスキルを身につけておくと、職場選びの選択肢が広がり、働き方や待遇について相談しやすくなる可能性があります。
キャリアプランを立てて、長く活躍できる薬剤師を目指そう
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薬剤師は女性が多く活躍しており、職場や働き方を選ぶことで、仕事と家庭の両立を目指しやすい職業です。専門職として比較的高い収入を目指せることや、ライフステージに合わせて働き方を選びやすい点も、女性にとって魅力といえるでしょう。
一方で、女性薬剤師として長く働き続けるには、キャリアプランの整理やスキルアップ、必要に応じた職場の見直しも大切です。
まずは、自分に合ったキャリアプランを立て、現在の職場がその実現に適しているかを確認してみてください。もし難しいと感じる場合は、これまで薬剤師として培ったスキルや経験をもとに転職するのも一つの選択肢です。
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薬剤師として理想の働き方やキャリアを考えたい方は、選択肢の一つとして相談してみてはいかがでしょうか。
監修者
原瑞希
薬剤師専任キャリアアドバイザー
薬剤師免許保有
【経歴・実績】
・ドラッグストアチェーンにて薬剤師として3年間従事
・2024年度 新人賞(銀賞)受賞
【プロフィール】
元薬剤師として現場の空気感やストレスを肌感覚で理解しているため、悩みへの深い共感が可能です。
求人紹介だけでなく、入社後の教育体制まで徹底確認して提案。生活の変化を具体的にシミュレーションし、不安のない転職を支えます。
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