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身に着けるもの、手にするものにも目にする『オーガニック』を学ぶ!

数年前に比べるとだいぶ世間に流通してきたオーガニック。TVや雑誌でも特集をよく目にします。オーガニックと聞くだけで、安心や健康、おしゃれというイメージを持つ方も多いはず。でも、オーガニックってざっくりとした雰囲気は分かるけれど、いったいどんな基準なの?って聞かれると説明できない人も多いのでは? そんなよく知らないオーガニックの基礎知識をご紹介します。

オーガニックってなに? 衣料編

赤ちゃん

今回は、オーガニックの服や小物、いわゆる衣料についてです。食品ではなく、服にもオーガニックがあるの?と疑問を持たれる方もいるのではないでしょうか。そこで、オーガニック衣料品の定義をご紹介します。

まず、服や靴、帽子などの衣料を作っている繊維(糸)には、天然繊維と化学繊維があります。化学繊維は略して化繊(カセン)などとも呼ばれていますね。このうち天然繊維には、植物から作られる植物繊維と、動物から作られる動物繊維、鉱物から作られる鉱物繊維があることはご存知でしょうか。そのなかで、植物繊維の綿や麻(リネンやヘンプなど)には有機栽培のものがあり、オーガニックコットン、オーガニックリネンなどと呼ばれています。この有機栽培に認められる基準は農作物と同じなんです。最低条件として、3年以上、化学肥料と農薬を使わなかった土地で育てられたこと、遺伝子組み換えをしていないこと、農薬は基本的には使用しないで栽培すること。最低条件でこれは結構厳しいというか、手間がかかりますね。その分、少しお値段が張るのも頷けます。

ちなみに、動物繊維にもオーガニックのものはあります。こちらはたとえば羊毛の場合、牧草地や羊の生態、原毛などの状態から認証機関が審査してオーガニックウールと認められます。こちらも厳しい基準をクリアしているためか、肌触りがとてもよく、暖かいそうです。毛糸なども販売しているため、寒い時期にはオーガニックの編み物ができます。着るときだけでなく編んでいる間もなんだかポカポカしそうですね。

地球に優しい、オーガニックコットン

コットン

そんな厳しい基準をクリアしたオーガニックの繊維のうち、代表的なのがオーガニックコットン。ですが、実は原料の段階では普通のコットンとあまり変わりがありません。そこからの加工方法によって、肌あたりのよさなどが生かされていくんです。育て方ではそんなに着心地が変わらないとか。では、なぜこんな手間のかかる育て方が推奨されているのか。それは、ずばり環境への負荷が大きく違うからです。オーガニックコットンを育てている場合、普通のコットンを育てている場合と比べて水や土が汚れにくく、二酸化炭素の削減効果も期待されます。また、農場で働く人々の健康の改善につながるんです。現在、世界中の半数以上のコットン生産者が農薬などの合成化学物質の健康被害に苦しんでいると言われています。少しでも多くの綿花畑がオーガニック農法に切り替われば、環境はもちろん、綿花栽培に携わるたくさんの人たちの健康被害が減るとのことで、いろいろと考えさせられますね。

徹底的に人に優しく加工される、オーガニックコットン

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オーガニック衣料の代表とも言える、オーガニックコットンは、その肌触りのよさから、マタニティーウェアやベビーウェアとしても使われ、とくにギフトとしても活躍しています。厳しい基準で育てられているのは先ほどもお書きしましたが、今度はその加工の厳密さをお伝えします。

オーガニックコットンは、糸や布地に加工する過程においても、化学処理は行いません。生地にするときに使うワックスも天然物である蜜ロウを使用するなどします。また、生地が仕上がってからの洗浄でも、オーガニック認証を取得した環境や身体に悪影響のない洗剤を使用しています。

色にしても基本的に染色はせずに生成りだったり、カラーコットンと呼ばれる茶色や緑の自然色を生かしたりしています。もし染色する場合でも安全性の高いヨーロッパ基準の染色など、こだわってしています。こうしてできあがったオーガニックコットンの布は肌触りの良さが感じられ、その風合いは落ちることなく持続します。

通常のコットンは糸から生地になるまでにさまざまな化学処理が行われており、そのために生地が痛み風合いが失われていきます。そして、その失われた風合いを再現するために多量の柔軟剤が使用されるんです。なので、洗うたびに加工した柔軟剤が取れて、生地はパサつき堅くなっていってしまいます。

これがオーガニックコットンの場合では、化学薬品の使用がないため繊維の痛みが少なく、繊維の空洞が保たれています。そのため洗えば洗うほどなじみ、乾かすことで空洞にまた空気が入ります。最初の使用感よりも使い込むほど、ふわふわとなめらかな肌触りを感じることができます。柔軟剤などの化学的な力に頼ることなく、オーガニックコットンが自らの力で風合いを保ってくれるのはうれしいですね。

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まとめ

厳しい基準で育てられ、同じく厳密な基準で加工されるオーガニックコットン。徹底して化学物質を排除した結果、人にも環境にも優しい製品として安心して使うことができるようになりました。肌の薄い赤ちゃんはもちろん妊婦さんや、敏感肌やアトピーの方など、好んで使う方が増えています。最近では、お求めやすい値段の通信販売などもあって、どんどん垣根が低くなっています。ナチュラル系の服装が苦手な方でも、タオルや寝具などから取り入れてみてはいかがでしょうか。肌触りの良さからストレスが減ったり、もっと笑顔が増えたりしてご機嫌に過ごせるかもしれません。

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