ベースを大事に、そして常に変化しつづけるサロン『CIRCUS by BEAUTRIUM 青山』

サロンやショップはお客様をお迎えする場であり、コンセプトを形にする場であり、スタッフにとっては職場でもあります。「On Stage」では、お店造りのアイデアがいっぱいの“表舞台”をご紹介します。

インパクト・個性を表現するには、まずお客さまを見極めること

日本でTOPクラスの技術力を誇るBEAUTRIUMの姉妹ブランドで、常に変化を遂げ続けるアーティストが勢ぞろいのヘアサロン「CIRCUS by BEAUTRIUM 青山」。２号店である表参道店もオープンし、これからますます個性的な発信をしていきたいと語る代表の中野倫宏さんにお話を伺いました。

「全国で17ちょっとの店舗展開しているBEAUTRIUM統一のテーマで「ナチュラル&インパクト」というベースコンセプトがあります。CIRCUSは、このベースにさらに”ファッション”と”個性”をプラスしたブランドです。

――サロンに期待を持った方が多く来店されると思いますが、お客さまの頭のなかのイメージをどのように形にしていくのでしょうか？

「似合っていながら個性を引き出すカットを実現するために、まず女性像を見極めるようにしています。第一に服の雰囲気。ワンピースなのか、首まわりを締めているのか、開けているのか、メイクはナチュラルなのかガーリーなのか。そしてお客さんが一番気にしていること・好みを探るような接客を心掛けています。特に顔周りを切るときには慎重に、イメージをすり合わせていくことが大事ですね。
インパクトと言っても、ベーシックをしっかりすることから始まります。接客をしながら美容師の個性とお客さまの個性をすり合わせていくんです。」

「接客にルールはありませんが、お客さまとの一定の距離感を保つことを意識して全体を見ています。例えば、若いスタッフとお客さまがあまりにも盛り上がりすぎているとき、隣の席のお客さまはどんな反応をしているか。話の内容は他のお客さまを不快にしていないか。とくにミセスのお客さまは店内の雰囲気や接客の質を重要視されることが多いので、ガヤガヤしていない、居心地の良い雰囲気を保つようにしています。
当店には、シャンプーのためにいらっしゃるミセスの方も多くいます。“子どもの頃から自分でシャンプーをしたことがなく、シャンプーは美容院でするもの”というセレブの方もいらっしゃいますが、多くの方は髪が寝てしまうというお悩みをお持ちで、根元矯正のためのシャンプー・ブローというオーダーを出されます。このご要望に答えるには技術が必要なのでトップレベルのスタッフが対応しています。髪のボリュームで印象が変わるため、3日に1回のペースでご来店いただく方もいらっしゃいます。」

マンネリ化させないために努力できるかできないか。接客は恋愛と同じ。

――幅広い層のお客さまを接客していくなかで、思い出深いエピソードはありますか？

「僕は美容師になって17年目になりますが、4年目にスタイリストになったときからずっと通ってくださっているお客さまがいます。8年前に僕がこの店を任せていただいた時、開店日に合わせてお花を贈ってくれたんです。その方は僕にとって、お客さまを超える存在ですね。」

「お客さまと長くお付き合いをしたいから、常に自分が変化し続けることを心がけています。考え方は、恋人同士と一緒なんですよ。マンネリ化させない努力が一番大事だと思っています。その意識があるかないか、そこが美容師の成長のキーポイント。これは常に意識しないと、気付いたら“昨日の続き”になっていますからね。」

作品づくりもWEBも、すべて自分たち力で表現していくのがCIRCUS流

――常に変化していくために、中野さんがチェックしているトレンド情報は何ですか。

「洋書をよく見ます。VOGUE、Lula、Palm、など。バチバチに決めているのではなく、遊びごごろのある雰囲気がCIRCUSっぽいかな。CIRCUSでは、自分たちの作品づくりやWEBにも力を入れているんです。作品づくりでは、ヘアスタイルに寄りすぎずファッション的に撮ることを心がけています。ヘアスタイルを一番見て欲しいから、雑誌などは寄りがちなショットが多いけど、CIRCUSでは全体の雰囲気のなかで生きるヘアスタイルをつくっていきたいと思っているんです。ロケにだっていきますよ。このショップカードはデンマークで撮影しました。」

「何年も試行錯誤しながら形にしてきたんです。撮影の技術も、ショットの配置も。
自分たちが本当に写したいところ・魅せたいカットを表現したいから、スタッフも全員Mac持って打ち合わせしますし、自主的にカメラもPhotoshopも勉強してます。CIRCUSはとくにデジタル分野の開拓に強いのが特徴です。これからも、やりたいことがいっぱいありますよ。それがCIRCUS流の“変化し続ける”ことかな。」

基本を大事にしながらも、常に新しい挑戦をし続けるCIRCUS by BEAUTRIUM。
スタッフのみなさんが、“表現のために努力を惜しまない”という姿勢が伝わってきます。

次回は、そんなスタッフさんたちの働き方やアシスタント制度についてご紹介します。

【サロン探訪・Back Stage 】『CIRCUS by BEAUTRIUM 青山』＃2 >>

この記事をシェアする