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学び・キャリア 2016-11-28

サロンを越えたサロンをつくる!NORAの取り組みとは?広江一也さんと、その仲間たち #2

1990年代後半の美容師ブーム。その真っただ中に美容師を目指し、当時東京・青山にあった〝日本一のサロン″で店長にまで上りつめた広江一也さん。カリスマJr.世代ともいえる5人の仲間とともに2007年4月、サロンを立ち上げます。それが今、表参道でもひときわユニークなサロン運営で注目のNORA HAIR SALONです。

その活動はサロンという枠に捕らわれない、とても自由なもの。店のエントランスにお花屋さんがあったり(移転前の店舗にて人気フラワーショップlogiとコラボ営業)、美容業界初、経産省が推進する「COOL JAPAN」事業のプレゼンを勝ち取り、香港でのイベントに参加したりと、サロンを越えた視点でとても興味深いものばかりです。

前回に引き続き、その活動の原点を㈱NORA代表取締役社長の広江一也さんにお聞きしました。

まったく自由な発想で異業種コラボを実現

「僕自身が、非建設的なことがキライなんですね。本当に小さな、取るに足らないようなことで、本来仲良くできるはずの人が仲違いをしたり、派閥をつくったり。裏でコソコソするとか、人として不義理なことはうちでは一切NGなんです。僕らはお客様をヘア&メイクでハッピーにして差し上げるために存在しているのに、そんなことをしていたら仕事さえしたくないですよね(笑) マジメな話、これはサロンを立ち上げるときに5人で話し合って決めたことで、今でもきちんと全員が守っています。

コラボレーションに関しても、それがお客様や自分たちにとって、本当に幸せなことなのか、を第一に決めています。ここに移転する前は、お花屋さんと一緒に営業していたのですが、やっぱりいいじゃないですか? イキイキとした緑や花に囲まれて仕事ができるって。商売としてもwin-winですよね。お互いにイメージがいいし、実際に長年のお客様の記念日にはスタイリストからお花をサプライズでプレゼントしたり、アシスタントがデビューしたときもスタッフ全員で花を贈ったり。プラスなことしかしないんです。

店内にアートを展示するのも同じです。普段、美術館に行く時間がなかなかないお客様もいらっしゃる。そこで若手を中心に現代アート作品を展示するギャラリーをサロンが兼ねる。若手アーティストは作品をより多くの人に見てもらうチャンスだし、僕らも作品からインスピレーションを受けて、ヘア&メイク作品の刺激になったりと、いいことづくめだと思っています。何よりサロンがスタイリッシュな空間に見えるでしょう?(笑)

NORA
NORAとNORA Journey両店では、サロン全体に若手アーティストを中心にした現代アート作品を展示。3か月に1度入れ替えながら、〝常時″鑑賞できるようにしている。移転前の前店舗からじつに8年以上続いている取り組みで、顧客にもすっかり「現代アートに囲まれた空間」ということが認知されている。

組む相手は自分たちで決める、という考え方

――企業とのコラボも積極的ですよね。

「メーカーというと美容業界との協力関係を連想しますが、うちはどちらかというと一般企業に目を向けています。SONYさんとのコラボレーションはNORAのスタッフがつなげた企画で〝ヘッドホンをつけた女の子はかわいい”をコンセプトに、実際に似合うヘアスタイルを提案して、サロンでイベント&ヘアショーもやりました。お客様もお招きして、業界関係者など400人くらい集まりましたね。盛り上がりましたよ。

面白いところでは、経済産業省の「COOL JAPAN戦略」として、2014年の2月、香港でのイベントに参加しました。プレゼンなど準備に3年間を要し、リッツカールトン香港で、花とオーダーメードスーツ とのコラボレーションによる日本の COOL&BEAUTYをヘアショーという形でアジアの富裕層に発信したのですが、そのご縁で現在NORA HAIR SALON内に『GLANCE』という、オーダーメイドのスーツやシャツを中心としたショップがShop in Shopという形態でコラボ営業しています。トータルコーディネートという意味で、スーツとヘアスタイルを融合させたわけです。最近では伊勢丹メンズ館とのコラボレーションイベントに参加しました。こちらは美容メーカーさんからの紹介でしたが、メンズカットは奥深く、とてもいい経験になりましたね」

――よくある業界でのヘアショーとかには参加しないんですか?

「参加していますよ。 でもそれだけではなく、他業種にもつねに目を向けていたいなと。最近では福利厚生の一環として、いろんな企業さんとコラボレーションさせていただいています。その一つの会社として、原宿で人気の『アイスモンスター』や『ビルズ』などの日本の総代理店であるトランジェットさんと組んで、社員の方にサロンを利用していただくということも始めました。表参道のサロンで髪を切りたいと思っても、実際はなかなか敷居が高いと感じているのが一般的です。なら、企業対企業として正攻法でアプローチして、うちのサロンで髪を切ってくださいと(笑)」

NORA
NORA
「ヘッドホンをつけた女の子はかわいい」をコンセプトにソニーと協賛。2015年秋発売のヘッドホンに合わせたヘアスタイルをつくり、アジア圏でその撮影データを使用する、というコラボレーション企画を行った。拡散のため、お客様やモデル、業界関係者を呼びイベントを開催。400名来場し、SNSで500万PV(1週間)という成功を収める。イベント後はサロン内にもヘッドホンと作品パネルを期間限定で展示。
NORA
「男である100の幸福」をテーマに伊勢丹新宿本店で人気ブランドやショップが集まるイベントを開催。NORAは「記憶に残る変身で男の新しい幸福を提供」というビューティーのブースに参加。

1日限りでヘアはもちろん、肌の色や眉などを変えて新しい自分発見をサポート。20代〜50代までの男性が、毎日たくさん来場し盛況だった。
TOKYO MEN’S FES 2016(伊勢丹イベント)
イベント公式サイト:
http://www.isetanguide.com/20160920/men-fes/

楽しいことを、仲間と一緒にするサロン

――まさにサロンを越えた、サロンですよね。

「好意的な方はよくそう言ってくださいますね(笑)僕らとしては、サロンだからこうやらねばならない、というのではなくて、美容師として人としてやりたいことをやりたいだけなんです。サロンだって一企業だし、美容師だって人ですし、働いている人とお客様が幸せになることに皆、異論はないはずです。みんなにとって幸せなことは何か。僕一人や幹部だけがいいと思うものを下の世代に押し付けるのではなく、価値観を共有できるまで、話し合う。全員参加型で、みんなで取り組む。こういうサロンがあってもいいよね、といつも自分に問いかけて、日々未来を見つめています」

ヘアサロンらしからぬ視点がユニークなNORA HAIR SALON、今後もその動向から目が離せません。

取材・文/山岸敦子
撮影/石田健一

Shop Data

NORA
NORA

NORA (ノラ)

代表の広江さんを中心に5人の実力派美容師により2007年オープン。
以来、着実に後進を育成し、今ではNORA HAIR SALONで17人、姉妹店のNORA
Journeyで8人のスタイリストが在籍。うち20名が新卒採用というから
いかに「人を育てる」サロンかがわかる。店内には新進気鋭の
現代アーティストの作品を展示。音響メーカーなど異業種とのコラボで
イベントを開催するなど、その動向が注目されている。

NORA HAIR SALON
http://www.nora-style.com/nora/
NORA Journey
http://www.nora-style.com/journey/

人が辞めないサロンをつくる!NORAの取り組みとは?広江一也さんと、その仲間たち #1>>

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