生意気だった新人時代。時間を使ってくれる先輩に出会い、「集団のなかの自分」を意識できるように「Lucky3349」DAIYAさん

東京・阿佐ヶ谷に店を構え、10年目となる美容室「Lucky3349」。赤い壁の派手な内観が特徴的で、かなり尖ったお店…かと思いきや、丁寧な接客、確かな技術でお客様に愛されてきたサロンです。

そんな「Lucky3349」に中途採用で入社し、現在は4年目となるのが店長のDAIYAさん。某有名サロン、フリーランスのアシスタントを経て、「Lucky3349」に転職しました。

1社目での新人時代の自分を「生意気だった」と振り返るDAIYAさん。先輩スタッフからはあいさつを返してもらえない、同期とも言い争いになるなど、入社当初はほかのスタッフとの人間関係は良好とはいえなかったそうです。

しかし半年が経ったころには先輩スタッフから認められるようになるなど、徐々に風当たりが変わっていったといいます。その影には、DAIYAさんが師匠と慕う、先輩スタイリストの存在がありました。

今回、お話を伺ったのは…

「Lucky3349」/店長・スタイリスト

DAIYAさん

美容専門学校を卒業後、某有名サロンに入社。師匠と慕う先輩が独立したのを機に、フリーランスアシスタントに転身する。以前から独立を考えていたため、管理職を経験したいと「Lucky3349」への転職し、現在は店長を任されている。

インスタグラム

くせ毛のコンプレックスを解消し、学校に行けるように

取材に応じるDAIYAさん

――美容師になろうと思ったきっかけから教えてください。

最初のきっかけは、中学生のときに髪型を変えることによってコンプレックスを解消できたというのが大きかったです。中学生のときいじめに遭っていて。いじめとしては軽いものだったのかもしれませんが、学校に合わない人がいたこともあり、1年ほど引きこもっていた時期がありました。元々くせ毛によるコンプレックスもあったので、自分に自信も持てなかったんです。

そんなときもおしゃれは好きだったので、さまざまな髪型を見て研究をしていたところ、襟足が長いウルフカットという髪型に出合い、これなら僕にも似合うかもしれないと思ったんです。少しおしゃれな床屋さんに行き、画像を見せてカットしてもらったらとても気に入り、それがきっかけで自分でヘアセットをするようになりました。自分の身だしなみを整えることによって、くせ毛のコンプレックスが解消されていき、結果的に学校に行けるようになったんです。

――美容によって、人生が変わったという感じですね。

はい。その前までは学校で不良っぽい人に絡まれるとおどおどしていたところがあったのですが、見た目が変わっただけでも自分に自信がついて、何を言われても気にならなくなりました。この体験が自分の大きな転換点になったと思います。

決定的なきっかけとなったのは高校生のときに、隣の席の友人Nくんにヘアセットをしてあげたところ、とても喜んでもらえたことです。自分がしたことで誰かに喜んでもらえるうれしさを肌で実感し、自分の好きなことで人を喜ばせたいと美容師の道に進むことにしました。

ちなみに今、Nくんも美容師になっているんです(笑)。僕はNくんとのやりとりがなければ美容師にはなっていないと思うし、Nくんも僕と出会っていなければ美容師の道には進んでいないと思うので、人との出会いは本当に面白いなと思います。

集団のなかの自分を意識。あいさつを返してくれない先輩にも認められるように

1社目に入社後は、師匠と慕う先輩スタイリストに認めてもらうために必死だったというDAIYAさん

――専門学校を経て、1社目に入ったのは有名サロンだったとのことですが、選んだ理由は。

高校生のときに何度も通っていたサロンでした。実家が千葉なのですが、その東京のサロンに2時間近くかけて毎月のように通っていたんです。美容師になると決めたときからさまざまな美容室に通いましたが、いつも戻ってくるのがこのサロンでした。

僕は父が会社を経営していたこともあって、高校生くらいのときからいつか美容師として独立したいと考えていました。自分の将来のステップアップを考えると名前が大きくて、お客様がとにかくたくさん来店される美容室で忙しく働いたほうが、活躍できるようになるのも早いのではないかと思ったんです。

――入社後はどんなことを感じましたか。

入社した当時は、僕が師匠だと思っているスタイリストに自分を認めてもらうために必死でした。当時在籍していたサロンは、チーム制をとっていまして、スタイリストと数名のアシスタントがチームを組んで施術を行っていました。チームを組む方法がドラフトのようにスタイリストから指名をされる仕組みだったのですが、その師匠に絶対に選んでもらいたくて。当時勤めていたサロンのなかで最もお客様ファーストで動いているスタイリストだと感じたからです。

――具体的にはどのようなことをして、その方に選んでもらったのですか。

師匠に毎日、朝と夜にシャンプー練習を見てもらう時間を取ってもらい、師匠のシャンプーの仕方、師匠の考え方、「イズム」ようなものを継承することを心がけました。僕がそれを継承しておけば、次にアシスタントが入ってきたときに師匠の時間を取ることなく、僕がそれを広めていけると考えたんです。

無事にアシスタントに選んでもらったときは、本当にうれしかったです。

時間を使ってくれた師匠のおかげ。集団のなかの自分を意識できた新人時代

自分に時間を使ってくれる師匠の存在によって、徐々にDAIYAさんの内面にも変化がでてきたという

――では順調な新人時代を過ごされていたのですね。

順調にいくようになったのは入社から半年が経ったくらいからで、それまではあまり順調だったとはいえなかったかもしれません。というのも僕が我が強いタイプだったので、個人としてではなく、集団のひとりとして仕事に取り組むことができず、乗り越えるのに時間がかかってしまいました。自分を通してしまうせいで同期とけんかをしたことも多かったですし、あいさつすら返してもらえない先輩もいました。

たとえば同期のなかでいつも出社するのが一番遅くて。同期から「なんでもっと早く来ないの?」と言われると、「別に遅刻じゃないんだから、いいでしょ」と言い返したり。僕の性格的にも打ち解けるまでは勘違いされることが多く、なかなかほかのスタッフといい関係が築けませんでした。

ただその後、半年ぐらい経ったときにはあいさつを返してくれない先輩からほめてもらえたり、同期との仲も深まっていった気がします。

――どのようにして状況を変えたのですか?

仕事の姿勢自体は入社したときからずっと変わらなくて、やるべきことに対して誰よりもきちんと取り組むことを心がけました。結果を出せば、誰も文句は言えないだろうと考えていたので(笑)。ただ自分の内面を変えてくれたのは、やはり師匠の存在が大きかったと思います。

当時の僕は本当に生意気で、納得できないことがあるとよく反論をしていたのですが、師匠は僕が納得するまで何時間もちゃんと説明をしてくださる方で。何回もそういったことを繰り返すうちに、自分の生意気だった部分が変わっていったと思います。自分も集団のなかの一員なんだ、最高のパフォーマンスを提供するには集団という軸も意識した動きをしなければいけないと思うようになったんです。

――先輩がそんなに時間を使ってくださるというのは、なかなかないことですよね。

本当にそう思います。その後、師匠がフリーランスとして独立する際に、自分もついていくことになり、サロンを退職しました。自分で納得してついていったのですが、フリーランスの師匠に毎日アシスタントとしてつけるわけではなかったため、自分でカットモデルさんを呼んで収入を得たり、それ以外にも、ウーバーイーツなどのアルバイトを掛け持ちしたりしていました。

しかし師匠からは大切なことをたくさん教わり、感謝しかありあませんし、自分の選択を後悔したことは一度もありません。将来的に独立することを考え、管理職に就く経験は必須だろうと思い、「Lucky3349」に転職しましたが、今でも心から尊敬し、感謝している先輩です。


後編では「Lucky3349」に入社したあとの新人体験について伺います。入社からしばらくして、若くしてガンを経験したDAIYAさん。闘病生活中に美容師への思いが少し変化し、現場復帰後は肩の力を少し抜いて仕事を楽しめるようになったといいます。また人間性の部分で壁を感じることも多かったといいますが、社長から指摘を受けることで、徐々に成長できたそうです。

後編もお楽しみに!

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Lucky3349
東京都杉並区阿佐谷南3-34-9
03-6873-6158

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