上原桃子 interview:わたしは出会うべくして、出会った「エステティック」の世界
「嫌なことがあっても、仕事に入れば忘れてしまう!」というほど、エステティックという仕事を愛している上原さん。今でこそ好きでたまらない仕事でも、初めは迷い、悩み、一旦は転職もし、最終的に戻ってきた。だからこそ語られるエステティシャンという職業への熱い思いを語っていただきました。
なんとなく進んだ学校でエステとの出会いが
「高校生の進路を考える時期に、何もやりたいことが見つからなかったんです。勉強するのが大嫌いだったので進学はする気がなかったし、就職するにも仕事なんて思いつかないし。さてどうしようと考えた時、その時に自分が興味があったものが美容だったんです。その後、違う業界に就職したとしても美容だったら自分の無駄にはならないな、とか軽い気持ちで、メイクの専門学校へ入学しました。
学校では、メイクの勉強の他にエステや髪の毛の扱い方などの選択授業がありまして、私はエステの授業を選択しました。これが、すごく楽しかったんです! メイクの勉強も楽しかったのですが、エステはそれを上回る楽しさでした。肌理論などの座学も実際に手を動かす実技も楽しくて楽しくて、夢中で勉強しました。高校勉強はあんなに嫌いだったのに(笑)! エステの勉強の何が楽しかったのかというと、『元の肌を磨く』という、答えが決まっているけど決まっていないところでしょうね」
こんなに好きになれることが見つかった喜び
「とはいえメイクの専門学校だったので、主な勉強はメイク。就職もメイク関係にするべきかな…と思っていた時、学校から、バイトでもいいからメイクの現場に出るように言われ、在学中にサロンでアルバイトを始めました。私が行ったサロンは、フェイシャルエステを行った後メイクを施して差し上げお帰りいただくというサロンでした。そこはたまたまフェイシャルエステだったので、もともとお客さまの期待値も違っていたのかもしれません。でも、エステ・メイクとそれぞれの施術後のお客さまを見ると、お客さまのお喜びの度合いが全然違っていました。
やはり『自分の肌がきれいになる』ということに対する喜びはお客さまの気持ちが全然違う。最初はメイクアップアーティストとして働いていたのですが、エステティックという仕事の魅力に取りつかれてしまいました。そのため、アルバイト先ではエステティシャンとして修業させていただきました。
やりたいことがみつからないままに入った世界だったのに、こんなに自分が好きになることができたということが、びっくりするくらい楽しかったです。学校を卒業後、美容整形外科のエステティック部門にエステティシャンとして就職しました」
他業種へ転職し、迷いが吹っ切れた
「ところどころ迷いはありました。本当にこの仕事でいいのか悩んだこともあって、ちょうどその時少し身体を痛めてしまい、ダイエットカウンセラーに転職しました。それは電話でお客さまのお悩みに答える仕事。座って行う仕事なので身体の負担も少ないだろうと考えてのことでした。ところが、座ってるだけだから楽だなんて大間違い! ストレスが溜まること溜まること(笑)! 私にとって仕事の喜びとは、お客さまと実際にお話してお身体を触らせてもらうことだということに、そこでようやく気がついたんです。恥ずかしい話ですがすぐに辞めてしまって、総合エステティックサロンへ再転職しました。そのことがあったので、もうエステティシャンを辞めることはないと思います。この仕事を一生続けていきたいと思っています。
お客さまに入っている時って、不思議なんですけどプライベートで嫌なことがあっても忘れられるんです。もし私が人と話すことが好きなだけだったら電話の仕事でも問題なかったと思います。でも、お客さまとお話して、お身体を触らせていただいて、お気持ちを軽くして差し上げて、笑顔で触れ合える。この楽しさは、絶対に他の職業では得られないですね」
続ければ続けるほど楽しくなる仕事
「身体の負担は職業病みたいなものですね。常に向き合っていかなくちゃいけない問題です。腰は何度も痛めて、最初の頃は病院へ通いながら出勤することもありました。でも、身体の使い方が分かってくると疲れにくくなってきますし、痛みを軽減できる力の入れ方などが身についてきますから、それほどの問題にはならなくなってきます。どの仕事でもそうだと思いますが、自分のボディメンテナンスは仕事の1つですから。
エステティシャンって華やかなイメージが強すぎて、夢と憧れがふくらみすぎる職業なのですが、体力はすごく使うし、休憩時間も少ないし、細かく気を使わなければいけないし、技術職ですから上下関係もすごく厳しい。なりふり構わずみたいなところもありますね(笑)。でも、それを上回る楽しさは言葉で言い表せないほどです。何よりも、お客さまの距離が近いこと。ただ美しくするだけではない、お客さまとの信頼関係を結べることが嬉しいですね。私は、時間とともにどんどん、一昨年よりも去年、去年よりも今年の方が、お仕事が好きになっています。続ければ続けるほど楽しくなって、早く仕事に行きたくてたまらなくなってしまうんですよ(笑)」
お客さまの「痩せたい気持ち」の背景に向き合いたい
「なぜ痩身メインのサロンにしたかというと、痩身は、『美容と健康』に密着していると考えているからです。痩身はビューティと健康の基本の部分なんじゃないかと思っています。痩身に来るお客さまにはお悩みがディープな方もたくさんいらっしゃいます。ただ痩せたい、きれいになりたいと願う前に、その背景にはいろいろな辛い出来事があります。私はそこに向き合いたかったんです。身体の悩みから始まって、お家の悩み、人生の悩みに繋がっていく場合もある。そういうお客さまに『上原さんで良かった』と言っていただけるとすごく嬉しいです。
エステは敷居が高く感じられて、『自分が行ってもいいのかな…』と二の足を踏んでいる方がすごく多いんですが、そういう方にこそ来ていただきたいです。安心して帰っていただく自信はあります!」
痩せない原因の一つは睡眠不足などのライフスタイル
「このサロンでは、マシンでの施術をメインに簡単な食事指導なども行っています。ただお客さまの生活パターンが全然違うので、無理のない範囲でのアドバイスに留めています。お腹痩せを希望するお客さまも多いですが、もしスナック菓子などで夜食を取るとこが習慣化されているなら、味付け海苔がおすすめですよ。ミネラルも取れますし、パリパリとした食感も似ていて満足感があるでしょう。そういう風に代用品でごまかしつつ、ゆっくり改善していくといいですね。
あと、面白いものでは『睡眠セラピー』というコースがあります。これはホットオイルを使ったマッサージと睡眠を誘うツボを押していくもの。マシンを使って効果がない方のカウンセリングをしてみると、暴飲暴食などのライフスタイルの部分ももちろんあるのですが、根っこの部分はだいたい睡眠不足なんですね。睡眠ダイエットというやり方もあるように、睡眠と痩身は関係性があります。睡眠不足になるとお肌にも良くないし、お腹がすきやすくなりますし、身体のバランスが崩れてしまうんです。今は3人に1人は睡眠不足と言われる時代。リラクゼーションの一環として取り入れたコースなんですが、やみつきになってしまう! と仰る方もいらっしゃるほど人気なんですよ」
『察する』スキルの磨き方
「私が常々気をつけているのは、『感じていることを言葉にはしないお客さまが多い』ということ。寒いとか痛いとか枕が高いとか、そういう事を『なんとなく不満』としてしまうお客さまがとても多いんです。エステは癒しを提供する場所なので、せっかく技術が良くても『なんとなく雰囲気が悪かった』では台無しになってしまいます。なので、エステティシャンを志す方は『言わなくても察する』スキルを身につけましょう。それには、自分が感じたことを分析することです。お友だちと食事に行った時のお料理が運ばれてくるタイミングだとか、お洋服を買いに行った時のスタッフさんのお声がけだとか、自分にとって心地良い時、悪い時、それはなぜかと考えることがすごく勉強になります。
『なんとなくイイ感じ』ということは、すごく大切なこと。いい気持ちになった時、それをただ『気持ち良かった』と流すのではなく自分に落とし込んでいく習慣をつけると、接客がどんどん磨かれていきますよ」
最終的に、身も心も美しいエステティシャンに
「独立して良かったな、と思う時は、お客さま一人ひとりにじっくり取り組む時間ができたことですね。お客さまの来店動機や目的はそれぞれ違うので、その人に一番合ったサロンを選び、積極的に活用していただけるといいですね。
これからエステテシャンになりたい方は、あまり夢を描きすぎないことがポイントでしょうか(笑)。モデルさんがどんどんファッションセンスが磨かれていくように、エステティシャンもどんどん美しくなれる職業です。美容法やダイエット法を勉強して研究しますから、世の中にある美容情報の数々に流されず、お客さまにも、そして自分にも一番合うものを選び取ることができるようになり、すごく綺麗になれます。もちろん、お客さまに引き上げてもらう部分もたくさんありますしね。
ただ、煌びやかな中にも厳しいことや細かいことがたくさんあります。技術や知識は当たり前に勉強していかないといけませんし。『自分もキレイになれる仕事』というキラキラしたところにフォーカスして就職してしまうと、現実とのギャップが激しいかもしれません。初めのうちはそのイメージを超えることができなくて、壁には必ずぶち当たると思います。でも、その時に諦めず、投げやりにならず続けていけば、必ず最初にイメージした通りのエステティシャンになることができます。それを信じて、身も心も美しいエステティシャンになってほしいと思います。大丈夫、絶対になれますよ!」
Profile
上原 桃子(うえはら ももこ)さん
日本ホリスティックセラピストアカデミー マタニティセラピスト取得
日本能力開発推進協会ダイエットインストラクター取得
医療福祉情報実務能力協会 メンタルケア心理士取得
トータルエステティックサロン、美容整形外科インストラクターを経て、自身のサロンをオープン。
痩身をメインに『結果を出す』サロンとして会社員からモデル・芸能人まで、幅広い顧客のニーズに応えるかたわら、心理士として「美」を保つためのメンタルケアも行っている。
Company
Nano Slim
上原さんがオーナーを務めるフェイシャル&ボディケアサロン。
痩身をメインに、リラクゼーション、マタニティ、フェイシャルなど様々な悩みに対応する。
汐留の高層ビル29階にある豪奢な空間でカウンセリング時間をたっぷり取った贅沢な時間を過ごす、まさにプライベートサロンならではの魅力を堪能することができる。
長期契約・販売営業などは一切行わないシステムも安心。
最寄駅:汐留駅 徒歩2分、新橋駅 徒歩6分
※完全プライベートサロンのため、所在地詳細はご予約時にお知らせいたします。
HP:http://www.nano-slim.jp/
お問い合わせ・ご予約はメールにて。
nanoslim.mail@gmail.com