先輩に反発しがちだった新人時代。冷静でいることが良好な人間関係を保つ「GRAND」平島歩さん

「新たな運命に輝きを生み出す」というコンセプトのもと、巧みな技術力と接客力でお客様からの人気を集める「GRAND」。高評価の口コミを多く獲得している表参道のヘアサロンです。

今回は、入社5年目でスタイリストを務める平島歩さんに、新人時代の経験についてお話しを伺いました。前編では平島さんが美容師を目指そうと思ったきっかけや、アシスタント時代についてお聞きしました。

後編では、平島さんがスタイリストになってからのキャリアについてお話しを伺います。アシスタント時代は接客中にお話しすることが少なく、無愛想に見えると先輩に注意されたこともあるという平島さん。先輩のヘルプに入るときにやわらかい表情やトーンを意識した接客を繰り返し、デビュー時には上手くコミュニケーションをとれるようにしていたそうです。

今回、お話を伺ったのは…

「GRAND」スタイリスト

平島歩さん

長野県出身。東京総合美容専門学校を卒業後、「GRAND」に就職。現在入社5年目でスタイリストを務める。自然体でも可愛く仕上がる「ナチュラル可愛い」スタイルが得意。

インスタグラム

無愛想に見えるといわれた接客。やわらかな表情とトーンを心掛けて改善

――スタイリストになったのはいつごろでしょうか？

入社4年目のときです。モデルカットで経験を積んでいたので、人の髪を切ったり、カラーしたりすることに不安や恐怖心は抱かないだろうと自分で思っていました。でも、スタイリストになって初めてお客様を目の前にしたときに、指名のない方だったということもあり、少し怖気づいてしまったんです。施術は無事に終えることができ、お客様にもすごく喜んでいただけたのでいいスタートだったと思います。

――デビューに向けて準備したことは何ですか？

接客ですね。アシスタント時代の僕は接客中にお話しすることが少なく、無愛想に見えると先輩に注意されたこともありました。スタイリストになるとお客様と接する時間が増えますし、自分の接し方次第でお客様が過ごす時間の価値も変化するので、上手くコミュニケーションをとれるように鍛えていました。

――具体的にどのような練習を？

先輩のヘルプに入るときに、やわらかい表情やトーンを心掛けて接客していました。また、カウンセリングの仕方を先輩に見てもらうこともありました。「第一印象が大切」という先輩のアドバイスは、接客をするうえでとても意識しています。

冷静なコミュニケーションが人間関係を保つ

――新人時代に悩んだり、辛いと感じたりすることはありましたか？

ありませんでした。というのも、当時の僕は生意気でストレスを感じたり、納得できないことがあったりしたときは、先輩であってもよく反発していたんです。それが発散につながっていたので悩みや辛さはありませんでした。ただ、一方で先輩との関係が少しギクシャクすることはありましたね。

――平島さんなりの良好な関係の築き方を教えてください。

後輩にもよく言っていますが、冷静でいることが大切です。例えば、先輩に仕上がりを見てもらう際、指導を行う側も、受ける側も、仕上がり具合やアドバイスをきっかけに感情的になってしまうことがあるはずです。でも、そんな状態では建設的な話しができず、成長につながりませんし、関係も悪化してしまいます。

感情的になったときはクールタイムを挟み、常に冷静な状態を保ちながら接することを心掛けると、周りといい関係を維持しながら働けるかもしれません。

――新人時代のモチベーションは何でしたか。

いつか自分の親の髪を切りたいという思いがモチベーションでした。美容師になる前からスタイリストになったら髪を切ってあげると親と約束していたんです。新人時代を過ごすなかで、つまずいたり、嫌なことがあったりしたときなどに度々思い出していました。

バズっている人の真似をすることが発信のコツ

――SNSでバズった経験があるそうですが、発信のアドバイスをお聞きしたいです！

SNS初心者の方であれば、バズっている方の投稿の真似をすることから始めてみるといいかもしれません。編集の仕方や題材などは何でもいいと思います。

あとは、悩みに根付いた投稿もおすすめです。実際に僕も意識していて、お客様から聞いた悩みの解決法などを投稿しています。同じ悩みを持つ方は必ずいらっしゃいますし、自分事として考えて視聴しやすいので、リーチにもつながりやすいのではないかと。

――振り返ってみて、新人時代に取り組んでおけばよかったことは？

もっと練習しておけばよかったと後悔しています。現時点では技術に不安はないのですが、練習量を多くしていたら今の時点でもっと上手くなっていたでしょうし、早くデビューできていたのではないかと思うんです。

あとは、もう少し早い時期からSNSを稼働させておけばよかったです。アカウントを育てるには時間がかかると言われています。アシスタント時代から、モデル入客したお客様の写真を載せたり、カウンセリング風景の動画を投稿したりしていたら、SNS集客をもっと伸ばせていたのかなと思います。

――最後に、これから美容師になりたい方へのメッセージをお願いします。

サロン探しをしている方のなかには、人間関係への不安を抱いている方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。僕は、人間関係は結局のところ自分次第だと思います。しっかり学び、働いていれば指摘を受けることもないでしょうし、指摘されたとしても反発せずにそこから改善していけば関係が悪化することはないと思います。周りと良好な関係を築き、美容師として着実に成長していってほしいです。

平島さんが充実した新人時代を送れた3つの理由

1.先輩に練習を見てもらい、我流にならないように技術を磨いた

2.やわらかい表情とトーンを意識してヘルプに入り、接客力を鍛えた

3.親の髪を切ることを目標に、高いモチベーションを持って過ごした

自分のペースで着実に成長してきた平島さん。先輩に指摘された技術や接客はしっかりと反省し、改善に向けてひたむきに努力する姿勢は参考にしたいと思いました。これから美容師として活躍したい人は参考にしてみてくださいね。