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手塚佳子 interview:女性がしっかりと花開く、「エステティック」という仕事

東大卒、ミス日本グランプリ、そして研究職からTBCグループの代表取締役へ。「才色兼備」という言葉そのままに、美と健康のプロフェッショナルとしての道を歩んできた手塚さん。『美』の追求という真摯な探究心と、その裏側にある「女性を輝かせたい」という熱い思いを、リジョブ読者に語っていただきました。

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『むちむちむっちゃん』のあだ名に大ショック

手塚 圭子さん

「大学生になった時、親元を離れて初めて一人暮らしをして、朝はパンを2枚、夜はご飯2膳、それと好きなものを好きなだけ食べていたら、みるみるうちに太ってしまったんです。スカートも入るものがなくなって、ウエストゴムのものばかり。

そうしたら、ある日、友だちが私のことを『むっちゃん』と呼び始めました。名前とは全然関係ないのになんで『むっちゃん』なんだろう、と聞くと、『ムチムチしているから』との答えが。それはそれはショックでした。なのに『むっちゃん』で定着してしまったんです。女子大生で周りはみんなキラキラしている時期でしたから、恥ずかしくて恥ずかしくて。そこでダイエットを始めたんです。

最初は食べないダイエットなども行いました。でもそれは失敗。私はダンスのサークルに入っていたのですが、食べないままでダンスの練習をすると、フラフラになり、気持ち悪くなり、しまいには手が痺れてきたりしたんです」

1年で10kgのダイエットに成功!

「食べないダイエットは危険だ、ということを身を持って感じ、食べながら痩せる方法はないか模索しました。ダイエットで有名な和田静郎先生(※ミス日本コンテストを主催する和田研究所の創始者)の著作を読み、さらに自分なりに考えて、炭水化物の量を半分に減らしました。具体的には、パンとご飯を半分にしたのです。朝のパンは1枚、夜のご飯は1膳。その他は普通に食べて、運動もサークル以外に増やしたりはしませんでした。

ダイエットを始めてからは、毎日体重を手帳につけていました。数値はほとんど変りませんでしたが、続けていると、少しずつ痩せていっているのがわかるのです。1ヵ月続けたら1kg減りました。1年続けてみたら、10kgくらい痩せたのです。いつの間にか『むちむちむっちゃん』からは卒業していました。

ダイエットは短期間で結果を求める方が多いのですが、短い期間で痩せるとリバウンドも早いでしょう。無理せず長く続けられて、習慣にできるくらいのものにしたら見事に結果が出たのです。結果が出ると気持ちが明るく変わりました。気持ちが変わる――、このことが、私の人生をガラリと変えることになったのです」

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美と健康を追求したい

サロン

「太っていた頃は人に会いたくないし、写真に写るのも嫌だし、そんなだから友だちとも遊びに行かないし、一人でいるのが楽になって、引きこもりみたいな生活でした。ところが『ダイエットに成功した』という自信からか、何にでも積極的になってファッションにも興味が出て、人と会うのも楽しくなりました。それで、記念にミス日本に応募したところ、なんとグランプリをいただいてしまいました。きれいになるということは、単に外側の見栄えが良くなるだけではなく、性格や生き方を、ひいては人生までも変えてしまう。すごいことだなと身を持って知りました。

大学の専攻は保健学。もともと人間の健康科学には興味があったのですが、健康というものを考えた時に、その延長線上に美しさがある気がして、あるいはその2つは一体なのだろうという気がして、『美と健康』を追求していきたいと考え始めたのはその頃です。しかし、その時点ではまだ仕事にしようとは思っていませんでした。

卒業後、最初に就職したのはNHKの中の庶務です。まだ女性の仕事は事務がメインという時代。ところが研究三昧の自分には事務は馴染めなくて…。恥ずかしい話ですが、半年で退職してしまいました」

今までの経験が一本に繋がり、転職を決意

「その後、フリーのキャスター、国際協力機構と仕事を変えました。その頃、TBCに客としてフェイシャルコースに通っていて、脱毛コースを見つけました。まだ美容電気脱毛はあまり知られていない時代です。本当に脱毛されるのかと半信半疑だったのですが、ワキの脱毛を受けてみてとても感動したのです!

本当にムダ毛が生えてこないし、自己処理よりも脱毛後の肌はきれい。この理論は一体何だろう? と思い、東大の医学図書館に行って調べたところ、この脱毛方法は1875年にアメリカの眼科医が、逆さまつ毛の治療に用いた方法であることが確認できました。これは本当に医学的に確立された技術で、美容用の脱毛器も開発されアメリカでは広く行われていることだということが分かり、それでTBCという会社を信頼できるすごい会社だと思ったんですね。

その瞬間、自分がダイエットをして人生が変った経験と、大学時代に研究した健康科学の知識などが一本の線で結び付きました。『きれいになる』ということは、その人が本来持っているものを輝かせるということで、女性には絶対必要なもの。その全てがエステティックにあるとスッと理解できて、私の一生を賭ける仕事はこれだと確信しました。そしてTBCへ転職を決意したのです」

具体的な『美』を研究する道へ

手塚 圭子さん

「TBCへ入社した直後は、エステティシャン養成校で解剖生理学や皮膚科学など、医学的な知識を教えていて、その後研究所に異動しました。医学はどんどん研究されていますが、エステティックという『美』の分野ではその効果検証などはまだ手つかずの状態でした。TBCは、業界唯一研究所を持っているエステティック企業なので、そこも転職の決め手となりましたね。

研究所は、コスメ・食品、美容技術、美容機器の開発部門と3つあり、たとえば美容技術では、シェイプアップに効果的なエステティックマッサージの技術開発や皮膚科学に基づいたハンドテクニックの開発など、科学的なアプローチを行っています。特に商品に関しては、サロンスタッフのアイデアを拾い上げて開発につなげているので、お客さまの声も届きやすいですし、現場のやりがいにも繋がる仕組みになっています」

エステティックはこころもからだも元気にする

「私は保健学博士と医学博士の、2つの学位を持っています。研究者としての発想は、今の仕事にすごく役に立っています。

TBCにて3ヵ月間で痩せるダイエットモニターを募集したことがあるのですが、骨密度のチェックにも協力していただきました。通常、急激に体重が落ちた場合は骨密度も落ちるのですが、TBCでは運動指導も行っているので筋力も鍛えられ、四肢の骨密度は増えていました。それも学会で発表しましたが、正しいダイエットなら健康維持は可能だと、データによって裏付けられました。

また、濃い口ヒゲに悩んで、脱毛に来られた女性のお客さまに、ご本人の了承を得て心理状態のテストを行いました。脱毛前では抑うつ的な傾向や自己防衛的な傾向が強かったのですが、脱毛後は正常範囲に戻りました。何よりご本人が明るく元気になり、見違えるほどキレイになったのです。それも学会発表させていただきました。エステ技術により、肌状態の他に心理的に与える影響もとても大きいことがデータで実証されているのです。

これからもっと高齢化が進むでしょう。身体の健康維持ともに、心の健康にもエステティックはすごく有効です。お客さまの状況に合わせてうまく活用していただいて、身も心も美しくなっていただけたら、こんなに嬉しいことはありません」

スランプ克服のカギは『好きなことに夢中になる』

手塚 圭子さん

「研究をしていてスランプに陥ることはもちろんあります。なかなか思うような結果が出ず、今までやってきたことが無駄に思えて、投げ出したくなったことも。そんな時、私は気分転換に趣味の世界に没頭します。着物が好きで、着付けや和裁をやっていますが、夢中になっているうちにフッと仕事のひらめきが降りてきて実際に論文を書きあげたこともあります。今夢中なのはフルコンタクトの空手。ケガをしたり(指を骨折したことも…)しながら、黒帯を取ったんです(笑)。

現代女性はストレスも多いでしょう。あまり思いつめずに、自分が夢中になれることを見つけるといいんじゃないでしょうか。悩んで時間が過ぎていくのは勿体ないですものね。もし仕事で注意されても気を落とさずに、自分が成長できるチャンスを与えてくれた、と感謝の気持ちを持つクセをつけると、ストレスに感じなくなります。そうやって大変なことをいくつも乗り越えていくと、自分がすごく成長して強くなっていることを実感できます」

女性が花開く、エステティックという仕事

「私は、日本抗加齢医学会にも所属しています。平均寿命が延びた現在、自分自身の『加齢』に対して健康保持は医学的な面からみても重要課題です。エイジングケアはいつから初めてもいいし、またいつからでも遅くはないです。時間をかけて身体と心に働きかけることによって、いつまでもいきいきと元気でいられたらいいですね。

健康に根ざした美しさを考えた時、エステティックは切り離せないと思います。エステティシャンはその一端を担う仕事。今、エステの現場にいる方は誇りを持ってくださいね。エステティックはヨーロッパ発祥ですが、技術の素晴らしさは日本のエステティシャンが世界一だと思っています。きめ細やかな配慮やタッチの優しさなど、日本人がもともと持っているおもてなしの心に加えて、教育もトップレベルですから。また、TBCには再雇用制度もあるので、技術を身につければ結婚や出産などで一時退職しても復帰することが可能です。やればやるほど技術が磨かれていきますし、キャリアを積めば積むほどお客さまから信頼され、より必要とされます。これ以上の仕事はないと思うくらいに素晴らしい(笑)。

もしエステティシャンになりたいと考えている方はぜひチャレンジをしてみてください。きっと、素晴らしい世界が広がっていきますよ」

Profile

手塚 圭子さん

手塚 圭子(てづか けいこ)さん

一般社団法人日本エステティック業協会理事
経済産業省「健康サービス産業創造研究会」委員
日本抗加齢医学会 アンチエイジング指導士

東京大学医学部保健学科卒業。第9回ミス日本グランプリ受賞。TBCビューティ&ライフ研究所所長として医学的にエステティック業界に携わり、2010年TBCグループ株式会社代表取締役に就任。
『キレイのきほん』『美人のつくりかた』など著書多数。

Company

ロゴ

エステティックTBC・メンズTBC・脱毛サロン「エピレ」

脱毛・フェイシャル・ボディのコースで女性の美をトータルサポートする総合エステティックサロン。美しさへのまっすぐな姿勢と責任感で、常に先進的なビューティトレンドを発信している。男性専用の『MEN’S TBC』にも、脱毛・フェイシャル・ボディのコースがあり大好評。
また、創業時から社会保険の整備、研究所の設立など、エステティックの社会的地位向上にも力を注いでいる。
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