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サロン初のママ美容師として道を拓く!BRIDGE 藤中妙さんの美容道#1

美容師の男女比率は、専門学校の就学時も含めて女性が圧倒的。ですが世の中で活躍している美容師は男性が多いのが実情です。いつの頃からかサロン経営が組織化し、昔のような女性店主が1人で切り盛りする店が古き良き時代のものとなっている今、女性美容師が結婚や出産、子育てをしながら働くという環境づくりは業界全体の課題ともいえます。

そんな中、原宿・青山のトップサロンで“子育てをしながら”働いてきたのがBRIDGE(ブリッジ)に所属する藤中妙(ふじなか・たえ)さんです。その今までの道のりを聞きました。

カリスマ時代、4年半でスタイリストに

美容学校を卒業後、一店舗を経て’97年にBRIDGEの前身であるARTIS SALONに入社した藤中さん。時代はまさにカリスマ美容師ブーム。オーナーの西本昇司さんは当時から雑誌の撮影などで活躍し、サロンには連日お客様が溢れていたといいます。「雑誌がやりたい! と青山で働き始めたのですが、アシスタントと同時にプレス(雑誌社などの窓口)も兼任していたので、営業中に過労で鼻血を出してしまったり(笑)、夜寝ていても夢の中で仕事をしているかのような、そんな過酷な毎日でした。仕事はもちろん楽しかったのですが、とにかく早くスタイリストに昇格したい一心で、24歳でデビューできたときは本当にうれしかったです」

雑誌に載るだけでお客様がたくさん来店していた時代。「スタイリストとして仕事ができるのが毎日、本当に楽しくて」と、美容師は天職とばかりに張り切っていた藤中さん。数年後には2店舗あるうちの1店舗で店長に抜擢されるなど、持ち前の明るさと責任感で徐々に頭角を現していきます。まさに美容師として絶頂期だったわけですが「自分の中でずいぶんと若い頃から“28歳で結婚して30歳までに一人生む”と漠然とした目標があったんです」そしてその後、本当にその目標を遂げてしまったのです。

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29歳のとき出産した長女と、その3年後に生まれた長男。子育てはまさに格闘で、さまざまなことをあきらめなければならない連続だったそう。

有言実行? 2児の母になる!

以前から交際していた会社員の男性と28歳で結婚した藤中さん。オーナーを除く、サロンで初の既婚者となりました。「その年に母が他界したこともあって入籍だけしていたのですが、お店のスタッフが私に内緒で手づくりのパーティを開いてくれて……本当に感激しました(泣)」 それから1年も経たないうちに妊娠が発覚。「できたとわかったとき、サロン内でも初だったので、さすがに迷惑をかけるかなぁと思っていたら、“体が第一だから自分で勤務体系を決めていいよ”と言ってくださって」“妊婦さん”としての営業がスタートします。

朝のサロン清掃を免除してもらい、開店直前の朝礼から参加。日中は今まで通りに予約を入れていましたが「徐々に体がきつくなって、上の子のときはつわりもあったので、予約が入っていないときはスタッフの控室で、タオルに囲まれながら眠っていましたね(笑)」つわりもおさまり、自分のお客様を後輩や同僚に紹介するなど引き継ぎを終え、出産予定日の1カ月前から産休を取得。ご主人の実家で無事、出産したあとは東京に戻り、子育てをしていたといいます。「できるだけ早く復帰したかったので、保育園を探しました。でも認可保育園はやはり難しくて、結局、住んでいる市の認定保育園に1歳前から預けることにしました」 

母になって知った“割り切る”という潔さ

11カ月の産休を終え、復帰した藤中さん。「働き方は自分で決めていいということだったので、サロンが始まる11時から夕方の5時まで働いて、6時に保育園にお迎えへ行っていました。土日は保育園が休みで主人も出勤のことがあり、最初はなかなか思うように自分の仕事を入れられませんでしたが、平日の朝、子どもを保育園に預けて1人で電車に乗って原宿へ行くという解放感でいっぱいでしたね(笑)オンとオフの切り替えと言うか。その後、二人目を妊娠したときもそうでしたが、メイクしておしゃれをして原宿で働ける、美容師を続けられるというのが、本当にありがたいと思いました」 

ただその分、あきらめたことも多かったと藤中さん。「まずは働く時間ですよね。以前のお客様全員を担当したいけれど、自分は限られた時間しかお店に立てない。私の元に戻ってきてくださった方もいましたが、中には仕事帰りや土日しか来られないという方もいて、かなりの人数のお客様をあきらめました。大半の方は今も同僚が担当しているのでそれはそれでいいのですが、売り上げは激減するし最初はかなりへこんでいました(笑)でもあるとき腹をくくったんです。美容師のキャリアを保留にしても、美容を続けていられることが幸せだと考えるようになりました」

原宿のトップサロンで初の“ママ美容師”となった藤中さん。彼女のその後の奮闘ぶりはまだまだ続きます。次回、第2弾をお楽しみに!

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明るく、いつもはきはきと元気な藤中さん。オーナーや同僚も認める、ムードメーカーとして、サロンで欠かせない存在です。

取材・文/山岸敦子
撮影/石田健一

Salon Data

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BRIDGE(ブリッジ)

“カリスマ美容師”の一人として業界で活躍する西本昇司さんが率いるサロン。スタイリッシュな店内からもわかるように、“アオハラ”で20数年に渡り、おしゃれ感の高い、エッジーなスタイルを提案し続けている。
藤中さんはサロンの創業当初からのメンバーで、女性美容師の中で第一号のママ美容師として今も活躍。ときに“サロン内の起業戦士”としてさまざまな提案を行っている。

http://artis-salon.com/home.html

ママ美容師の視点から起業へ! BRIDGE 藤中妙さんの美容道 #2>>

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