同業者に認められる美容師を目指して──どんなに多忙でもチャレンジを継続【MINX aoyama 和田流星さん】#2
サロンワークのみならず、メディア出演や国内外のカットセミナー、ヘアショー公演なども行う「MINX」。予約サイトにて美容室の人気ランキング1位も獲得する、美容業界の第一線を走るヘアサロンです。その青山店でトップデザイナー・副店長として働くのが、入社9年目の和田流星さん。
前編では和田さんが美容師を目指すきっかけから、アシスタント時代の経験についてまでお話をお聞きしました。
後編ではスタイリストになってからのキャリアや、美容師の仕事をするうえで大切にしていることについて伺います。どんなに多忙でも依頼された仕事は受けるという和田さん。その背景には、高校時代に「和田はやればできるのにやらない」と指摘され、試しに勉強を本気で取り組んでみたところ、下から10番目だった学年順位が5位まで上がったという成功体験があるそうです。
今回、お話を伺ったのは…
「MINX aoyama」トップデザイナー/副店長
和田流星さん
北海道出身。北海道理容美容専門学校を卒業後、2017年に「MINX」へ入社。現在入社9年目で「MINX aoyama」で副店長を務める。メディア実績多数で、2024年12月には「カミカリスマ2025」を受賞。
作品撮りの経験がカミカリスマ受賞にまでつながった
――スタイリストとしてデビューされたのはいつですか?
4年目となる2021年の1月にデビューしました。
――スタイリストの仕事において、特に活きている過去の経験は何ですか。
作品撮りです。「MINX」ではデビュー前に10スタイルの作品を提出しなければいけないのですが、僕はもともと熱中していたこともあり、40スタイルを提出しました。そこで、作品撮りが好きだとアピールできたからか、本部から雑誌の撮影など仕事のお誘いをいただくようになったんです。
――作品撮りの経験が外部仕事につながったんですね!
社長から「和田は作品撮りが好きなんだね」と直接言われる場面もありました。
いただいたお仕事では、日ごろの作品撮りの経験を活かしてうまく取り組むことができ、次第に外部からの仕事依頼も増えていくようになりました。それらの作品撮りと内部・外部仕事の経験の集大成として、昨年は「カミカリスマ2025」で1つ星を獲得することができました。
――デビューに向けて、アシスタント時代に取り組んだことは?
ブランディング設定に力を入れていました。アシスタント時代、苦手意識があったブリーチを上達させるためによくモデル入客をしていたんです。その結果、ハイトーンなど派手なヘアの注文が多くなり、僕が目指したい客層とのギャップが生まれていきました。
当時はスタイリストになったら、暖色など比較的落ち着いたヘアを中心とした施術をしていきたいと思っていたんです。ギャップに早い段階で気づき、そしてすぐにモデル入客やSNSの打ち出し方を切り替えたことで、デビュー直後から自分が理想とする客層の対応をすることができました。
お客様が持つ女性像に合わせたヘアにこだわる
――お客様のヘアをデザインするうえで、和田さんなりのこだわりは何ですか?
ファッションやメイクなどお客様が持つ女性像に合わせたヘアを作るようにしています。そのためにコミュニケーションはしっかりとるようにしていますし、行動の1つひとつから情報をキャッチするように意識しています。
たとえば、お客様がご自身の本を持ち込んできたとします。本が小説であれば、美術などにも興味があるかもしれない。それなら〇〇系のヘアも好きだろうから提案してみようと連想するんですよ。
――「オージュアソムリエ」という資格を持っているそうですが、そちらは?
「オージュアソムリエ」とは、美容メーカーのミルボンが作るオージュアシリーズのソムリエ資格で、一般的にいうとトリートメントのソムリエです。取得のためにはオージュアシリーズの勉強や販売、カウンセリング研修などがあります。
現在の「MINX」にはカウンセリングや毛髪理論などさまざまな勉強会があるのですが、僕がアシスタントだったころはあまりなかったんです。当時はケミカル関係の知識習得に力を入れていましたし、カウンセリング力を鍛えたかったのでぴったりだと思い、受験しました。
――取得したあと、仕事にどのような変化がありましたか?
ケミカル系の知識に関して自信が持てるようになりましたし、カウンセリング力も相当高くなったと思います。接客のときに新たに意識するようになったことも多くありました。たとえば、最初の会話は自己紹介からスタートせずに「お店までスムーズに来られましたか」「今日暑いですね」のような世間話をしてアイスブレイクすること。取得前よりもお客様が髪の悩みを打ち明けてくれやすくなったと実感しています。
美容師に認められる美容師になるために、どんなに多忙でもチャレンジしたい
――美容師の仕事をするうえで大切にしていることは何ですか。
施術についてでいうと、掃除やシャンプーなどアシスタントに任せられる業務もできる限り自分で取り組むようにしています。理由はいくつかありますが、特に頭皮の硬さやシャンプー後の髪の絡み具合などお客様の情報をキャッチする場面を逃したくないからです。
仕事全般でいうと、どんなに多忙でも積極的にチャレンジするように心掛けています。というのも、高校時代に先生から「和田はやればできるのにやらない」と指摘されたことがあったんです。そこで試しに勉強を本気で取り組んでみたところ、下から10番目だった学年順位が5位まで上がったんですよ。その経験から挑戦することはおもしろいし、やらないと後悔すると学んだので、辛い時期でも基本的には依頼されたお仕事は受けるようにしたりしています。
――和田さんが感じている美容師の魅力は?
どんなにキャリアを積んでも自分の実力が試されることが、美容師のおもしろさだと思います。施術はお客様次第で変わるので同じことの繰り返しがありませんし、時には他人と競い合う場面もあります。学生時代の部活のようで、青春していると感じることも多いです。
――今後の目標はありますか。
美容師に認められる美容師になるのが目標です。そのために、コンテストなどに積極的に挑戦していきたいと思っています。
――和田さんにとって働くこととは?
社会貢献だと思います。働くこと=お金を稼ぐことではないと僕は考えています。働くことで得られるお金は会社や地域、人への貢献の対価ではないでしょうか。
資格の取得や作品撮りへの挑戦など美容師としての成長に貪欲な和田さん。その姿勢があるからこそ、サロンワークでは多くのお客様に愛され、そしてカミカリスマ受賞などメディア実績も残せているのだと感じました。美容師に認められる美容師、和田さんがそうなる日も遠くないのではないかと思います。
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MINX aoyama
住所:東京都港区北青山3-5-23 吉川表参道ビル 2・3・4F
TEL:03-3746-2722
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