フェイシャルの技術を取得して導入するために必要なこととは？
顔を専門としたエステのことを、一般的にフェイシャルエステと呼んでいます。自宅で行うお手入れとは違い、エステティシャンなどのプロに施術してもらうことで、肌を整えていくことを目的としたエステです。
フェイシャルエステにもさまざまな種類がありますが、技術を学び個人でサロンを開業したりサロン勤務を目指したりする人もいます。また、美容室やネイルサロンなどに導入しやすいというのも、特徴のひとつです。では、フェイシャルエステの種類や必要な資格などには、どんなものがあるのでしょうか。
フェイシャルを扱うマッサージやエステ等の種類は何があるのか
フェイシャルエステにも、いくつかの種類があります。肌表面のトラブルを改善して整えるものや、シワやたるみの解消、そして肌全体の引き締めが主な目的になりますが、サロンによってメニューや施術に使用するものはさまざまです。フェイシャルエステを行っているサロンに多く見られる、一般的なメニュー内容を挙げてみましょう。
- 小顔効果や肌にハリを持たせるためのマッサージ
- 血行促進を促して代謝の改善をはかり、肌色を明るくするマッサージ
- ニキビなどの肌トラブルを解消するパック
- シミを解消し、美白効果に特化したパック
- ブライダルに向けた肌作りのためのマッサージやパックなど
施術内容としては、パックとマッサージに大きく分けることができます。マッサージはオイルを使用するものや専用のクリームを使用するものもあり、顧客の好みが分かれる部分でもあります。また、オイルマッサージはアロマを取り入れてリラックス効果を高めるなど、サロン独自のものを使用したり工夫したりして、他店との差別化をはかるところが多く見られます。パックも同様で、大手のサロンに至っては独自のものを自社開発しているところも珍しくありません。マッサージはハンドマッサージを中心に行うところが多く、エステティシャンのテクニックや経験が求められる部分です。また、フェイシャルエステといっても顔だけではなく、デコルテまで含んでいるサロンもあります。これは主に、ブライダルエステの場合に多く見られますが、自分ではなかなか手入れが行き届かない場所ということもあり、ブライダル以外でも顔と一緒に施術を希望する人が多いことが、需要が高まっている理由として挙げられます。
技術を修得するために必要な講座やスクールの選び方は？
フェイシャルエステに限らず、全身を施術する場合も同様ですが、エステは他人の身体を美しくするために行うものなので、マッサージなどの実技だけを修得すれば良いというわけではありません。身体の内側に対して学ぶことも必要です。肌の生まれ変わりの周期や、マッサージを効果的に行うために必要な身体の機能に関する知識、さらに美しい肌を作るために求められる食事や適切な化粧品と使い方、そして睡眠などの日常生活に伴う習慣などの勉強も求められます。美しさは内面と連動している部分も多いため、内面的なところまで学ぶスクールや講座もあります。フェイシャルエステを専門に学べるスクールがあるので、通いやすい場所を選んで必要な知識と実技を学ぶところから始めましょう。また、近くにスクールが無い場合には通信講座という選択もできますが、実技は別に違うところに通う必要があります。個人で開業しているサロンや大手サロンでも、個別に実技指導をしてくれたり講座を開催したりしているところもあるので、近くのサロンで学べるところがないか探すのもひとつの方法です。サロン勤務の経験があり、実技より知識の吸収に力を入れて資格取得を目指したい人は、通信講座を中心にしても問題は少ないかもしれません。しかし、ブランクがある場合や経験年数が浅い場合には、どちらも選択することをおすすめします。また、資格取得を前提に学ぶことを考えると、『一般社団法人日本エステティック協会』の認定校から選ぶのも良いでしょう。認定校は全国にあるので、そのなかから通いやすい立地のスクールを選べばいいのです。認定スクールは、『一般社団法人日本エステティック協会』のwebサイトから探すことができます。また、肌に関する知識が学べる講習会も定期的に各地で開催されているので、興味があれば参加してみましょう。
資格取得までにかかる費用の相場を知っておこう
資格を取得するまでには、どれくらいの時間と費用がかかるのか、目安と相場を知っておくと計画が立てやすくなります。すでに、美容室など何らかのサロンを経営している人であれば専用設備の導入時期を考えなければなりませんし、新たに専用のサロンとして始めるにしても準備を考えればオープン時期の目安は必要です。フェイシャルエステを学ぶといっても、スクールによってコースの種類は異なります。主な内容としては、実技と知識を同時に学べるコースと通信コースがあり、両方設けているところもあります。10日間程度の短期コースで集中して学べるものや、半年以上の期間をかけて余裕を持って学べるものもあるので、働きながら通う場合や集中して通学できるかで選ぶ必要があります。コースやスクールで細かい部分は異なりますが、目安として例に挙げると、短期の場合は10日間から3カ月程度で費用は20万円前後から50万円前後、通信講座の場合は半年からで20万円前後というものが見られます。また、社会人だけでなく学生として学ぶ専門学校の場合は、年間で150万円前後の学費と教材費が必要なところもあります。『一般社団法人日本エステティック協会』によって設けられているもので、『300時間コース校』『1，000時間コース校』など、認定資格の取得を目指したコースはスクールごとで異なるので、個別に確認する必要が出てきます。正確な費用は学ぶ時間や地域でも異なるので、自分の事情や通いやすい場所のスクールで公開しているコースと、それに応じた受講料を個別に調べてみましょう。
フェイシャルエステでおすすめの資格とは？
どれくらいのものを求めたいかでも変わってきますが、顧客の信頼度や安心感を高めるうえで考えれば、『認定フェイシャルエステティシャン資格』を取得しておくことがおすすめです。エステサロンの就職を目指すなら、採用に有利に働く可能性も高くなります。個人でサロン経営を目指すのであれば、『認定衛生管理者資格』を取得しておくのも良いでしょう。フェイシャルエステは国家資格ではありませんが、認定資格があれば顧客に対しての印象や信頼度が変わるため、集客率がアップするという効果は期待できます。ほかにも、さらに上のプロフェッショナルな認定資格もいろいろあります。また、すでに美容室を経営している場合で、新たなサービス内容のひとつとしてフェイシャルエステを導入する場合には特に問題はありませんが、フェイシャルエステだけを専門としたサロンを開業する場合には、保健所へ届け出る必要が出てきます。これは、首から上に対する美容サービスに関して、保健所への届けが義務づけられている美容師法が適用されてしまうことが理由です。しかし、フェイシャルエステといってもデコルテまでの施術を行う場合は、やや異なる考え方も可能性として出てきます。いずれにしても、フェイシャルエステを専門としたサロンを開業する場合には、具体的なオープン準備を始めてしまう前に、管轄の保健所に届けが必要かどうかを相談しておくことをおすすめします。届けの内容には、内装や施術場所の面積なども含まれてくることがあるので、確認する前に内装工事などを進めてしまわないように注意しましょう。あとから変えなければいけない箇所が出てしまっては費用が無駄になってしまうだけでなく、その分の工期が伸びればオープンが遅くなることもありますから注意が必要です。
