フランスからやってきたリンパドレナージュ!技術を身に付けるには?

通勤時の車内や職場のエアコン、冬の寒さによる冷えに悩む女性は少なくありません。また、長時間の立ち仕事で足がむくみ、パソコンやスマホによる目の疲れ、頭痛、肩こり、倦怠感と、日々の生活のなかで体のさまざまなトラブルに悩んでいる人は多いことでしょう。

このような体のトラブルを引き起こす原因のひとつに、リンパの滞りがあります。日常で生じるトラブルを改善させる方法として知られるリンパマッサージに、女性を中心に注目を集めている「リンパドレナージュ」があります。今回は「リンパドレナージュ」の技術取得に関する情報をご紹介します。

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リンパマッサージとは違う?リンパドレナージュの基礎知識

リンパドレナージュは、滞っているリンパの流れを促し、体内にある不要な老廃物を体外に排出することで体のトラブルを改善させたり、健康的で美しい体作りを助けたりすることを目的としたマッサージです。フランス語でリンパを排出する方法という意味を持つリンパドレナージュは、1932年にフランスで生まれ、ヨーロッパをはじめ、アメリカなどで広がり、医療現場などでも活用されてきた療法です。

リンパは、体中を網の目状に張り巡らされたリンパ管と、毛細血管から染み出てリンパ管を通り全身を流れるリンパ液、リンパ管のところどころに豆状に膨れて節となっているリンパ節とで構成されています。体にとって不要となる老廃物を集め、体外に排出したり、外から入ろうとする異物や細菌の侵入を防いだり、さらにウイルスに対する抗体を作ったりするなど、健康な体を維持するために欠かせない存在です。

運動不足やストレス、体の冷えが原因となり、リンパに滞りが生じるとむくみや疲労、免疫力の低下といった症状がひき起こされます。そこで、そのような体のトラブルを改善させるためにリンパの流れをスムーズに促すためのマッサージが活躍するのです。

リンパをマッサージする方法として知られているものに、リンパマッサージもあります。リンパマッサージもリンパドレナージュと同じように、リンパの流れに沿ってマッサージをすることでスムーズな流れを促し、リンパの働きを活発にさせることを目的としたマッサージの名前です。ただし、リンパマッサージはその総称であり、リンパドレナージュはリンパの流れを改善させるリンパマッサージを行う際に、リンパの流れを邪魔する要因を取り除きながら行うマッサージ方法を意味しています。

基本となるマッサージ方法は、首の付け根の鎖骨の後ろに位置する、ターミナスと呼ばれる位置から末梢までゆっくりと移動していき、末梢までたどり着いたら再び同じ行程でターミナスまで戻るという流れです。一般的に知られるリンパのマッサージの場合には、脚から上がるような行程でマッサージするため、この点もリンパドレナージュがほかと異なる手法を持った技術となっていることを表しています。

技術取得を形にしたい!資格取得するための道にはどんなものがある?

リンパドレナージュを活かして仕事がしたいと考える場合、専門的な資格の取得を目指すというのも方法です。資格取得を知識や技術を学ぶための目標点として掲げることができるだけではなく、リンパドレナージュに関わる仕事に就く際に就職活動で、その仕事に就きたいという想いをアピールすることができたり、即戦力として働くことができるアピールになったりする場合もあります。

資格を取得するための勉強方法には主に、協会が開催する講習に参加する方法、専門のスクールに通う方法、通信講座を受講する方法、独学で学ぶ方法があります。より確実に実践的に技術を学びたい人は、協会が開催する講習や通学制のスクールが良いでしょう。資格試験を開催している協会の講習では、より資格取得に直結した知識を学ぶことが可能です。また、スクールでは専門の講師により計画的に直接技術を学ぶことができるため、着実にプロとしての活躍に向けて頑張りたいという人にはおすすめです。かける費用をできる限り抑えて自由な時間に勉強したいという人に適した方法が、通信講座です。仕事や育児をしながらでも、少しの合間の時間を利用して学ぶことが可能となります。リンパドレナージュについて詳しく書かれた書籍やテキストは一般の人でも手に入る方法で販売されていますので、やる気と努力があれば独学で学ぶことも可能です。ただし、独立や早い活躍を考えている場合には、実践的な技術学習をほかの方法で取り入れておくと安心でしょう。

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おすすめはこれ!リンパドレナージュの技術を活かせる資格

リンパドレナージュは、女性に多い健康のさまざまな悩みを改善することが可能であるだけではなく、リンパの流れの改善により美容にも良い効果が期待できるといわれています。このため、マッサージ施設やリラクゼーション施設だけではなく、エステサロンなどの美を手に入れることを目的としたサロンでも、その技術が活かされています。各種サロンなど、美容業界でリンパドレナージュの技術を活かしたい場合には、「オリエンタルリンパドレナージュ」の資格がおすすめです。中医学のツボと西洋医学のリンパの考えを織り交ぜることで、健康的で美しい体作りを目指すことができるマッサージの技法を取得することができます。セラピストとして、また将来的にサロン経営を目指したい人にとって、活かすことができる資格となることでしょう。

また、欧米ではリンパドレナージュは医学的なひとつの治療法として確立しています。日本でも、その技術が活かされている医療現場があります。日本人に多い癌をはじめとした病気の手術を行うことで、リンパ浮腫という病気が発症することがありますが、この病気の治療に関わる際に活かすことができる「医療リンパドレナージセラピスト」という資格です。リンパ浮腫のひとつの治療方法で、リンパ浮腫保存的治療法である複合的理学療法により治療を行う施術者として、医師の元で活躍できる資格となっています。看護師や理学療法士、作業療法士、あん摩マッサージ指圧師など、医療系の仕事に就いている人が活かすことができる資格ですが、治療中の疲れやストレスを軽減するために、マッサージとしての技術と合わせて施術を行えばさらに広い活躍が期待できます。医療系の資格と共に取得することで、将来の仕事範囲に更なる広がりができることでしょう。

必見!リンパドレナージュをもっと知るためにおすすめの本3選

リンパドレナーュについて気軽に知り、学びたいという人は、専門家たちによって出版されている本を読むことからスタートするのも良いでしょう。

初めてリンパドレナージュを知ったという人などの初心者でも、基本をしっかりと学びたいという人におすすめの本があります。リンパ学について専門的に学び医師としての活躍もある、ミヒャエル・フェルディ氏により著された「リンパドレナージュの基礎知識」(日本DLM技術者会/キベプランニング)です。マッサージや理学療法を勉強している学生向けに作られたテキストであるため、端的にわかりやすく説明がなされていてイラストも多く、初心者でも読みやすい内容となっています。

リンパドレナージュをダイエット効果の高い技術として紹介している本が、鍼灸マッサージ師である山田光敏氏による「リンパドレナージュ・ダイエットー毒素を排出してやせる!」(PHP研究所)です。憧れの美しい体を手に入れるための手法として、ダイエットだけではなく冷え性やニキビ跡の改善も目指す、リンパドレナージュによる実践的なマッサージ方法が紹介されています。美しくなりたいと願う一般の女性向けに書き著されている本であるため、気軽に楽しみながら学ぶことができます。

もっと専門的に、リンパについての知識を深めたいという人におすすめの一冊が「リンパの科学」(講談社)です。リンパドレナージュについての本ではありませんが、技術を理解するうえで基本となるリンパについて深く知っておくことは、リンパドレナージュの技術をより高めるにあたってプラスとなります。解剖学の専門家である加藤征治氏により書き著された本書は、リンパの流れる理由や流れの行方など、リンパのすべてが明かされた一冊となっています。

どちらが良い働き方?自宅開業とサロン勤務のメリット・デメリット

リンパドレナージュの知識や技術を活かして働く方法には、自宅で開業する方法とサロンなどに勤務する方法があります。時間やサービスにおいて、自由なスタイルでお客様に技術を提供したいと考える場合にはセラピストとして独立し、自宅で開業するという方法が適しているでしょう。自宅開業は自分の希望通りのサービスを提供できるというメリットがありますが、独立することで経営者になるため、開業の知識を学び必要な手続きを自分で行わなければいけないという大変さもあります。リンパドレナージュの技術を提供すること自体には特別な資格は必要ありませんが、自分の希望するサロンを作るために、場合によっては特別な許可や知識、資格の取得が必要となる場合もあります。例えば、お客様に提供する化粧品などをサロン内で使用・販売する場合には薬事法の知識を得ておく必要があります。知識を持たずに誤って法に触れてしまうと、薬事法違反として処罰の対象になることがあるからです。もしマンションなどで開業する場合には、事前にマンションの規定を確認しておく必要があります。マンションによっては営業活動を行うことが禁止されているケースもあるからです。リンパドレナージュと併せて美容効果を高めるほかのサービスも提供する場合には、それに付随した資格や許可が必要となりますので注意しましょう。

サロンに勤務するという方法も、リンパドレナージュを活かして働くひとつの道です。お店の経営方針やコンセプトに従って働かなければいけないという不自由さの点はデメリットとなりますが、その分、開業した場合に行わなければいけない手続きや運営にかかる手間を自分で行うことなく、基本的には施術を行うことに集中して仕事をすることができるメリットがあります。

なかには、サロンで働きながら自宅で開業を行うダブルワークという選択をしている人もいます。それぞれのメリット、デメリットを比較し、自分のスタイルに合った働き方を選択すると良いでしょう。

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