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23年間第一線で活躍!apish・ひぐち いづみさんの美容道 #1

坂巻哲也さんが代表を務める「apish」のオープニングメンバーで、19年経つ現在も人気美容師として活躍するひぐち いづみさん。

モアリジョブの読者にも「こんな美容師になりたい!」と目標にする女性美容師は多いと思います。

近頃は“ヘアアレンジの女王”とも呼ばれるひぐちさんですが、デビュー当時はまだまだ男性社会だった美容界で、40代となった今もなお輝き続ける、その魅力について迫ってみました。

黙っていてもお客様が続々と入る時代にデビュー。“坂巻さんのコピー作り”が日々の仕事だった

「美容学校卒業後はスタジオVに入社しました。当時、テレビや雑誌で坂巻の存在を知り“この人、作るものも素敵だしオーラが凄い!”とファンになったんです。
当時、坂巻はスタジオVの売れっ子美容師でしたから、入社するならスタVしかないと決心し、合格。そこで4年が過ぎた頃、坂巻が独立することになり迷わずついていきました。

オープニングメンバーはわずか7名。丁度そのころ、カリスマ美容師ブームが到来し、以前からメディアで活躍していた坂巻のファンは、もう日に日に増える毎日で…オープンから10か月後に私もスタイリストとしてデビューしました。新規のお客様は皆さん坂巻が作った雑誌の作品の切り抜きを持参されるんですね。だから、とにかくそのデザインを真似て作り続ける日々でしたね。

今は全国にサロンが増え続け、集客について戦略が必要な時代です。でも、当時は嘘みたいに新規のお客様がどんどん押し寄せていましたから、同じ髪型を黙々と生産するマシーンのような状態で(笑)。もうがむしゃらに過ごしていました」

「男性美容師にチェンジして!」「本当にあなたが担当するの?」とお客様に言われて…

――カリスマブームのころは、男性美容師が全盛の時代ですよね?
「そうなんです。私は見た目も幼いせいか“担当させていただく樋口です”とお客様にご挨拶すると“本当にこの子で大丈夫?”とか“男性美容師が希望なんだけど…”と言われたりして(笑)。とはいえ、坂巻の予約はいっぱいですから他の美容師が担当する他ないんです。毎日がそんな状態でしたが、男性に負けないよう日々全力で仕事をしていました。
でもある時、坂巻に言われたんです。

“どんなに君が頑張っていても、僕のコピーをしている間は絶対に僕を追い越せないよ”と…。続けて「自分の武器を作りなさい。誰にも負けない強みを手に入れないと」

――坂巻さんの言葉が転機となり、今のひぐちさんの原点が誕生したんですね?
「SNSが普及していない時代ですから、サロンワーク以外は雑誌のヘア企画の撮影が人気でした。ヘアアレンジの特集もどんどん増え出した頃なんですが、男性美容師がその紙面を手掛けることが普通だった時代です。私はそれらを見ながら“女性が作ればもっと柔らかい質感が生まれるのに”とか“女性が好きな質感はもっとルーズなものなんじゃないの?”なんて考えるようになって。昔からヘアアレンジを作ることが好きでしたから、それなら私はそこを武器にしようと一念発起。とにかく練習して提案するうちに、編集者やライターさんからお声がかかるようになりました」

雑誌
アレンジ写真
アレンジ撮影の仕事が多いひぐちさん。大人から子供まで広く提案。和装のアレンジにも定評がある。

――今ではアレンジの女王と言われていますね。
「ありがたいですね(笑)。でも、早い段階で自分のウリを探すことができたのは坂巻のお陰です。今はとにかく自分の得意な部分がないとお客様から覚えてもらえません。美容師だからと全てをまんべんなくこなそうとしても、日々やることが多すぎて結局、中途半端になることもあります。だったらパーマでもカラーでも、自分が好きな部分を徹底的に勉強し、自分だけの武器を持ったほうがいいんじゃないかな」

31歳で結婚。3年後に出産を経験。最初は仕事と育児、手探りだった

――女性美容師は結婚と出産が大きなテーマですが…
「妊娠9か月半まで働き、出産の半年後に復帰しました。とはいえ、認可保育園に入れたわけではなく、託児所に預けていました。赤ちゃんを預けているわけですから17時には会社を出ないといけないんですね。当時は社内で子持ち美容師はいませんから“早く帰れていいですね~”とか“帰っていつも、なにするんですか?”なんて言われて…。悪気はないと思うのですが、やはり独身だとわからないじゃないですか。がむしゃらに働いていた私の生活がガラリと変わったように感じたんでしょうね。ミーティングなども“樋口さんは参加しないでいいです”なんて言われると、ちょっと寂しかったです(笑)」

――坂巻さんの反応はどうでしたか?
「坂巻も当時は結婚していませんでしたから“僕は子供のいる生活がわからないから、自分のペースで働いていいよ”と言ってくれましたし、その後は子育てと仕事の両立、不安について、本当によく耳を傾けてくれました。ありがたいです」

――具体的にはどんなことですか?
「託児所ですから月に8万円以上の保育料が必要だったんですね。私も正直、大変でした。すると坂巻が“それは大変だね。だったら会社が半分、負担するよ”と言ってくれて。その後、娘は認証保育園に入学しますが、ここでも保育料の半分を会社が負担してくれました」

――えっ!それって素晴らしい!
「現在もその制度は継続していて、保育園に預けている女性スタッフには、その保育料の半分を負担してくれています。だから、アピッシュは女性が働きやすい職場だと思います。これ以外にも多角的にケアしてくれる会社ですから」

子育てと仕事の両立は、働きたい女性にとって永遠のテーマ。樋口さんの生き方、働き方が、男性の多かったヘアサロン業界の中で、女性が働きやすい環境を作ったと言っても過言ではありません。次回は、「産後も美容師として働くコツ」と「女性美容師が輝ける組織の在り方」についてお話しを伺います。

取材・文/小澤佐知子
撮影/松橋晶子

Salon Data

apish(アピッシュ)
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坂巻哲也さんが代表を務めるapishは、現在都内に4店舗、神奈川に2店舗ある超・人気ヘアサロン。オリジナルのパーマ理論を持ち、時代の最新パーマの開発に携わるなど美容業界で広く活躍。
銀座店では「セルフホワイトニング」のメニューを取り入れことでた話題。尚、ひぐちさんは曜日によって青山店・銀座店の2店舗に勤務する。
http://www.apish.co.jp

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