オキナワ美容界の風雲児JAG☆STANG・前泊憲作さんのアタマの中 #1

ここ数年、オキナワの美容界がアツイ! という評判を聞きつけいざ沖縄へ。インタビュー第3弾は、「沖縄美容師・第2世代」の一人、JAG☆STANG(ジャグスタング)のオーナースタイリスト、前泊(まえどまり)憲作さんです。

宮古島出身の37歳。琉球美容専門学校を卒業後、神奈川県内の美容室で修業。2005年12月に那覇市にサロンをオープン。以来、紆余曲折を繰り返しながらも、今では沖縄発の「東京コレクション」でオーガナイザーを務めるなど、〝美容師を超えた存在″として、内外から注目を集めています。その発想の原点とは? 彼のアタマの中を少しだけ覗いてみました。

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オキナワ初、カット料金は1万4590円!

――前泊さんと言えば、沖縄初のカット料金1万円超えが話題ですよね。
「はい、今年の1月から新規ご紹介のお客様に限り、その価格にさせていただいています。理由はいろいろありますが、まず僕の今までの経験値から、そのくらい頂いてもいいかな、と思ったことが第一です。今年でサロンをオープンして12年なんですが、その間、ヘア&メイクとして沖縄のテレビ業界やCMの現場で仕事をしたり、県出身の著名なクリエイティブディレクターのショーやイベントを企画から担当させていただいたり、美容業界以外でも人脈を築けたことが大きかったと思います。

僕自身はもともと美容にそこまで興味があったわけではなく、手に職をという理由で姉に勧められるがまま美容学校に入学しました。美容師なら涼しい場所で働けるしオシャレもできると(笑)その後、本土のサロンに就職するんですが、当時そこは稼げるサロンとして有名で、都心の有名店を辞めた上昇志向の高い人が集まっていました。師匠制というか、自分がつきたいスタイリストを自分が選べるシステムだったんです。

僕がついた方はアシスタントの成果もきちんと数字で“見える化”してくれたので目標が立てやすく、モチベーションが自然に上がっていきました。2年2カ月という短期間でデビューして、そこからスタイリストになって1年くらいで手取り年収が大企業の部長並になっていましたからね。その店舗に配属されなかったら、きっと今は美容師を辞めていただろうなと思うくらい、その方の元でチーム一丸となって働くのが本当に楽しかったです」

前泊憲作さん
サロンに立つのは週2回に限定。「店長のAYAを始め、スタッフがとてもよくやってくれるので、僕がいないほうが、店がよく回る(笑)それを目標にここ数年、活動していましたから」と前泊さん。スタッフを本土並みに厳しく、愛を持って育ててきたからこその結果だ。

プロとして当たり前の対価をもらうということ

「2005年に沖縄へ戻ってきたのですが、当時はまだヘア&メイクのギャラが低く見積もられていたんですよね。もともと制作予算が少ないということもありますが、1日ヘア&メイクの仕事をしてもタダ同然のギャラしかもらえないという状況でした。地方ではヘア&メイクの仕事は多くはないですから、やらせてもらえるのは光栄ですが、ノーギュラはないなと。自分の技術がプロとして確かだと思うなら、それ相応の対価を受け取るのが当然の権利だと、ある年を境にギャラが極端に低い仕事は受けないとアナウンスしました。

もちろんうちより安く請け負うところへ仕事が流れたこともありました。でもそのうち、それ相応のギャラをいただけるようになって。ヘア&メイクの仕事をきっかけに人脈が広がって、サロンへもいろいろな方を紹介していただけるなど、いい形で回るようになってきたんです」

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すべては沖縄の美容の価値を高めるために

「オープン当初は30坪の店舗を3つに区切って人を雇い、サロンと古着のセレクトショップ、バーを経営していました。カット代は当時3500円でしたが、本土経験から自分の技術に相当な自信を持っていたんです。でもいざ開けてみるとサロン単体の初月の売り上げは最低。その代わり、自分がロスまで行って仕入れた服は飛ぶように売れる(苦笑)公庫からの借金もあるし、悩んだ挙句、美容学校時代の同期をスタイリストとして迎えました。彼は沖縄一筋で、ここでのやり方を熟知していたからです。

二人でサロンの売り上げを倍以上に引き上げ、ようやくサロンだけでやっていけるようになったのですが、当時いたアシスタントは本土並みの厳しい教育に耐えられないと辞めていきました。さすがに僕も限界かと思ったとき、その同期が‟この教育スタイルを最後まで貫け”と言ってくれたんです。そこからスタッフを地道に育て、新都心への出店を機にカット代を4600円にまで上げましたが、離れていくお客様はごくわずかでした。

今回、ご紹介の新規客のカットを1万4590円としたのは、そんな値段でカットする美容師が沖縄にもいるんだ、という事実を知ってほしいからです。意外にもこの値段だから、切ってもらいたいというお客様も出てきて、少しずつですが手応えを感じています」
いつも沖縄美容界の中心にいる前泊さん。次回は彼が“美容を超えて”行っている活動についてお届けします。

前泊憲作さん
那覇新都心、宜野湾(ぎのわん)、宮古島と3店舗を経営。それぞれを店長に任せ、自身は今、ショーやイベントの構成、官民一体のプロジェクトを請け負うなど、美容師を超えて活躍中だ。

取材・文/山岸敦子
撮影/MACOTY

Salon Data

JAG☆STANG
JAG☆STANG

JAG☆STANG(ジャグスタング)

前泊憲作さんがオーナーを務めるヘアサロン。
那覇市おもろまちと宜野湾市に1店舗ずつ、郷里・宮古島にはエステサロンをリニューアルオープン。
美容師としての活動にとどまらず、ヘア&メイク、ショーやイベントのオーガナイザーとしても活躍。
その発想力は美容にとどまらず、多くの夢をもって膨らんでいく風船のようだ。
http://jagstangs.com/

知る程に魅力的なオキナワ美容界JAG☆STANG・前泊憲作さんのアタマの中 #2>>

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