お客様にリラックスできる時間を提供し、気持ちに寄り添えるスパニストに可能性を感じて「Côte」蒲牟田愛さん

お客様に生涯寄り添うことを大切に、髪のケアとトレンドを両立した施術を提供するヘアサロン「Côte」。現在入社3年目で、スタイリスト兼ヘッドスパニストとして活躍するのが蒲牟田愛さんです。

前編では蒲牟田愛さんが学生時代に力を入れていたことや、1社目時代にデビューするまでのお話についてお聞きしました。

後編では「Côte」に就職してからのキャリアについて伺います。スタイリストとして働く傍ら、ヘッドスパニストとしても活躍している蒲牟田愛さん。ヘッドスパは施術のなかで器具を使わない唯一のメニューになるため、お客様の気持ちにより深く寄り添えると思い、技術を学び始めたそうです。

今回、お話を伺ったのは…

「Côte」スタイリスト／ヘッドスパニスト

蒲牟田愛さん

神奈川県出身。国際文化理容美容専門学校を卒業後、表参道に構えるヘアサロンに入社。先輩の独立をきっかけに「Côte」へ転職。現在美容師歴3年目でスタイリスト兼ヘッドスパニストを務める。

インスタグラム

恩人の独立をきっかけに「Côte」へ転職

――「Côte」に転職された理由は？

理由はいくつかありますが、一番大きいのは「Côte」と私のビジョンがマッチしていたことです。「Côte」のビジョンは前社から引き継いで、お客様を生涯担当すること。当時も現在もこの思いは、美容師として働くうえで大切にしたいと思っています。

また、朝中心に練習を行う朝練制度と、バディ制度にも惹かれました。朝練制度では、終電まで練習するなど美容業界のブラックなイメージを払拭する企業の一員になれることも、自分としてはプラスだと感じていたんです。

――バディ制度とは？

スタイリストとアシスタントが2人1組になるのがバディ制度です。悩みや不安を相談できる相手が生まれることで、お互いのモチベーションや技術成長につながります。個人的にバディ制度を導入しているサロンは少ないと感じていたので、より魅力的に感じました。

――なるほど。

あと、「Côte」オーナーのひとりであるコモダさんについていきたいと思ったことも理由のひとつです。1社目時代の2年目からスタイリストデビューするまでの間、アシスタントとして付かせてもらっていたのがコモダさんでした。マインド、技術、接客など美容師としての根本を作っていただいた方で、考え方にも惹かれていたため一緒に働きたいと強く思い、独立についていく形で転職しました。

一緒に働くなかで育ててくださった恩を感じていましたし、何より深く関わっていたコモダさんの顧客の皆さんと離れたくないという気持ちが強かったので、独立についていく形で転職しました。

――入社後はどのようなことを感じましたか？

朝練制度の影響で生活リズムが朝型になり、体調管理がしやすくなりました。メンタルやモチベーションも保ちやすく、いつも元気に働けるのでお客様にもパワーを与えられていると思います（笑）。

お客様の人生に携わる時間が増えたヘッドスパ

――ヘッドスパニストとしても活躍されていますが、力を入れようと思った理由は？

お客様にとってのプラスが多いと思ったからです。私はアシスタント時代から、どうすればお客様が気持ちよく過ごせるか、リラックスできるかを考えてきました。そんななかでヘッドスパと出合い、リラックス効果が期待できるほか、頭皮の環境を整えることができる魅力を知ったんです。また、ヘッドスパは美容師の施術のなかで器具を使わない唯一のメニューになるため、お客様の気持ちにより深く寄り添えると思い、技術を学び始めました。

――習得後、サロンワークにどのような変化がありましたか？

お客様に喜ばれることが増えました。私はアーユルヴェーダというインド・スリランカ発祥の伝統医学を用いたヘッドスパを提供していて。ただ気持ちいいだけでなく、ネガティブをポジティブに変える気持ちのコントロール効果も期待できます。私としては以前よりもお客様の人生に携われる時間が増えたことがうれしかったです。

――振り返ってみて、新人時代に取り組んでおけばよかったと思うことは？

もっと自分自身を世の中に発信しておけばよかったと後悔しています。美容師はみつけてもらうこと、知ってもらうことが大切ですし、それは表参道など都内で働くならなおさらだと思います。

また、もっと技術に向き合っておけばよかったです。トレンドは常に変わっていきますが、ベースとなる技術は変わらないので、これから美容師を目指す方は基礎を突き詰めて練習しておくといいかもしれません。

成長のために好きなことも嫌いなことも体験

――新人時代と現在を比べてみて、どのような成長があったと感じますか。

自信を持って意見やアドバイスができるようになりました。昔から周りの人の変化や行動に敏感で、「〇〇をしたらこの人はもっと成長するのに…」などと思う場面が多くありましたが、直接相手に伝えることはなかったです。でも最近は、相手の成長につながると考えるようなり、気づいたことは積極的に伝えています。

――蒲牟田愛さんが感じている美容師という仕事のやりがいは？

私が作り上げたスタイルに満足して笑顔で帰るときや、リピート来店してくださったときに髪型が好評だったことを伝えてくださったときは、とくにやりがいを感じます。また顧客の紹介で新たなお客様が来店されたときは、信頼してもらっていると感じられてうれしいですね。

――最後にいま新人時代を過ごしている方へのアドバイスをお願いします。

先ほど話と少しかぶってしまいますが、美容師として成長していくためには多くの経験をしておくといいかもしれません。私は自分で興味を持ったことだけでなく、お客様に紹介していただいたことも積極的にリサーチし、実際に体験、体感してきました。それらの経験があるからこそ、今の美容師としての働き方があると思っているので、ぜひ経験に時間とお金を使ってみてほしいです！

蒲牟田愛さんが順調な美容師人生を送れた3つのポイント

1.夢の実現のためにアシスタント時代からフロント業に取り組んできた

2.生涯お客様を担当するというビジョンを大切にして「Côte」へ転職した

3.お客様に深く寄り添うためにヘッドスパ習得に力を入れた

美容師としての成長とトータルビューティサロンの開業という夢の実現に向かって、ひたむきに努力をし続けてきた蒲牟田愛さん。「美容師はお客様に元気を与えるパワースポットであるべき」という言葉は、技術と接客を両立する仕事ならではの考え方だと感じました。新人時代を過ごしている方はぜひ参考にしてみてくださいね。