突然の『怪我』や『病気』で慌てないための!労災保険の基礎知識 #1

いまは何事もなく、元気にお仕事をしている人も、職場で労働災害が発生したら!ということを想像してみてください。労働災害は、いつ我が身に降りかかってくるか分からないです。

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■労働災害ってなんだろう?

まずは、労働災害が何かということから学びましょう。それは、仕事をしている人たちの業務上、更に通勤の途中おこる・負傷・疾病・障害・死亡に対しての事柄です。労働者の業務上の負傷・疾病・障害・死亡を、「業務災害」と呼び、労働者の通勤途中での負傷・疾病・障害・死亡に対しては、「通勤災害」と言います。

さらに労災保険の当事者である国・事業主・その労働者以外の第三者によって、労働災害が起こった場合(不法行為)を「第三者行為災害」と呼びます。

■仕事している時の負傷・疾病・障害・死亡は全部認められるか?

仕事している時の負傷・疾病・障害・死亡は全部認められるか?

仕事をしている時、負傷・疾病・障害・死亡が起これば、それはすべて労働災害として認められるのでしょうか。もしも、会社の中で、階段を踏み外して転倒し、骨折をしたとします。それは、会社の責任ではなくて、自分の不注意で起こったものだとしても、労働災害に当たります。

しかし、昼休みに会社の空き地でサッカーをしている時に、骨折をしてしまったという場合は、労働災害にはなりません。

勤務下の昼休みの時間には仕事をしている人たちは原則として自由な行動が許されていますが、休憩時間後の業務がスケジューリングされており、事業主の管理下と言えます。事業主の管理下で昼休みも行動をしているので、業務遂行性はあると考えることができます。

とはいうものの、やはり休憩時間は自由行動が許されている時間だと解釈をします。その間の行動は、私的行動としてとらえることができます。私的な行為の結果、災害が発生しても、そのことだけが原因ならば、労働災害だと認められることができません。ただし、事業場施設の欠陥が原因だと証明することができれば話しは別です。

しかし、不注意で階段で転倒をして骨折してしまった場合は、一見それ自体、私的とみられる行為であっても、就業中であれば業務行為として見なすことができます。ここで施設の欠陥を論じるまでもなく、労働災害が認められることになります。

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■就業時間中、トイレに行く途中でケガをしてしまった…

就業時間中、トイレに行く途中、ケガをしたというケースも考えることができます。この場合では「業務に付随する行為」に該当します。したがって、使用者の支配・管理のもとで業務に従事していることをいう「業務遂行性」に該当すると認められます。しかし、不必要に何度もトイレに行った場合など、そうでないケースもあるようです。就業時間中にトイレへ行く途中に、階段で転倒して骨折をしたというケースも労働災害に該当します。

■通勤災害とはどのようなものか?

通勤災害とはどのようなものか?

昼休みが、私的行動として解釈されるのなら、通勤もそのような要素がない訳ではありません。例えば、会社の業務が終了して、友人と談笑を3時間ほどし、その後、帰宅をして、その間に転倒をして事故を起こしてしまったとします。このようなケースでも、通勤災害と認められて、労働災害が適用されることになるのでしょうか。つまり、終業後にすぐに帰宅しないケースです。

ここで理解しておかなければならないことは、通勤災害における通勤の意味とは、就業に関係を持ち、家と会社との間を、「合理的経路と方法によって往復すること」を言います。「就業に関係している」というポイントにも注目しなければなりません。

業務に就くために出社をする、または業務を終えたから退社するといった、業務と往復行為が密接に関係しあっている必要があります。したがって、終業後にすぐに帰宅しないケースがどうなのかと言えば、終業後、3時間も会社に残り談笑をしていた訳ですから、業務と往復行為が密接に関係しあっているとは言い切れない部分があります。業務が終わって退社したというよりも、友人とのおしゃべりが終了したから退社したとも解釈できるのではないでしょうか。そうなれば、通勤災害は認められないことになります。

それならば、密接に関係するために、業務が終了して慌てて帰宅しなければならないということになってしまうのでしょうか。着替えなどの帰る準備をして、おおかた10分15分程度の時間は誰でもかかってしまうものです。それが、通勤災害として認められないのなら、通勤災害の対象がなくなってしまうことになります。15分がもしも許されたのなら、20分は許されるのでしょうか。なかなか難しい問題をここに抱えているようです。

この問題に関しては、国が通達を出しているため、原則として終業後2時間以内の居残りなら大丈夫というルールを知っておくようにしましょう。友人と多少の時間おしゃべりをして帰ってもほとんどのケースは、通勤災害の対象となるはずであり、特殊な事情があれば、2時間を越えても問題はありません。

文/sapuri

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