技術担当だからサロン全体のレベルアップを考える『Un ami omotesando』
表参道にある雑誌や芸能人の間でも大人気のサロン『Un ami omotesando』。前編では店長のブチさんに、『Un ami』との出会いやお店の魅力について聞きました。後編では、店長になってからの気づきや今後についてお話を伺います。
店長になって増えた“気づき”
――店長になってからまだ数ヶ月ですが、大きく変わったことはありますか。
「スタイリストのときから、美容師の技術に関する勉強会の担当をしていました。具体的には技術のチェックや、どういう練習をすれば技術が向上するかを考えています。できるだけ、若い人たちに後継者として育ってもらいたい。そういった思いが伝わるように、発信の仕方を考えるようになりました」
――具体的な例はありますか。
「たとえば、お客さまからのクレームに関する講習会を開いたなら、それをナイーブな問題として扱うのでなく、ポジティブな気持ちで問題に向かえる指導しています。クレームをきっかけに技術が向上できるということを伝えることができれば、次にアシスタントは3ヶ月に1度、スタイリストと一緒に目標を考えます。その際、アシスタントに寄り添って、一緒にがんばっていこうという姿勢で進めています」
――みんなで取り組んでいる、という感じなのですね。
「そうですね。仕事以外の場としては、1年に1回社員旅行に行ったり、個々で“のみーてぃんぐ”という名の飲み会を行ったり。ほかにも、チームごとで食事会を行うこともあるんです。アシスタント同士で食事に行くという話も聞くので、メンバー同士、密にコミュニケーションを取りながら進められていると思います」
――以前に比べて、スタッフの様子もよくチェックされているのですか?
「そうですね。店長になってからは新人が成長しているか、伸び悩んでいないか、どういうアドバイスが有効かなど考えるようになりましたね。それに、以前よりスタッフみんなの顔色や体調も気にするようになりました。やはり店長になってからの方が、気づくことが多いです」
お店としてのレベルアップも目指すように
――先ほど、技術に関する勉強会担当というお話がありましたが、みなさんいろいろな担当をお持ちなのですか?
「はい。スタイリストごとに、材料だったりクリエイティブだったり、分野ごとの担当を持っています。自分が担当する分野に関しては、個々が責任をもって取り組んでくれているんです」
――ブチさんは希望して、技術研修の担当になったのですか?
「いいえ。最初はまだサロンにいるスタイリストの人数が少なくて、周りから“やってよ”と言われたのが担当になったきっかけです(笑)。でも技術だったからこそ、今アシスタントに必要なことは何か、深く考えることができていると思います。スタイリストのときは自分の技術を高めることを中心に考えていましたが、店長になったことで、自分だけじゃなくお店全体として、みんながレベルアップする重要性にも気づくことができました」
――スタイリストのときとは、同じ担当でも意識が変わったんですね。
「プレイヤーだと自分のことばかり考えがちです。でも店長になることで、スタッフをよくしたいという思いが増えました。何よりもお客さまと触れ合うことが、この仕事の醍醐味。そして楽しさですよね。技術を向上させることでお客さまを気持ちよくさせることができるし、お店の雰囲気もよくなるし、しいてはお店全体のレベルアップにもつながっていくと思います」
多くのお客さまに来ていただけるように
――店長として、今後どんなお店作りをしていきたいですか。
「スタッフはみんなそれぞれ特徴があります。おしゃべりが得意な人もいれば、そうじゃない人もいる。でもその個性を活かしながら、お客さまから愛される、そして支持されるような人材育成をしていきたいですね。
また同時に、多くのお客さまに来ていただかないと、この仕事は楽しくありません(笑)。リピーターのお客さまはもちろんのこと、新規のお客さまにも来ていただけるように作品撮りをして、それぞれオリジナルのデザインを打ちだしていきたいと思っています」
個性を大切にするお店作りを『Un ami omotesando』>>