ハードジェルとソフトジェルの違いとは?それぞれの特徴とメリット・デメリットを解説

近年セルフでも楽しむ人が増えているジェルネイル。2週間~1カ月ともちがよく、さまざまなデザインネイルを楽しむことができます。ジェルネイルにはハードとソフトの2種類がありますが、どう違うのかよくわからないという方もいらっしゃるかもしれません。

ハードジェルとソフトジェルの違いや、それぞれのメリットとデメリット、お客様におすすめする際のポイントなどをお伝えします。また、ジェルネイルを少しでも長くもたせるコツも紹介しますので、是非参考にしてみてください。

ハードジェル・ソフトジェルの違いとは?|それぞれのメリットとデメリット

ジェルネイルと一括りにされますが、実はジェルネイルにはハードジェルとソフトジェルの2種類のタイプが存在します。硬くて強度があるのがハードジェル、爪になじみやすくて付け心地が軽いのがソフトジェル。この2つのジェルネイルにはどのような違いがあるのかを解説し、それぞれのメリットとデメリットもご紹介します。

ジェルネイルの資格取得に関して興味がある方は以下のページをチェックしてみてください。
ジェルネイル技能検定初級は独学でも取得できる?自力で学ぶメリット・デメリットも解説

ハードジェルの特徴は?

ジェルネイルが誕生した当初から存在するハードジェルは、強度があるので重いストーンなどをつけるのに向いており、キズもつきにくいのが特徴。

ハードジェルとソフトジェルの違いは、名前からもわかるように硬さと、ネイルオフのやり方に違いがあります。ハードジェルは硬さがあるため、長さのある爪につけてもヒビが入りづらいです。

ハードジェルのメリット

ハードジェルはソフトジェルに比べると、強度が高いことからキズも付きにくいというメリットがあります。ハードジェルをつけると光沢があるので、ラメやストーン、スパンコールを使った華やかなデザインも似合い、ツヤの良さは抜群です。

そして、つけたてのようなツヤが1カ月ほど長続きするうえに、強度があるため、地爪を補強してくれます。ですので、地爪を伸ばしたいが折れやすいという方にも向いています。

ソフトジェルの場合は、ネイルオフに使用する溶剤が肌や爪にダメージを与えてしまう可能性があり、使い続けると、乾燥により爪が薄くなったり、二枚爪になったりすることもあります。しかし、ハードジェルはネイルオフに溶剤を使わないので、比較的爪を傷めにくいでしょう。

ハードジェルのデメリット

ネイルがキズつきにくいというメリットのあるハードジェルですが、すべてにおいてソフトジェルよりも優れているわけでもありません。

ネイルオフをするときに溶剤を使わないので、爪に優しいといわれているハードジェルですが、ネイルを削って取ることになるので手間がかかり、技術力がないと深く削ってしまい、爪を傷めるリスクがあります。

さらに、ソフトジェルに比べて扱いが難しく、塗ったジェルが浮いてしまうリフトが起きやすい可能性も。その仕上がりにも技術の差が出てしまうので、ハードジェルを使いこなすまでにはある程度の経験が必要となるでしょう。

また、光沢やツヤがあるのが特徴のハードジェルですが、ソフトジェルほどカラーバリエーションがないため、いろんなカラーを使ってネイルを楽しみたいという人には向かないといえます。

ソフトジェルの特徴は?

ソフトジェルは柔軟性があるので爪にフィットしやすいのが特徴です。

やわらかい性質のため扱いやすく、初心者でも使いやすいといわれています。ソフトジェルの場合はアセトンというリムーバーを使ってネイルオフするため、爪を削ってネイルオフするハードジェルとは異なり、地爪をキズつける心配もありません。

ソフトジェルのメリット

ソフトジェルはなんといっても、ゲルが柔らかいため初心者でも扱いやすいのがメリット。オフにはアセトンを使うので、特別な技術や経験も必要ありません。また、ハードジェルよりカラーのバリエーションが豊富なため、こだわりの色やニュアンスカラーなど気分にぴったりのカラーを楽しめます。

ソフトジェルのデメリット

柔らかいというメリットは、逆をいうと強度がないということ。キズがつきやすく折れやすいため、長さ出しには向きません。また、強度がないぶんハードジェルに比べてもちも悪く、2~3週間ほどでつけかえやオフをしなければなりません。

オフに使用するアセトンはアレルギーがでる場合があるため、アレルギー体質の方や肌が弱い方は注意が必要です。

ハードジェルとソフトジェル、それぞれどんなタイプにおすすめ?

ハードジェルとソフトジェルの違いやそれぞれのメリットとデメリットを知ったうえで、お客様には、どちらをおすすめするべきか考えてみましょう。

もちろん、お客様のタイプや希望によっておすすめするネイルの種類は変わります。ハード・ソフトジェルの特徴をふまえて、どのようなタイプの方に向いているのかをご紹介します。

ハードジェルをおすすめするのはこんなタイプ

長持ちする、硬さがありキズがつきにくいなどといったメリットがある一方、セルフでおこなうことの難しさや、ネイルオフをする際にも、ある程度の技術力を必要とするハードジェル。ハードジェルを利用したネイルは、どのような場合におすすめなのでしょうか。

①アセトンアレルギーがある

ソフトジェルのネイルオフをするために使うリムーバーのアセトンには、引火性・揮発性があり、使い方を誤ってしまうと事故に繋がる危険があります。そのような特徴があるアセトンは、体に悪影響を及ぼす可能性も。

そのため、薬剤に敏感な方やアレルギー体質の方はアセトンを使わずに、削って落とすことができるハードジェルがおすすめです。

②重さのあるパーツを使うデザインを希望

ストーンなどのジュエリーパーツを使ったネイルは、大変インパクトがあり、ゴージャスな指先を演出してくれるので人気のデザインです。しかし、重さがあったり、先が尖っていたり、厚みがあったりすると取れやすくなることもあるので、長持ちさせるためにはしっかりと付けておく必要があります。

ストーン、ジュエリーパーツをネイルにしっかりと固定させたい場合には、ソフトジェルよりも硬さと強度のあるハードジェルがおすすめです。

③長さを出したい

ネイルアートというのは、爪の面積が広ければ広いほどいろいろなデザインを楽しむことができます。そのため3~4mm程度伸びているのがベストでしょう。爪がやわらかかったり、折れやすかったりしてうまく伸ばせない場合は、長さ出しをするのがおすすめ。ハードジェルは強度があるため、長さ出しをしても安定します。

また、長さ出しをすることで、爪の長さを足したり、強度を上げたり、欠けてしまった部分を補修したりすることが可能です。

長さだしには、スカルプやネイルチップを用いますが、強度があるハードジェルを使っても5mm程度長さを出すことができます。爪が柔らかくて折れやすいなどの悩みがあるお客様におすすめです。

ソフトジェルをおすすめするのはこんなタイプ

柔らかく扱いやすいため、セルフネイルにも向いているソフトジェルは、オフの際にも技術を必要としないのがメリット。カラーバリエーションは豊富ですが、強度がないというデメリットもあるソフトジェルはどのような方におすすめなのかを見ていきましょう。

①オフに時間をかけたくない

ソフトジェルはアセトンという溶剤で簡単にオフすることができるのがポイント。ハードジェルの場合は、ネイルオフの際、ジェルネイルを削って落とすため時間がかかってしまいますが、ソフトジェルはネイルにアセトンをしみ込ませてはがすだけなので、30分程度でオフが完了します。

オフに時間をかけたくない、爪を削りたくないというお客様にはソフトがおすすめです。

②豊富なカラーのデザインを希望

ソフトジェルはカラーバリエーションが豊富なので、自分好みの絶妙な色が見つかる可能性が高いです。特にカラーにこだわりがある方や、微妙な色のグラデーションを楽しみたいというお客様にはソフトジェルがおすすめ。

マグネットネイルやニュアンスネイルなど、個性的なワンカラ―ネイルや独特のカラーを楽しむネイルも可能です。

③技術に自信がない

これはお客様のタイプではなく施術者側の課題ですが、技術に自信がないネイリストや初心者の方、セルフネイルにはソフトジェルがおすすめです。

ハードジェルはゲルが硬いため扱いづらく、きちんと施術できていない場合、ネイルが浮いて隙間ができるリフトが起こる可能性が高まります。リフトが起こるとオフをしなければなりませんが、ハードジェルはオフをするにも技術が必要。

溶剤でふやかして落とすソフトと違い、専用のマシーンやファイルとバッファーを使って削るしか方法がありません。未熟な技術では自爪まで削ってしまうことがあるため、オフに技術と経験が必要になります。技術に自信がない場合は、ソフトネイルを選びましょう。

ハードとソフト、両方を使った施術も可能

ハードとソフトはそれぞれに長所と短所があるため、うまく組み合わせることでデメリットをカバーすることもできます。

爪の状態によって、長さだしをすることで自爪との間に隙間ができるリフトを起こしやすくなることもありますが、ソフトジェルを塗って硬化させた後にハードジェルを塗ることでリフトしづらくなるでしょう。

また、ジェルネイルの手法のひとつであるフィルインで、爪のダメージを最小限におさえつつ、強度をあげてカラーバリエーションも楽しむこともできます。

フィルインはジェルネイルのベース・カラー・トップの3層のうち、ベースだけを残してオフする方法です。溶剤や削ることによるダメージを負うことなくネイルを楽しむことができ、ベースにハードを用いることで強度をあげられるのが最大のメリット。施術には技術が必要なため、サロンで相談してみましょう。

ジェルネイルを長持ちさせるには?もちをよくする方法を紹介

お気に入りのネイルは少しでも長く楽しみたいものです。手入れの方法や日常生活の場面でネイルに気を配ることで、ジェルネイルや爪が傷んだりとれてしまったりする可能性を下げることができるでしょう。

そこで、ジェルネイルを長持ちさせるためのコツをご紹介します。

①爪きりは使わない

ジェルネイルは爪に貼りついている状態なので、強い振動を与えると浮いてしまいます。爪切りは爪をはさんでパチンと切り落とすため、ジェルネイルにとって衝撃となる可能性が高いです。ネイルにヒビが入ったり自爪から浮いてしまったりするため、爪の長さを調整したいときはファイル(爪やすり)を使って削るのがおすすめ。

力を入れすぎないように一方向に向かってファイルを動かし、お好みの長さまで削っていきましょう。

ただし、基本的にジェルがついている状態で短くするのは避けた方がよいため、あくまで応急処置としましょう。

②水回りの家事はゴム手袋をつけてやる

ジェルネイルは水分に弱いので、できるだけ水は触らないようにしましょう。家事をするときなどはゴム手袋をつけ、ジェルネイルに水があたらないようにする必要があります。

水分によってジェルネイルがとれやすくなるだけでなく、洗剤によって発色が悪くなったり、変色するリスクも考えられるため、少しでも水や洗剤を触ることは避けるのがベターです。

③爪が当たらないようにする

ジェルネイルが衝撃によってダメージを受けることはお伝えしたとおりですが、日常の中で爪に衝撃が加わるシチュエーションはたくさんあります。

たとえば、シールやテープをはがす・缶のフタをあける・爪先でこする・指をたてて髪を洗う・かゆいところをかく・・・などあらゆることが考えられ、小さな衝撃でも何度も繰り返すことでもちが悪くなってしまうことも。

なるべく爪を使わないように道具をたよったり、ネイルにダメージを与えないように気をつけましょう。

ハードジェル・ソフトジェルそれぞれの特徴をいかして好みのネイルを楽しもう!

ハードジェルは強度があるため傷がつきにくく、もちもいい反面、扱いにくくオフに技術が必要なため初心者には向きません。ソフトジェルはセルフネイルにも使えるほど扱いやすく、カラーバリエーションが豊富ですが、強度がないため傷もつきやすくもちもハードに比べると短いのがデメリット。

どちらも一長一短あるため、お客様の希望されるデザインや悩みに合わせてぴったりの提案ができるように、特徴をしっかり頭に入れておくのがおすすめです。

それぞれのメリットを活かした素敵なデザインを長く楽しむため、日常生活にも気を配りましょう。

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