男女で違う薬剤師のキャリアの悩み。転職相談の現場から見えたリアル
薬剤師として働くなかで、キャリアの悩みや将来の働き方について考える方も多いのではないでしょうか。実際、転職相談の現場では「出産後の働き方」や「年収アップ」、「役職やキャリアの伸ばし方」など、男女それぞれで相談内容に違いが見られることもあります。では、薬剤師のキャリアの悩みにはどのような傾向があり、男女でどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、薬剤師の転職支援を行う「エニーキャリア」のキャリアアドバイザー、原瑞希さんにインタビュー。日々、多くの転職相談に向き合うプロの立場から、男女それぞれのキャリアの悩みと選択についてお話を伺いました。
今回、お話を伺ったのは…
「エニーキャリア」キャリアアドバイザー
原 瑞希さん

都内のドラッグストアチェーン店にて薬剤師として3年間従事。2024年に「エニーキャリア」へ入社し、キャリアアドバイザー業務をスタート。現在3年目でこれまで約101名の就職・転職活動に伴走。薬剤師経験を活かしたサポートで、2024年に社内表彰にて新人賞銀賞を受賞した実績を持つ。
「ライフステージの変化」「収入アップ」。男女で異なるキャリアの悩み

――実際、男女共通でどのようなテーマの相談内容が多いのでしょうか。
職場の人間関係や働き方に関する相談が多い傾向にあります。実際にこれまで、「残業が多くプライベートの時間がなかなか確保できない」、「業務量に対して給与が低く、老後のための貯金ができない」といったご相談を受けてきました。
――男女で分けると、それぞれどんな相談内容が多いですか?
女性の場合は、結婚や出産などライフステージの変化に伴うご相談が多い傾向にあります。家事や育児など、プライベートと仕事を両立できる柔軟性の高い働き方を希望される方が多い印象です。
一方で男性の場合は、キャリアアップや収入アップに関するご相談が多い傾向にあります。将来的な年収の伸びや、役職に就くべきかといったキャリアの方向性に悩む方も少なくありません。
女性薬剤師のキャリア。ライフステージと働き方の選択
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――女性薬剤師のキャリアで変化が起こりやすいタイミングは?
やはりライフステージが変化したときです。とくに出産後の復帰の際は、壁にぶつかることが多いと感じています。
――どうして壁にぶつかりやすいのでしょうか。
理由は勤務時間です。子どもを保育園に預ける場合、送迎が発生します。そのため時短勤務だけでなく、発熱など体調不良による急きょの送迎や休日取得にも柔軟に対応してくれる環境を探すことに苦労する方が多い印象です。
こうしたことを見越して、新卒の段階から出産や育児と両立しやすい環境に就職することも選択肢のひとつだと思います。
――実際、仕事と子育ての両立はできるんですか?
比較的仕事量の多い管理薬剤師でも実現されている方が少なからずいらっしゃるので、現実的にできると思います。とくに、人員に余裕がある薬局の場合だと両立はしやすいです。複数の薬剤師が在籍していることで、急な欠員を補える可能性が高いため、柔軟に働きやすいと思います。
また、ママさん薬剤師が多い環境も両立しやすい印象です。ママさん同士で支え合う文化が根付いていることも多く、子育ての相談ができる点も魅力だと思います。
――女性にとって、薬剤師はキャリアを築きやすい仕事なのでしょうか。
私はそう思います。薬剤師は医療職のなかでも女性の比率がかなり高い仕事です。育児などさまざまな面で同じ境遇の方が多く、理解を得やすい環境があります。また、制度面でも整っている職場が多いため、キャリアを築きやすいと感じています。
加えて、正社員、パート、派遣など働き方の選択肢が多いことも理由のひとつです。ライフステージに合わせて、同じ会社内でも働き方を変えやすいため、キャリアを断念せずに続けやすい傾向があります。
――正社員とパートを比べると、安定したキャリアを築きやすいのは?
一般的には、正社員のほうが安定したキャリアを築きやすいとされています。パートは労働時間に制限があるため、責任が伴う業務に関わりづらい傾向にあります。経験を重ねにくい分、キャリアアップにつながりにくいという印象です。
男性薬剤師のキャリア。年収とキャリアアップの悩み

――男性薬剤師特有のプレッシャーや悩みはありますか?
先ほどお伝えしたように、薬剤師の職場は女性が多い傾向にあります。そのため、男性が少数派になりやすく、孤立感を覚える方もいらっしゃるんです。また、ハラスメントに対する意識が高まっている社会背景もあり、女性とのコミュニケーションに悩む方も少なくありません。
――女性が多い業界ならではの悩みですね。
そうなんです。あとは、まだ世の中に「男性が家計を支える」というイメージがあるため、それをプレッシャーに感じる方もいます。いまの給与では家計を支えるのが難しいのではないかと、不安や不満を抱く方も多い印象です。
――収入面やキャリアを高めるには、どのような行動をとればいいのでしょうか?
一概には言えませんが、キャリアが有利になるケースとして多いのは役職に就くことです。そのためには、早いうちから会社にキャリアアップの意思を伝えたり、基礎スキルやマネジメント力を高めたりしておく必要があると思います。
――企業転職を目指す男性薬剤師は多いのでしょうか。
これまで私がご相談を受けてきた方のなかでは、企業転職された方の多くが男性でした。ただし、業界全体でそうした傾向があるというデータはありません。
――担当された方々は、どのような背景で企業転職を目指していましたか?
たとえば、キャリアの停滞への不安をきっかけに企業転職を決めた方がいました。現場薬剤師のキャリアは、一般薬剤師、管理薬剤師、エリアマネージャーの3つに大きくわかれます。キャリアの選択肢が限られていることから、「このまま働いていていいのか」と現状に不安を抱き、新しい職種に挑戦しようと一歩踏み出したケースがありました。
男女でキャリアの悩みや選択は異なるものの、働き方や将来への不安に向き合いながら、自分らしい道を模索している点は共通しています。今回のお話からは、ライフステージや価値観に合わせて柔軟にキャリアを考えていくことの大切さが見えてきました。自分に合った働き方を見つけることが、納得のいくキャリアにつながるのではないでしょうか。
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原瑞希
薬剤師専任キャリアアドバイザー
薬剤師免許保有
【経歴・実績】
・ドラッグストアチェーンにて薬剤師として3年間従事
・2024年度 新人賞(銀賞)受賞
【プロフィール】
元薬剤師として現場の空気感やストレスを肌感覚で理解しているため、悩みへの深い共感が可能です。
求人紹介だけでなく、入社後の教育体制まで徹底確認して提案。生活の変化を具体的にシミュレーションし、不安のない転職を支えます。
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