スカルプチャーの特徴と作り方のポイント!
ネイリスト検定1級では、実技試験でスカルプチャーを実際に作る実技を行うことになります。スカルプチャーの特徴を理解したうえで、作り方をしっかりマスターして試験に臨む必要があるでしょう。 そこで、スカルプチャーの特徴について、カルジェルやジェルネイルとの違いをご紹介したうえで、スカルプチャーを作る手順や欠かせない道具などについてもお伝えします。
取り扱いに注意すべき液体なども材料や道具に含まれますので、注意点を正しく把握しておきましょう。
ネイルにおけるスカルプチャーとは何か?
スカルプチャーとは爪に乗せて長さを出す技術のことで、爪に乗せるものはハードジェルやアクリルリキッドとアクリルパウダーを混ぜたものなどです。かなりの強度が期待できますので相当の長さを出すことが可能になりますし、簡単に外れてしまうことがない頑丈さも備えている手法です。
イメージとしては、簡単にとれないネイルチップだと理解するとわかりやすいでしょう。ただし、ネイルチップとはまったく違う性質もありますので、誤解は禁物です。
まず、ネイルチップは爪の形をしたプラスチック状のもので、これを爪に貼り付けることで爪の長さやデザインを変えるタイプのものです。爪へのダメージは少なくて済みますが、剝がれやすくなるのは避けられません。一方、スカルプチャーはジェルやアクリルを使って爪そのものを延長して作り上げるイメージになります。ハードジェルやアクリルは硬化するとかなりの硬度になり素材自体が化学変化しますので、爪に接着するのではなく爪と一体化すると考えるといいでしょう。
施術前にサイディングして爪の表面に溝状の傷をあえて作ることで、ジェルやアクリルの密着度を高め強度を増すことができます。 また、形も自由に作れますし、立体的なアートやデコレーションができる点も魅力といえます。ただし、スカルプチャーをオフする場合は、一定の手間がかかります。特にアクリルスカルプチャーの場合は、専用の溶剤であるアセトンが必要になる点は理解しておきましょう。
カルジェルとスカルプチャーの違いを理解しよう
カルジェルによるネイルは、ジェルの層が薄く自然な仕上がりになるのが特徴で、定着したあとも一定の柔軟性を失うことがありません。そのため、自然なフィット感を味わうことができますし、折れにくいというメリットもあります。また、柔軟性を活かした立体アートを作る場合にも、カルジェルが使われることがあります。 このカルジェルとスカルプチャーの違いはどこにあるのでしょう?
まず爪の長さですが、カルジェルは柔軟性が高いため長さを出すことは難しく、せいぜい3ミリ程度が限界だといわれています。一方、スカルプチャーの場合は硬度がありますので、相当長くすることも可能です。強度や持ちについては、カルジェルは柔らかく平均すると2週間から5週間程度は持ちますが、スカルプチャーは硬いため強い衝撃で損傷することがあり、10日から14日程度で浮いてくるため、その都度手入れが必要になるという違いがあります。
コーティングに関しては、カルジェルの場合は専用のUVトップコートでジェルを保護することが多く、スカルプチャーはコーティングを必要としない場合があります。カラーバリエーションに関してはどちらも豊富です。ただし、匂いについては大きな違いがあります。カルジェルは基本的に無臭ですが、スカルプチャーは特有のアクリル系の匂いが気になるという人もいるでしょう。
さらに衛生面でも違いがあります。カルジェルは小さな穴がたくさんあいていて、それが通気口の役割を果たすためカビなどの心配が少ないですが、スカルプチャーの場合は浮いてくるとその隙間に水分が入り込んでカビの原因になることがありますので注意が必要です。
ジェルネイルとスカルプチャーの違いとは?
スカルプチャーを正しく理解するためには、ジェルネイルとの違いも知っておくことが大切です。ジェルネイルとは、ジェル状のアクリル系の樹脂を使った人工爪のことです。濡れたような艶や丸みがある形状を作り出しやすいのが、ジェルネイルの特徴だといわれています。ネイリストにとっては、水あめのようなジェルを上手く使いこなすのが腕の見せ所です。スカルプチャーとは共通点も多く、長さや強度・持ちに関してはジェルの種類によっては、同等レベルの状態を作り出すことができます。
また、衛生面に関しても浮いてくる部分に水分が入り込んでカビが生えてくる可能性がある点では、共通しているといえます。 スカルプチャーとジェルネイルの違いは、主に3つあります。
ひとつ目は外し方です。スカルプチャーは溶液で溶かして外すことになりますが、ジェルネイルは溶液に溶けない性質がありますので、ファイルで削ることになる点が違います。
2つ目はコーティングです。スカルプチャーの場合はトップコートを塗布する必要がある場合もありますが、ジェルネイルの場合は専用のトップコートは特に必要ないのが一般的です。
さらに3つ目の違いは、においです。スカルプチャーの場合はアクリル特有のにおいがしますが、ジェルネイルの場合は無臭である点が特徴といえます。ネイリストとしては違いをしっかり把握したうえで施術する必要があるでしょう。
スカルプチャーはどうやって作る?
スカルプチャーの作り方は、8ステップに分けて理解するといいでしょう。 まずひとつ目のステップは、キューティクルの処理です。オレンジウッドスティックなどにコットンを巻きつけてから、キューティクルをやさしく押し上げることがポイントです。長さの調整も必要で、ファイルなどである程度整えます。
2つ目のステップでは、アルコールなどで爪表面の水分や油分を取り除きます。
3つ目のステップは、ネイルフォームの装着です。爪とアクリルの接着を良くするためにプライマーを塗りますが、プライマーは危険な薬品ですので、肌に付かないように気を付けることがポイントです。
4つ目のステップでは、ダッペンディッシュにアクリルリキッドを入れて、アクリルボールと呼ばれるミクスチュアにする素を作ります。アクリルリキッドは引火しやすいので、火の近くで使用しないように注意しましょう。
5つ目のステップは、ダッペンディッシュの口でブラシをしごいて、アクリルリキッドの量を調整します。
6つ目のステップでは、リキッドを含んだブラシの先端をアクリルパウダーにつけて、ミクスチュアを作ります。
7つ目のステップは、ミクスチュアをフォームに乗せ形を整えて先端部分と一体化させ、8つ目のステップで爪が固まったことを確認してフォームを外し、ファイルをして仕上げます。
スカルプチャー作りには道具選びも大切
スカルプチャーを作るためには、必要な道具を揃えることも大切です。ネイリスト検定1級を狙う人は道具にある程度こだわりを持つことも大切ですし、自分が使いやすい道具を選ぶ能力も求められるでしょう。 スカルプチャーに欠かせない材料としては、アクリルパウダーとアクリルリキッドが挙げられます。
アクリルパウダーはスカルプチャーを作るときに使用するアクリル樹脂の粉で、アクリルリキッドはアクリルパウダーを硬くするためのアクリル樹脂溶液です。そのため、溶液を入れるためのダッペンディッシュが必要になります。ダッペンディッシュはガラスや陶器でできた小瓶で、主にアクリル容器を小出しにして使う場合に溶液を入れるために使用する道具です。アクリル溶液はプラスチック容器を溶かすことがありますので、ガラスなど溶けない素材でできているダッペンディッシュはスカルプチャーを作る場合には欠かせない道具だといえます。
また、スカルプ前の処理で使うプライマーペンも、必要な道具のひとつです。強酸性の薬品ですが、ペンタイプになっているため塗りやすいです。さらに、やすりとして機能するバッファーやエメリーボード、ネイルの形を整えて段差をなくすためのホワイトブロック、トップコート、そして土台として使うフォームやブラシなども、揃えておく必要がある道具といえます。