ポリマーや光重合って?ネイリストに必要なジェルネイルの知識

ジェルネイルとは、流動性のある合成ジェルをネイルに塗って紫外線などの光を当て、硬化させることによりネイルの形を作る材料として利用されるものです。ジェルネイルはマニキュアよりも長持ちし、スカルプチャーと比べると匂いがないなどの特徴があり、ネイリストにとってジェルネイルは欠かせないものといえます。

そこで、ジェルネイルが硬化する仕組みについてご紹介します。ネイリスト検定試験でも問われる内容ですので、仕組みについてもしっかり理解しておきましょう。

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ジェルネイルのポリマーとは硬化した状態のこと

ジェルネイルが硬化する仕組みを理解するためには、ジェルの成分についても知っておく必要があります。ジェルネイルには2種類あり、ハードジェルとソフトジェルがあります。ハードジェルはその名の通りソフトジェルよりも硬いネイルに仕上げることができるジェルで、主成分はスカルプチャーと同じアクリルです。

一方、ソフトタイプはウレタンやポリビニールが主成分になります。これらはともにペースト状になっており、モノマーとも呼ばれています。モノマーは分子の状態としての用語で、この状態では硬化しないのが特徴です。ジェルネイルは、このモノマーに光を当ててポリマーに変えることで硬化させます。ポリマーとは、モノマーが多数結合した高分子化合物のことで、安定しないモノマーの状態からポリマーの状態になることで安定します。その結果、ジェルが硬化するのです。つまり、ジェルネイルにおけるポリマーとは、光による硬化を行ったあとの状態を指すと考えるとよいでしょう。

ジェルネイルのメリットは、光を当てるまでは硬化しないことです。硬化させるタイミングをネイリスト自身が選べる点が特徴です。また、スカルプチャーでもポリマーという用語が使われます。スカルプチャーは、モノマーであるアクリルリキッドとポリマーであるアクリルパウダーを混ぜてミクスチュアを作り、ボール状のミクスチュアを使って人工爪を作る技術です。

ジェルネイルのポイント!光重合とは?

ジェルネイルのポイントは、光を当てることでネイルを硬化させる点にあります。光の照射まではジェルは硬化しません。そのため焦らず塗っていくことができ、きれいに仕上げることが可能になります。光を当ててジェルを硬化させることを光重合といい、英語でフォトポリマリゼーションと呼ぶことも多いです。

重合とは、構造が簡単で不安定な低分子化合物であるモノマーが2つ以上結合すると、分子量が大きくなった高分子化合物であるポリマーが出来上がる状態になる、その反応のことをいいます。その重合を光によって起こすのが光重合です。スカルプチャーの場合は、モノマーであるアクリルリキッドとポリマーであるアクリルパウダーを混ぜてミクスチュアを作ることによってこの重合反応を起こさせますが、ジェルネイルの場合は光の照射がトリガーとなって重合反応を起こさせる点が異なります。

照射する光にも種類があり、紫外線を照射する場合もあればLEDを照射する場合もあり、ジェルのタイプによって違いがあります。適さない光を照射しても硬化しませんので注意が必要です。この光重合こそがジェルネイルが硬化する仕組みとなりますので、ネイリストとしてはしっかり仕組みを理解しておく必要があるでしょう。

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光重合におけるジェルの硬化を理解しよう

ジェルネイルに光を当てる目的は、ジェルを硬化させてネイルの形状を固定することにあります。そのため、光重合はジェルの硬化そのものを指すといえるでしょう。ジェルの主成分はモノマーであるアクリルやポリビニール、ウレタンなどですが、ジェルにはその他の成分も含まれています。

その他の成分の代表として光重合開始剤があげられます。この光柔重合開始剤がなければ、光重合はスタートしません。モノマーだけの状態にいくら紫外線などの光を照射しても硬化は発生しないのです。そのため、ジェルネイルの硬化には欠かせないものだといえるでしょう。ジェルの硬化を確実に起こさせるには3つのポイントがあります。

1つ目はしっかりかくはんすること、つまりジェルをよく混ぜることです。ジェルを使用する前にしっかり混ぜておかないと、モノマーと光重合開始剤が分離した状態になったままになる可能性があります。モノマーと光重合開始剤が混ざっていない状態では光を当てても硬化は起こらず、「ジェルネイルが固まらない!」というトラブルに見舞われる可能性がありますので注意しましょう。

2つ目は使用するジェルに適合する種類のライトを照射することです。ジェルはメーカーや成分ごとに硬化する光の種類に違いがあり、紫外線で硬化するものもあれば、LEDで硬化するものもあります。中には両方の光で硬化するものもありますが、いずれにしても取扱説明書で当てる光の種類をしっかり確認することをおすすめします。

3つ目としては、ライトのワット数で不足することで思ったように硬化しないことです。取扱説明書に書かれているワット数とサロンで使用するワット数を確認しておきましょう。

光重合では未硬化ジェルの処理も大切

ジェルを使用する前にしっかり混ぜたとしても、ジェルに含まれるモノマーが100%硬化するわけではありません。ジェルネイルに含まれる空気中の酵素などの影響によって照射した紫外線などの光が遮断されてしまい、硬化しない部分がどうしても残ってしまいます。

この硬化しなかったジェルのことを未硬化ジェルと呼びます。未硬化ジェルは確実に拭き取って処理することが大切です。ただし、拭き取りのやり方がよくないとネイルが曇ってしまうなどのトラブルになることがあります。その原因は主に4つ考えられます。1つ目はネイルワイプの同じ面を使って拭き取ることです。

未硬化ジェルは、ネイルワイプにジェルクリーナーを含ませて拭き取ることになります。その時に同じ面を何度も使用するとジェルが曇ってしまう原因となります。指ごとにネイルワイプを変えて拭き取るようにしましょう。2つ目はジェルクリーナー量の不足です。ネイルワイプにはたっぷりとジェルクリーナーを含ませることがポイントです。3つ目はトップジェルの硬化が不十分な状態で拭き取ることです。

特にネイルのサイドなどは光の当たる角度が浅くなりがちです。しっかりと硬化させるためにも角度を変えて光を照射させるように意識しましょう。4つ目はネイルワイプを使わず代用品で済ませることです。キッチンペーパーなどを代用品として使うとしっかり拭き取れない場合がありますのでの注意が必要です。

光重合におけるラジカル重合って何?

光重合によってジェルを硬化させるためには光重合開始剤が欠かせませんが、この光重合開始剤には光を吸収する性質があり、光を吸収するときラジカルが発生します。ラジカルは、一般的には「急進的」「過激な」などと訳されますが、化学用語としては「対をなさない電子である不対電子」という意味があります。

ジェルネイルの硬化によって発生するラジカルは、化学的な意味でのラジカルです。ラジカルが発生することによって硬化が始まりますので、光重合はラジカル重合とも呼ばれます。ラジカルの放出によって質量が収縮するジェルは、その分エネルギーを放出することになります。この時にそのエネルギーは熱として放出されます。そのため、ジェルネイルの硬化が起こると熱を感じます。この熱を軽減させるためには注意すべき点が3つあります。

1つ目はナチュラルネイルを薄くしすぎないという点です。お客様のネイルの状態をしっかり確認する必要があるでしょう。2つ目はジェルを厚く塗りすぎないことです。厚く塗ればその分化学反応も大きくなります。何度かに分けて塗ることも大切です。3つ目はライトの連続照射を避けることです。お客様に熱さの程度を確認して、熱いと感じている場合はライトの照射を中断するといった対応が必要でしょう。

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