世界制覇したトップネイリストが集大成として作ったサロン『Tizu nail』
渋谷駅から徒歩5分。真新しく美しいビルの1室にある『Tizu nail』は、世界ネイルコンテストで5度にわたってグランドチャンピオンを獲得した井筒貴子さんがオープンさせたネイルサロンです。20年以上の経験のすべてを注ぎ込んだサロンとは、どのようなものなのでしょうか。井筒さんにお話を聞きました。
20年以上の経験の集大成として出来上がったネイルサロン
――このサロンをオープンしたきっかけを教えてください
「もともと黒崎えり子が主宰する『eriko nail』でトップネイリストとして15年くらい働かせてもらっていたのですが、経営の視点からいうと自分がやりたいことを100%できているかというとそうではなかったんです。第一線で技術者としてやってきた黒崎が社長も務めている会社だったので、技術者側の気持ちもとてもよくわかってくれていて、私たちの働きやすい環境作りをしてくれていたのですが、自分のなかでは『eriko nail』のなかでやることはやりつくしたという思いがあったんですね。黒崎も言葉では独立したら、とは言いませんでしたが、私が自由に経営をできる環境に進むことを後押ししてくれたところもあり、自然な流れで独立に対する気持ちが固まったんです」
――そこからはとんとん拍子で?
「経営をするのは初めてでしたから、どのように進めていこうか考えていたときに、いろいろな方にご相談していたんです。そのとき、たまたまお客さまとして来ていた、このお店のオーナーである丹羽との運命的な出会いがあり、半年も経たないうちに開業することになりました。今まで20年以上積んできたネイリストとしての経験を通して、もっとこうしたらお客さまに喜んでいただけるのではないか、こういうお店ができたら、という思いがありました。その集大成としてできたのがこのお店になります」
――そのなかで大切にしているコンセプトを教えてください。
「お客さま第一ということですね。そのためには、いかにお客さまに満足していただけるサービス、接客を提供できるかというところになってきます。20年以上ネイリストを続けてきた経験をスタッフにも伝授して、お客さまに満足いただけるサロン作りをしています」
察する力で、最上級のおもてなしを
――施術面では、どのようなことに気を付けていますか?
「施術をするときは、必ずカウンセリングをきちんとさせていただくようにしています。生活環境や爪の悩みをヒアリングし、爪の状態を見させていただいたうえで、お客さまに一番合うものを提案させていただきます。ネイルというと、アートなどできれいに見せることを最重要視する方が多いのです。きれいに見せるとうのはもちろん重要なのですが、それ以上に大切なことは、自爪をきれいに育てていき、健康で健やかな爪の状態にすることだと思っています。そこにプラスして、ジェル、スカルプチャー、デザインなどの技術を使い、美しい状態にするということを大切にしています。ご自身の爪にコンプレックスを持っている方もたくさんいらっしゃるんですが、それをいかに軽減させてきれいに見せるかというのもネイリストの技術だと思います。あとはいくらきれいに仕上がったからといって、施術中に不快な思いをさせてしまうのはプロの仕事ではないと思っています。やはりネイルサロンにリラクゼーションを求めていらっしゃる方が多いので、やっている工程はひとつひとつ大切にしています」
――ネイルは常に新しい技術や、デザインなどが入ってくると思うのですがそのあたりはどのように取り入れていますか?
「新しいデザインは、お客さまからの要望がある以上、取り入れるようにしていますし、トレンドのチェックは欠かさないようにしています。ただ、流行を追うというよりは、基本を固めたうえで流行を取り入れるという形で考えています。流行ばかりを追って、ジェルがはがれてしまったり、スカルプチャーだったら折れてしまうというのでは、本末転倒になってしまうので。このお店はお客さまの層も、30代から50代の美容感度の高い方が多いんですね。なので流行を追うというより、自分の爪をいかにきれいに作り上げてくれるかというのを希望される方が多いですね」
――井筒さんの技術を頼り、第一線で活躍されているようなお客さまも多いと思うのですが、接客面ではどのようなことに気を付けていますか?
「常日頃からスタッフに言っているのは、察する力を大切にしてほしいということなんですね。たとえばお客さまのちょっとした動作で、寒いんだなとか、痛いんだなというのを、自分の目や手で感じてほしいと思っています。ネイルの施術だけに集中するのではなく、お客さまの全体を感じながら施術するように。何か言われてから動くのではなく、言われる前に気付くことが大切ですね」
長年積み重ねたトップネイリストとしての経験を活かしながら、お店の経営をされている井筒さん。どのようにネイリストとしての経歴をつまれ、数々のコンテストで受賞をするに至ったのか、後編で詳しく伺います。
Salon Data
Tizu nail
住所:〒150-0041 東京都渋谷区神南1-12-10 シダックスカルチャービレッジ2F
TEL:03-6712-7585
http://tizunail.co.jp/