カラーリストとして伝えられること あの“西海塾”の主、CALON・西海洋史さん#1

カラーリストとして伝える あの“西海塾”の、CALON・西海洋史さん #1

ロンドンでヘアカラーリストとして遍歴を重ね、1997年に原宿にサロンをオープン。以来、11年間、美容の最先端で活躍してきた西海洋史さん。当時、カラーリストとカッターを分けるサロンは珍しく、卓越したカラーセンスを持つ西海さんのもとには、人気ミュージシャンやモデル、女優など多くの有名人も足しげく通っていました。
そんな西海さんですが、絶頂期の2007年にはフリーランスに転身。カラーリストとしてだけでなく、レストラン経営まで手掛けるなど活動の場を広げていきました。
その後、満を持して2012年に銀座にヘアカラーとスパをメインにした「Beauty and Care CALON」(カロン)をオープンします。
誰が見ても美容界の成功者に見える西海さんですが、ひとつに留まることなく常に挑戦し続ける理由とはなんでしょうか。
また、カラーリストとして、今なにを思い描きながら仕事に向きあっているのかなど、お伺いました。

なにかを引きずったままでは、新たな流れは作れない

――原宿にサロンをオープンした頃からのお付き合いですが、西海さんが新たな拠点に銀座を選んだのは意外でした。
「本当ですか?なぜ?」

――西海さんは、日本人離れした卓越したセンスの持ち主ですから。なんとなく、表参道界隈でずっと活動されるんだろうなぁと。銀座はもっと落ち着いた街。私の中で西海さんは、まだまだ刺激の強い街にいる印象です。
「見ての通り、銀座は40代以上の方が多い街です。自分はもうすぐ50歳になるのですが、年齢と共に価値観って変化するじゃないですか。今の自分には、銀座の街とか店舗とか、この土地の様々なものに対して共感できるんです。原宿にいたころは、もっとクリエイティブなものを追い求めていたけど今は違うところに価値を置いています」

――ご自身の感覚に対し、とても素直に判断されていますね。
「あまり考えてないですけどね。ただ、30代にワクワクしながらやってたことも、今は理解できない自分がいて(笑)。出会いとタイミングときっかけで今ここに居るってことですね。そもそも、ここ数年は時代の流れが大きく変わってきています。美容界だってしかり。そんな時に昔のなにかを引きずっていたら、新しい流れは作れないしね」

――なるほど。ところで、西海さんは日本を代表するカラーリストです。「CALON」でもカットは別の方が担当されているのでしょうか?
「それが、なんとカットもしています。本当はヘアカラーだけ担当したいのですが、お客様からカットのリクエストがあったのがきっかけで切るように。だから16年振りにシザーをオーダーしましたよ(笑)。
そもそも原宿にサロンをオープンする前は真剣にカットもしていたのですが、久しぶりにカットをしてみたら頭では分かっているのに手が動かなくて…」

――うわぁ、それは大変!
「徐々に感覚は取り戻しましたけどね」

全体染めをきちんとできる美容師を育てたい

銀座に「CALON」をオープンするまで、5年間はフリーランスで活動していた西海さん。ヘアカラー剤やヘアケアの開発、本の出版にセミナー講習会など、忙しい日々を過ごされていました。そして現在も、年間100日は外部活動をこなすほど多くのディラーやメーカーから信頼されています。

中でも西海さんのセミナーは全国でトップクラスの人気を誇るため、サロンの定休日は決まって全国を巡り、多くの美容師に指導される日々を過ごしています。

西海さん

「大阪や名古屋の美容師さんは勉強熱心の方が多いですね」と西海さん。

「以前は100人規模のセミナーも行っていましたが、この人数を教えるとなるとトレンドセミナーになってしまう。それである時、方向転換をしたんです。今は“明日から使える、明日からできるヘアカラー”がコンセプト。カラーリングできちんと正規の金額をいただける技術を伝えるようにしています」

――具体的にはどんなことですか?
「ヘアカラーでデザインやトレンドをどれだけアピールしても、現実的な話をすればお客様の半分はリタッチです。ブリーチをしてピンクとかパープルのカラーをする方は、今どきほとんどいませんよね。

じゃぁ、リタッチさえできればいいかというとこれだけでは数字も上がらない。そしてなにより、リタッチはデザインではありません。全国を回ってみると全体染めをきちんとできる美容師さんって本当に少ないんです。だから、デザイン力の伴うきちんとしたテクニックを伝え、お客様が再来店される際に“リタッチだけでいいや”と思わせない様々な手法をお伝えしています。

そうすると少人数制のセミナーしかできないんですよ。僕がモデル一人一人をきちんと見て回り、美容師さんに細かくアドバイスをしていくわけですから」

西海さん

定休日には全国を回る西海さん。「西海流カラーリング」のワザを修得しようと多くの美容師が参加を希望する。

――これこそが“西海塾”と全国で呼ばれる所以ですね。西海さんのカラーテクニックを直接伝授教していただけるなんて、かなり贅沢な時間ですね。
「だから、僕個人の休みはありません(笑)。CALONに来店されるお客様は、基本的にヘアカラーを希望されるんです。ここには白髪染めメニューもありません。でも銀座という場所もあって、たくさんの40代以上のお客様に通っていただいています」

――40代以降というと、みなさん白髪を気にされていますよね?
「はい。僕はファッションカラーで白髪も染めるんです。ファッションカラーでは染まらないと思いますよね。でも僕のテクニックならきちんと染まる。白髪染めは基本的に“黒っぽい色”という感覚を持たれると思うのですが、ファッションカラーなら白髪染めにはない微妙な色味も楽しめます。だからこそ、髪に気を配る大人の女性が来店されるんです」

第二回目のインタビューでは、より深く西海流カラーリングについてお伺いします。

取材・文/小澤佐知子
撮影/田中大三

Salon Data

店内

Beauty and Care CALON(ビューティ アンド ケア カロン)

銀座の歌舞伎座前に店舗を構える大人女性に人気を誇るサロン。
白髪染めは使わず、ファッションカラーでツヤ感のあるヘアカラーを提案してくれるため、大人世代でも上品かつ、華やかな髪色が楽しめると評判です。
また、カラーやパーマ後に発生する活性酸素を、水素ヘアトリートメントで除去するなど、ダメージレスな輝く髪へと導いてくれます。
http://www.calon-ginza.com/

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