作品のこだわりは? JHA東京エリア賞受賞のDouble 松井正太さんの流儀 #2

美容業界のアカデミー賞とも言われているコンテストJapan Hairdressing Awards(ジャパンヘアドレッシングアワーズ)通称JHAにおいて2016年東京エリア賞に輝いたDoubleの松井正太さん。そんな松井さんが東京エリア賞を受賞するまでの道のりや、作品をつくる上でのこだわりなどを伺いました。
Japan Hairdressing Awards(ジャパンヘアドレッシングアワーズ)ってどんなコンテスト?
英国美容界の年間行事で最も権威のある『BRITISH HAIRDRESSING AWARDS』を参考として、1990年から日本で開催されているコンテスト。年に1度、優れた創作活動をした美容技術者を部門別に表彰。美容師界最高峰のフォトコンテストとも言われ、多くの美容師が熱い想いを込めた作品を応募している。今回、松井さんが受賞した「アプリケーションアワーズ」部門は、未発表のオリジナル作品を最大4作品まで応募することが可能。ノミネートされた中から選ばれた1作品に各賞が贈られる。

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「音楽」が作品づくりのベース

――作品をつくる上でのインスピレーションはどこからきていますか。
「僕は『音楽』です。代表の山下も『耳と目は直結している』とよく言いますが、音楽を聴いて創造したものが如実に表れていると思います。ジャンルはロックをよく聞きますが、JAZZも聴くしテクノやフォーク……いいと思ったものはなんでも聴きます」

――音楽からインスピレーションを受けているのには驚きです! 作品をつくる上でのこだわりなどはありますか?
「前半でもお話しましたが、やはり『似合わせ』という部分は大切にしています。よくプロモデルや外国人のモデルが起用されがちですが、僕は街中にいる素人の子にお願いをして撮影しています。だから、どういう風にカットしてどの角度で撮ったらよく見えるか、その子が活きるベストな状態を探しながらつくっています。一人ひとりに似合うバランスを探しながらカットするのは、コンテストも普段のサロンワークも変わらないと思います。あとは、時間が経って作品を見返しても、悪くないなって思える『普遍性』を大事にしています」

――東京エリア賞を受賞するまでの道のりを伺えればと思います。過去どんな作品を提出しましたか?

Double

「2010年に応募した作品は、当時よく邦楽ロックを聴いていたので、その雰囲気が現れてるんじゃないかと思います。当時、先輩達に勝てるような技術力はなかったので、とにかくインパクトで勝負! と考えていました。実はDoubleでは、JHA前に社内でフォトコンテストが開催されるんです。名前を伏せて作品を並べて、各自いいなと思った作品に票を入れていくんですけど、当時この作品をインパクトを狙ってCDジャケットに入れてそのまま並べたら、本物のCDジャケットかと思われてしまい素通りされたという苦い思い出があります(笑)」

Double

「これは、2012年の作品。ソフィアコッポラ監督のアメリカ映画。『SOMEWHERE』のワンシーンがとても印象深く、そこからインスピレーションを受けました。当時水中で撮影できるカメラを持っていませんでしたが、ガラス張りのプールさえあれば撮れるというのを聞いて、ホテルのプールを使って撮影しました。僕も水中に潜って、横から衣装を引っ張っているんです(笑)。水の中に長く入っていることはできないので、奇跡的に撮れたカットです。この頃も技術で勝負というよりは、インパクトで勝負していました。ノミネートには、ほど遠い作品ですね……(笑)」

Double

「2015年、JHAに応募して8回目にしてやっとノミネートされた作品です。残念ながら賞は獲れませんでしたが……。モデルの名前が「ユリさん」だったので、ユリの花をイメージしてつくりました。この頃はスタイリストになって1、2年経って技術にも少し自信がついてきたころ。インパクトで勝負ではなく似合わせカットの技術やテクニックも見せています」

Double

「こちらが昨年東京エリア賞を受賞した作品になります。この頃はよく『Bjork』を聴いていました。音楽・映像・パフォーマンス……どれをとっても一線を越えていて、毎回インスピレーションを受けます。これは一切風を吹かせていなくて、手でスタイルをつくっているのがポイント。普段のサロンワークでも“風を感じるような、つくりこまれていない自然なスタイル”を大事にしているので、それがうまく作品に現れてくれたんだと思います」

――今後もコンテストへ応募は続けると思いますが、目標やビジョンなどは何かありますか?
「こういったクリエイティブなことって、手間も時間もかかるので、若いスタッフの子達を見ていて思うのですが、少し消極的になってきているように感じます。代表の山下に教えてもらったように、こういう作品づくりをして、“大変だけど、いい作品ができると楽しい!”っていうのを伝えていきたいし、普段のサロンワークにも繋がることがあるっていうのを伝えて、一緒に楽しみながら盛り上げていけたらいいなと思います!」

取材・文/梅澤暁(レ・キャトル)
撮影/中村早

Salon Data

Double

Double

美容業界の先駆者とも言われている山下浩二さんが代表を務めるサロン。定評のある似合わせと、独自のレザーカットで究極の再現性を実現。
住所:東京都渋谷区神宮前4−13−13 フォレストプラザ表参道1F
http://www.hearts-hair.jp/Double/index.html

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