マッサージの専門用語事典あ行

マッサージ師として働くならば、しっかりと身に付けておきたい業界用語。今回はマッサージ師専門用語の「あ」行をお送りします。

アジャストメント

アジャストメントは、カイロプラクティックの中で最も古典的な治療法と考えられています。関節を通常では動かせない可動域まで動かすことで、関節の動きをよくする施術です。この通常では動かせない可動域のことを準生理的可動域といいます。アジャスメントを実施すると背骨が大きく動くため骨がポキポキとなることが多いです。ポキポキと音がなるため、不安になる人もいるかもしれませんが、基本的に痛みはほとんどありません。アジャストメントには深部知覚神経を活性化させるメリットもあります。この効果によって、筋肉や関節をまともな状態にすることができるといわれています。自律神経の働きにも効果があるので、自然治癒力の高まりも期待できます。

アイスマッサージ

アイスマッサージとは嚥下反射が起こりやすくなるようにマッサージをおこなうことです。嚥下反射とは口内でひと固まりになった食物を、喉から食道まで運ぶ動作をうながす反射のことをいいます。この反射がうまく作動しなければ、食物を取る行為が困難になり、食物を飲み下すことができなくなります。嚥下障害のある方にアイスマッサージは効果的です。一般的な実施方法としては、綿棒の先端を凍らせたものを使用したり、氷水を染み込ませたりすることで、嚥下反射が誘発される部位である舌や顎を刺激します。口内が刺激されることで、唾液がでやすくなるので「ごくん」という動きが出やすくなります。介護や看護にたずさわる人なら知っておきたいマッサージ法です。

圧迫法

圧迫法とは、手や肘を使用するマッサージ手技のひとつです。身体の疲労、痛み、筋肉のこりに対して圧迫法は有効です。興奮して落ち着かなくなった神経を鎮めることもできます。圧迫法には様々な種類のものがあります。親指を使う「母指圧迫法」、親指と人差し指の2本で行う「二指圧迫法」、手のひらを使用する「手掌圧迫法」、握りこぶしで行う「手拳圧迫法」などがあります。これら圧迫法の使い分けですが、強い刺激が必要であれば小さな点に圧力を集中させることができる、指を使った圧迫法が向いているでしょう。広範囲にやわらかな刺激で圧迫法をおこなう場合は、手のひらやこぶしを使用します。圧迫法をうまく使うことで、リラクゼーション効果が期待できます。

あん摩

あん摩とは元々古代の中国で生まれ、日本に渡来したものです。奈良時代の大宝律令(701年)という法律の中で登場しています。「按摩」と書くこともあり、「按」は「おさえる」という意味で、「摩」は「なでる」ことを意味します。東洋医学の基本理念である「虚実」の概念に応じて使い分けを行うことで、血流の流れをよくする施術方法です。直接皮膚に対しておこなうマッサージとは異なり、あん摩は衣服の上、もしくはタオルの上から行うことが多いです。身体の中心部から、末梢方向へ施術していきます。例えば、腕の場合は付け根から始まり、指先へと移っていきます。揉む動作が按摩のメインになります。筋肉をリラックスさせることを主な目的としており、循環の改善にも効果的です。

あん摩マッサージ指圧師

あん摩マッサージ指圧師とは厚生労働大臣に定められている国家資格です。この資格を取得することで、あん摩、マッサージなどの技術をもちいて人の体の変調を改善する仕事に就くことができるようになります。あん摩マッサージ指圧師になるためには大学、専門学校などの養成コースで3年以上学ぶ必要があります。実習や座学を通し、あん摩、マッサージに関する技術の習得をすることになります。具体的な習得内容としては、人体構造、臨床医学、東洋医学の医療系知識などがあります。国家試験に無事合格し、資格を取得した後はマッサージ院、病院、福祉施設などが主な就職先になるでしょう。自分で治療院を開業したり、スポーツトレーナーになる人もいます。

アビヤンガ

インド・スリランカでは健康や美容を支えている医学としてアーユルヴェーダがあります。アーユルヴェーダの技法の中にアビヤンガと呼ばれるマッサージ技術があります。アビヤンガはサンスクリット語のアビヤーサ(繰り返す)とアンガ(手足)が組み合わさってできた言葉で、オイルを使用して体を滑らかにさするマッサージ方法です。オイルによる保湿効果、マッサージによる体温上昇により新陳代謝を促します。これにより全身の血行を良くするだけでなく美肌効果も期待することができます。アビヤンガで使われるオイルはゴマ油が主流です。ゴマ油には毒素としてたまった活性酵素を退治する抗酸化作用や、脂肪を燃焼しやすくするゴマリグナが含まれています。

アロマオイル

花や葉の植物由来の原料を元に抽出されたオイルを、アロマオイルといいます。自然治癒力を高め、自律神経を整えホルモンバランスを保つなどの効果があるので、アロマオイルは古来より多くの人々に愛されてきました。肌に直接つけてマッサージで使うこともあれば、お風呂に入れて芳香浴をしたり、アロマポットやアロマディで香りを楽しんだり、アロマオイルの使用方法はバラエティ豊かです。アロマオイルはブレンドされているものによって効果が異なります。例えば、香りを主に楽しむためのアロマオイルをマッサージで使用すると、肌荒れを起こす場合もあるので注意が必要です。アロマオイルの種類は事前によくチェックするようにしましょう。

ウドゥワルタナ

ウドゥワルタナとはインド・スリランカの伝統医療であるアーユルヴェーダにおけるマッサージ技術のひとつです。十数種類の薬草を組み合わせた粉を使用するパウダーマッサージのことをいいます。本来、アーユルヴェーダは医療のカテゴリーのため、使用する薬草は医師に処方してもらう必要があります。方法はいろいろとあり、パウダーのみの場合もあれば、パウダーとオイルを組み合わせたり、オイルの後にパウダーを使用したりする時もあります。ウドゥワルタナの効果は大きくわけると、下記3点があります。 ・病気や産後で弱ってしまった筋肉の引き締め ・肌の角質を除去し、皮膚の新陳代謝を高めることで老廃物を排出 ・脂肪を燃焼させることによる痩身効果

X脚(えっくすきゃく)

X脚とは両足でまっすぐ立とうとした時に、膝がくっついてしまい、くるぶしが離れてしまう状態のことです。X脚は膝への負担が大きいため、ケガをしやすい体質といえます。X脚を改善するためには、生活習慣を見直す必要があります。まずは正しい立ち方から意識してみましょう。足裏全体を地面につけ、かかと、小指の付け根、親指のつけ根の三点に重心がいくようにします。膝には力を入れすぎないようにゆるめていきましょう。正しい立ち方ができていれば、膝の負担を軽減することができます。肩こりや腰痛の改善につながる場合もあります。X脚はストレッチやマッサージで改善できることもあるので、X脚がある場合は良い方法を考えていきましょう。

淤血(おけつ)

血がドロドロになり血流が悪い状態を東洋医学では淤血といいます。淤血は血流が悪い状態のため、老廃物の排出が上手くいきません。その結果、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす可能性もあります。淤血を改善するために適度な運動と体に良い食生活を心がけていきましょう。生活の中でストレスを抱えると血管が収縮し、血管の内部が痛んでしまいます。運動を行い、汗をかくことでストレスはある程度解消できます。寝たきりで運動できない人は、マッサージを実施することで血行を促進させましょう。食生活は野菜中心にすることで、淤血は改善していくといわれています。食品添加物が含まれているものを食べ続けると、血行が悪くなる可能性もあります。食品の成分表示を確認することも必要です。

 

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