自分の体質を徹底的にチェック!遺伝子検査のメリットとデメリット #1

遺伝子検査は、私達の生活に身近に徐々になってきているのではないでしょうか。
遺伝子検査によって、 自分の体質や病気のリスクをより具体的に数値によって知ることが出来ます。その検査によって自分のからだについて知り、今後どのような食事、どのような運動を行っていけばいいかということも判るようになります。
中高年になればどのような病魔に襲われることになるのでしょうか。そのようなリスクも、遺伝子検査によって回避することが出来ます。
遺伝子検査といえば、あのハリウッドの大女優も遺伝子検査を受けたことで、注目されました。 そのとき多くの女性たちが私も!と思ったのではないでしょうか。

遺伝子検査で遺伝性乳がん・卵巣がんが発覚、切除を決断

あのハリウッドの大女優ががんを予防するため両乳房を切除したというのはかなり衝撃的なニュースではないでしょうか。それは彼女がまだ健康だというのに、乳房の切除を決断したからです。

それ以前、彼女は、BRCA1という遺伝子に変異が分かり、生きている間に乳がんが発症するリスクが87%あるとの診断を受けたといいます。

BRCA1・breast cancer susceptibility gene I、または乳がん感受性遺伝子Iと呼ばれるものは、がん抑制遺伝子のひとつであって BRCA1遺伝子の変異によって、遺伝子不安定性を生じさせ、最終的に乳癌が起こる率が高くなり、卵巣癌を引き起こすことになります。

BRCA遺伝子の変異によって実際にどの程度のがんが発生しているのかといえば、遺伝性といわれているものは5~10%程度と言われて、そこにBRCA1遺伝子、BRCA2遺伝子の特定がされています。

HBOC(Hereditary Breast and Ovarian Cancer Syndrome)とは

遺伝子検査

遺伝性乳がん卵巣がん症候群をHereditary Breast and Ovarian Cancer, HBOCと言います。乳がんや卵巣がんの5~10%は遺伝が大きく関与していると言われ、その中で大きな割合を占めているのが、このHereditary Breast and Ovarian Cancer, HBOCです。BRCA1遺伝子、BRCA2遺伝子の生殖細胞系列の病的な変異によって乳がん、またはかなり卵巣がんを高いリスクで発症させてしまう遺伝性腫瘍の1つと考えてください。

BRCA遺伝子変異に疑いがあれば遺伝子検査を

遺伝子変異を受け継いでいない人と比較して、発生確率は10倍以上高いと言われています。一般的にはがんは遺伝でなると考えるべきではありません。 しかし、若い人たちが発症してしまったり、同時/異時・同側/対側乳がん、乳がんだけでなく卵巣がんも発症した既往歴などケースが、HBOCを疑う特徴とも言われています。

また、複数の乳がんや卵巣がんの家族歴が見られることもHBOCを疑う特徴です。BRCA1遺伝子、BRCA2遺伝子の変異を持つ女性が、男女1人ずつの子供がいて、男の子、女の子の関係なく、50%の確率で引き継ぐと言われています。既往歴や家族歴によって、BRCA遺伝子変異に疑いがあれば、遺伝子検査を受けてみるのが良いです。

がんを発症していないのに乳房と卵巣を切除したその判断に巷は…

遺伝子検査

注目しなければならないのは、あのハリウッド大女優が、遺伝子検査の結果を受けて、まだがんを発症していないのに、予防的に乳房と卵巣を切除したことです。勇気ある決断と判断することができるかもしれませんが、がんはまだ発症してないのです。そこまでする必要があるのかと疑問・不安の人たちも多くいるはずです。

日本とアメリカの見解の違いがある

やっぱりまだまだ日本人は、アメリカ人と比較して奥手なのかもしれません。たとえ遺伝子検査を希望したとしても、高額な医療費を自費で支払いする必要があります。乳がんのリスクに対する経過観察は、日本の場合、検診や、マンモグラフィーにMRIを併用する程度です。卵巣がんに対しての経過観察の方法は、卵巣摘出術を受けない場合は、超音波検査と腫瘍マーカー(CA-125)の採血検査などです。

一方アメリカでは、保険会社の保険には、遺伝性の乳がんや卵巣がんに対する予防的切除術を保険適用の範囲と認めるものも登場しているようです。日本と比較して、アメリカにおいては、遺伝子検査に基づく予防的治療をすることに対するガイドラインがある程度、既に確立しているのが大きな差だと言えます。

文/sapuri

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