VeLO/vetica・赤松美和さん#1 HAPPYを育む私流の働き方

ご主人の鳥羽直泰さんと二人三脚で、原宿に「VeLO」(ヴェロ)/「vetica」(ヴェチカ)を運営する赤松美和さん。スタイリッシュな雰囲気とクールな顔立ちが印象的な、まさに“かっこいい大人美容師”です。
人生の教訓は「ハッピーに楽しく生きる事」と言い切る赤松さんは、全ての物事に対し「面白いか」「面白くないか」の2択で判断するのだそう。
「楽しい人生を進めたら、それでいいんじゃない?」と笑顔で話す彼女の生き方から、女性が美容の世界で長く輝ける秘訣を探ってみました。

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概念にこだわらない。仕事だって楽しくこなしたい

――女性美容師は、キャリアを積む中でいくつか選択を迫られる次期があると思うのですが、赤松さんはどのように乗り越えてきましたか?
「結婚や出産、子育てなど、女性は仕事とキャリアの両立に悩んだりしますよね。でも、私は“こうじゃなきゃいけない”という考えがそもそもなくて。
“こうしたいから、こうします!”って考えなんです」

――それは清々しい!
「現在“OTOME-ZA″という名のセミナーを行っているのですが、これは女性の美容師さんだけをターゲットにしています。技術ももちろんレクチャーしますが、メインはお悩み相談というか女子トーク(笑)。女性美容師の悩みを語り合うというセミナーを全国で開催しているんです」

――珍しいですね。技術セミナーはたくさんあるけど、お悩みセミナーは聞いたことありません。
「男子禁制なんですよ。だから、女性ならではの悩みがたくさん湧き出る感じで(笑)。その中でも女性は結婚や出産を考えたとき、仕事との両立をどうしたらいいか悩んでいますね。特に“前例がないから辞めないといけないかな”と考えている方、未だに意外と多いです」

――育休制度などが整っていないと不安ですよね。あと、お休みしたら失客するかも…という不安は、やはりあるのではないでしょうか?
「そうですね。でも、私としては“前例がないならつくればいいじゃん”という感じ。今の若い美容師さんたちは、伝える作業が苦手ですね。すぐに諦めちゃう。でも、例えば“出産しても仕事は続ける”という強い意志やその選択肢をチョイスする勇気を持てば、仕事に対する姿勢も真剣になるし、会社だって応援はしてくれるはず。お客様もそうだと思います」

――確かにそうですね。
「自分で選ぶということは責任が伴うけど、これって美容師としてのアイデンティティを確立するきっかけになる。すると、その支えとなる技術はしっかりしないといけないと意識する。自然と練習をするようになるわけです。軸をしっかり持っていれば、自分が思い描く美容師像を目指せますよね。

自分にとって居心地のいい環境をつくろうと動き出せば、周りに応援してくれる人が現れます。ただ自分はこうしたい、ああしたいと言っているだけではだめで、一歩踏み出し、行動することが大事です。オーナーを味方につけるコツって、実は簡単なことなんですよ。ただ、技術はきちんと学ぶ上ですけどね」

赤松さん

誰からも好かれようなんてナンセンス!自分をさらけ出して仕事をしています

赤松さんは白黒はっきりとした、威勢のいい下町の姉御という印象! 竹を割ったような性格が本当に素敵で、物事のジャッチもシンプルです。

「お客様っていろいろな方がいらっしゃいますから、目の前の数字だけにこだわると、自分を失って疲れてしまう仕事だと思うんです。それにどんなに練習したって100%の技術ってないと思うから。もちろん、技術を磨くことは当たり前なんですけど、その上でやはりサロンワークは楽しまないと!」

――楽しむことで結果につながりますか?
「幸運なことに、美容って毎日トキメキのある仕事です。このトキメキを拾い集めて仕事をしていけば自然とその人らしいオーラって出てくると思うんですね。そうすれば自分のスタイルを好んで下さるお客様も出てくる。だから、私は誰からも好かれようなんて考えていません。私は私らしい仕事で、目の前のお客様に精一杯の愛情を向ける。自分も楽しいし、お客様だってちゃんとついてきて下さるから、結果ハッピーなんです(笑)」

――素敵な連鎖反応ですね。
「女性って自由に仕事をした方が輝くと思うんです。だから、セミナーでもそうなのですが店長職の女性って悩みが多くて。自由を失うことで魅力に陰りが出ちゃっているんですね。そんな方には私を見てもらう(笑)。

“私でもやれるんだよ!大丈夫”って感じで。女性が現場で輝くためには、愛嬌がとても大切だと思います。役職に就くことで“後輩を従わせないと…”と躍起になると苦しくなるんです。もっと楽に、もっと楽しもう!って思いますね。そのためには、自分が現場を楽しむことが必要なんです」

VeLO /vetica
VeLO /vetica
赤松さんのインスタより。ほぼ毎日、その日のファッションを紹介。おしゃれもとことん楽しむのが彼女流。ファストファッションだって普通に着るそうですが、ハイブランドに見えるワザはお見事!

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イエスマンはいらない!意見を言えるスタッフが大事

――安心感と頼りがいのある赤松さんですが、この精神は後輩にも受け継がれていますか?
「私は基本的にイエスマンはいらないという考えです。ミーティングなどしていると、云々と頷くだけのスタッフがいますね。そんなとき、私ならこう言います。“合わせなくていい。自分の意見をいいなさい”と。時にはぶつかることもあるけど、それも大事。より相手に対する理解も深まりますからね。

サロンにしても「VeLO」「vetica」というセレクトショップを運営している感覚です。それぞれのブランド(スタイリスト)をセレクトショップで売っているというイメージ。つまり、共通のアイコンに絞らず、バラバラなデザインを売っているサロンでいいと思っています」

――その中で連帯感を生むコツは?
「基本的な部分は同じ方向を向いて働いていますから、ちゃんとチーム力は備わっています。例えば鳥羽は私と違ってスタッフの繊細なサインも見逃さない人ですし、しっかりフォローできる人。それぞれがお互いの違いをリスペクトして補完しているイメージです。チームってそうゆうものだと思うんです。
なんかね、あれもこれもと縛ってしまうと、美容界の子ってバカ真面目になりやすいんですよ。これじゃぁ、人を創る仕事人としてはつまらないでしょう?」

意見や個性を出すことに積極的な赤松さん。「自分らしく働く、楽しく生きる」という精神の裏には、大切な人の死がありました。第二回目のインタビューでは、“父と師匠。ふたりの生き方から引き継いだ魂”についてお伺いします。

取材・文/小澤佐知子
撮影/田中大三

Salon Data

ph7-min
VeLO/vetica

VeLO/vetica(ヴェロ/ヴェチカ)

原宿にあるビルの4階と5階にそれぞれのサロンを運営。VeLOは赤松さんと鳥羽さんが中心となってサロンワークをこなす。
再現性に優れたデザインを心がけていて、セルフスタイリングでもサロンのような仕上がりになれるよう、一人一人のクセに合わせたカットを提案してくれる。
いつも個性的なハイファッションで出迎えてくれる赤松さん。インスタグラムでも毎日その日の衣装をアップし、話題を呼んでいます。
https://www.velovetica.com

VeLO/vetica・赤松美和さん#2 大切な人から引き継いだ魂>>

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