独立しなくても美容師が幸せに生きられる道を模索する『THE DAY』
学芸大学から徒歩3分、閑静な住宅街に囲まれ、洗練された空気感でたたずむ『THE DAY』。以前働いていたサロンでは店長業をしながら、独立しなくても美容師が幸せに生きられる道を模索していたというオーナーの小澤荘之さん。そんな小澤さんが独立しお店を構えた理由とはなんだったのでしょうか?お話を伺いました。
美容師が安心して働ける道を作りたい
――このお店をオープンさせた経緯について教えていただけますか。
「僕は元々、独立願望があったというわけではなく、むしろ独立しないでも、美容師が食べていける環境を作っていきたいと思っていたんです。美容師業界のセオリーとしていつか独立しないと食べていけなくなるという状態がずっとあって、このままでは美容室が増える一方なので、環境を整え、みんなが気持ちよく年を重ねていけるようになればと考えていました。以前働いていたお店では店長業務をしながら、その可能性を試していたんです。でもその環境を作るには、自分が経営権を握らないとだめなんだと、あるとき気づいて(笑)。それで独立を決めました」
――お店を持ちたいという思いではなく、美容師の働く環境を整えたいと。
「そうですね。あとは独立しないとやっていけない環境なのに、いざ独立するとなったら引き止められたりするのはよくある話で…。それもどうなんだろうと思っていました。独立するのであれば気持ちよく送り出してあげて、独立した後も『どうしてる?何かあれば一緒にやろうよ』という話ができるような、いい循環を作っていきたいと思っていました」
スタッフを大切にすることで初めて、お客さまも大切にできる
――具体的にはどのようなことをされていますか?
「こういうことを大っぴらに言うのは変かもしれませんが、お店にとってはお客さまよりスタッフのほうが大切だと思っているんです。もちろん、お客さまを大切にしなくていいわけではないのですが、僕がひとりでお店をやっていけるわけではないので、スタッフがいい状態でお客さまに接するということが、お客さまにとって一番居心地のいい場所を作れると思っていて。美容師は離職率が高い職業だと思うのですが、その大きな理由としては人間関係がうまくいかず辞めるという人が多いと思うんです。なので、人間関係についてはすごく気をつけるようにしています。あとは労働環境の整備ですね。人が辞めてしまうことが、お客さまにとってもお店にとっても一番大きな痛手になってしまう。全員が気持ちよく働けて、納得のいく給料がもらえて、ここで働いていたら5年後も充実して働いていけるということをちゃんと提示できれば、そうそう辞める人はいないと思うんですね。そして、信頼できる美容師がいつもちゃんと対応してくれるということになれば、お客さまも安心して通い続けることができるはずです」
――福利厚生にも力を入れていますか?
「福利厚生というより、スタッフで遊びに行く機会をとても大切にしていて、そういうときは会社負担にしています。今年は社員旅行に全員でハワイに行きましたし、2周年記念では全員でフレンチの名店に行きました。こういうことがスタッフのモチベーションにつながり、他のサロンで働いている友達に自慢できるくらい誇らしく思ってもらえれば安いものかなと(笑)。スタッフもお店で利益があがれば何かしら自分たちに戻ってくるという認識をもってくれるので、いい循環になると思っています」
中編ではスタッフが気持ちよく働ける環境をどのように作っているのか、お話しを伺います。
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